※当記事は、2020年1月23日に初回作成したものです。
こんにちは!自然観光旅行好きの福岡市民、「しぜんfan」のPollyです。
今回は、「日本全国津々浦々のナンバープレート地域名表示について自習するシリーズ」の第二弾。せっかくなら2020年5月から登場する“新ご当地ナンバー”も合わせて調べてみよう!という試みの【甲信越・北関東編】です。
北海道からは知床と苫小牧が、東北からは弘前と白河が新ナンバーとして加わるということが分かりました。
私事ですが、私は日本では九州と北海道以外に住んだことがないため、日本列島の真ん中あたりの地域区分がよく分かりません。
当シリーズを進めるにあたっても、東北以下の地域をどう区切っていくか、けっこう悩みました。何と言っても「中部」の分け方が難しいです。
広い上に、区分の仕方も一通りではないんですね。新潟はどっち、三重はどうなる、などなど、ちょっと調べただけでは感覚が掴めません。
そこで、素直に地図を南下し、切りよくまとまりそうなところでなんとなく分けて乗り切ろうと思います!
各地元の方には違和感のある区切りになってしまっているかもしれませんが、九州の一田舎モンのやることだと思って、広い心でお付き合いいただけると幸いです。
ということで、今回のテーマは「甲信越」と「北関東」。
新潟・山梨・長野・群馬・栃木・茨城の計6県の全ナンバーを調べ、その市町村区分を地図で確認していきたいと思います!
目次
ご当地ナンバーについて
前回のまとめ
まずは、ご当地ナンバーの概要について、前回学んだ内容をさらっとおさらいです。
- 本来は、一つの運輸支局・自動車検査登録事務所につき、発行されるナンバープレートの地域名は一つのみである
- そこを近年、観光や地域振興の目的で、一つの運輸支局・検査登録事務所から複数の地域名でナンバーを発行するようになった
- 新地域名を冠したナンバーを俗に“ご当地ナンバー”と呼ぶ
- ご当地ナンバーの正式名称は「新たな地域名表示ナンバープレート」である
- 2020年度からの新・ご当地ナンバーの導入開始日は5月11日(月)。国土交通省による公式発表はこちら
従来のナンバーでは、表示される地域名は県名や都市名など実際にある地名でしたが、ご当地ナンバーは、『知床』や『富士山』のように文字通りの地域名・エリア名でも可。
国土交通所のウェブサイトには図柄入りナンバーのことを「地域の風景や観光資源を図柄にした“走る広告塔”」と称してありますが、図柄がなくても、新たな地域名表示が入っているというだけでも十分に“走る広告塔”ですよね!
なお、違いの分かりづらい「ご当地ナンバー」と「図柄入りナンバー」については、前回の【北海道・東北編】で簡単にご説明しておりますので、「あれ?」と思った方はチェックしてみてください。
これまでの運用開始時期とナンバーリスト
次に、これまでにどんなご当地ナンバーが誕生しているのか、運用開始時期も併せて調べてみました。(情報参照元はWikipedia「ご当地ナンバー」)
- 2006年10月10日~:17地域
仙台、会津、那須、高崎、成田、柏、川越、諏訪、金沢、岡崎、豊田、一宮、伊豆、鈴鹿、堺、倉敷、下関 - 2007年2月13日~:1地域
つくば - 2008年11月4日~::1地域
富士山 - 2014年11月17日~:10地域
盛岡、平泉、郡山、前橋、越谷、川口、世田谷、杉並、春日井、奄美 - 2020年5月11日~:17地域
知床、苫小牧、弘前、白河、松戸、市川、船橋、市原、江東、葛飾、板橋、上越、伊勢志摩、四日市、飛鳥、出雲、高松
2006年10月に第一弾の導入が始まったようです。2014年導入分が「第二弾」、そして今回の導入は「第三弾」となります。
私の地元・九州からは2006年の導入地域はなく、その後も2014年の「奄美」だけだったからか、ご当地ナンバーで盛り上がった記憶はほぼありません。
しかしこう見ると、17+1+1+10=29地域が既にデビュー済みで、2020年5月からはさらに17地域が加わるとは!
いよいよ、それぞれを地図で見たくなってきました。
早速、本編を始めましょう!
甲信越のナンバー
まずは「甲信越」の3県から見ていきたいと思います。
新潟県
新潟県はこれまで「新潟ナンバー」と「長岡ナンバー」の2種類のみでしたが、2020年5月には長岡エリアから糸魚川市・妙高市・上越市が飛び出し、新たに「上越ナンバー」が誕生します。
新潟市、新発田市、村上市、五泉市、燕市、三条市、加茂市、佐渡市、阿賀野市、胎内市、北蒲原郡聖籠町、西蒲原郡弥彦村、東蒲原郡阿賀町、南蒲原郡田上町、岩船郡関川村・粟島浦村
長岡市、小千谷市、見附市、十日町市、柏崎市、上越市、糸魚川市、魚沼市、南魚沼市、妙高市、三島郡出雲崎町、中魚沼郡津南町、南魚沼郡湯沢町、刈羽郡刈羽村
※赤字は2020年度より「上越ナンバー」の交付地域
糸魚川市、妙高市、上越市
またまた私個人の話で恐縮ですが、湯沢町に一週間ほど、冬の山籠もりで滞在したことがあります。
その当時私は北海道に住んでおり、大量の雪には慣れていたのですが、それでも「新潟の山の中って、こんなに雪深いのか!」とビックリしたのを覚えています。
雪質は北海道よりは若干重いと感じましたが、雪の量では負けていないのではないかというくらい。
スキー場のゲレンデがゴンドラで上がった先にあること、路面にピューピューと温水が出ていること(北海道にはありません)、街に電柱と電線が多いこと、新潟市内は意外と雪がないことなど、同じ“雪国”でもいろいろ違うもんだと感じた旅でした。
南魚沼で食べたおにぎりが、これまで食べたどのおにぎりよりも美味しかったです。
また食べたいなぁ…!
すっかり私の思い出話になってしまいましたが・・・その湯沢って長岡ナンバーだったんですね。滞在時はナンバーなんて気にも留めていませんでした。
長岡市は花火大会で有名ですが、ナンバープレートになるほど大きな街だったとは。調べてみると、長岡は新潟第2の都市なんだそうで。
そして、今回から新ご当地ナンバーとして登場する『上越』と同じ名前の上越市は第3の都市。
長岡と上越は、地域的にも中越と上越に分かれるようですし、地元の人にとってみたら「一括りにされるとちょっと違うなぁ…、独り立ちしたいかも」という感じだったのでしょうか。
個人的には、糸魚川と妙高も知名度の高い素敵な地名なのに、手柄(?)を上越市に持ってかれたみたいで少し悔しいのですが(よそ者が勝手にすみません)、地域としての“上越”が独立ナンバーによって一致団結したのはめでたいことだと思いました!
長野県
次は“しあわせ信州”です。
長野県には『長野』『松本』、そして2006年からのご当地ナンバー『諏訪』の3種類があります。2020年度からの新ナンバーはありません。
長野市、上田市、須坂市、小諸市、中野市、飯山市、千曲市、佐久市、東御市、南佐久郡小海町・川上村・南牧村・南相木村・北相木村・佐久穂町、北佐久郡軽井沢町・御代田町・立科町、小県郡青木村・長和町、埴科郡坂城町、上高井郡小布施町・高山村、下高井郡山ノ内町・木島平村・野沢温泉村、上水内郡信濃町・小川村・飯綱町、下水内郡栄村
松本市、飯田市、伊那市、駒ヶ根市、大町市、塩尻市、安曇野市、上伊那郡辰野町・箕輪町・飯島町・南箕輪村・中川村・宮田村、下伊那郡松川町・高森町・阿南町・阿智村・平谷村・根羽村・下條村・売木村・天龍村・泰阜村・喬木村・豊丘村・大鹿村、木曽郡上松町・南木曽町・木祖村・王滝村・大桑村・木曽町、東筑摩郡麻績村・生坂村・山形村・朝日村・筑北村、北安曇郡池田町・松川村・白馬村・小谷村
岡谷市、諏訪市、茅野市、諏訪郡下諏訪町・富士見町・原村
諏訪ナンバーは、元は『松本』でした。諏訪という地域名は、Wikipediaによると“県を10地域に分けるときに用いられる”んだそうです。
やはり有名な「諏訪湖」もあるし、「諏訪大社」もあるし、観光振興の狙いで分離したんでしょうかね。(勝手に納得)
しかしそうすると今後『木曽』なんかも出てきそうで、ご当地ナンバーって、実はとんでもなく“切りがない”制度なのではなかろうか…。
これは長野に限ったことではありませんが、どの地域も地元を観光で盛り上げたい、地域として確立したいという思いはあるわけで。それに全部応えていくと、ナンバーが増え過ぎてありがたみがなくなってしまいそうだな、とちょっと思いました。
かといって、諏訪にケチをつけているわけでは全くありませんよ! これまで記事を編集してきて、ずっと思っていたことがここで表面化してしまっただけで、諏訪ナンバーは渋かっこいいと思います☺
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続いての山梨県は、『山梨』と『富士山』の2種類。こちらからも新ナンバーはありません。
2008年からのご当地ナンバーである『富士山』は、隣県・静岡の5市町と合同で導入されており、県を跨って発行されている国内唯一のナンバーでもあります。
山梨県のうち富士吉田市・南都留郡を除く全域
富士吉田市、南都留郡道志村・西桂町・忍野村・山中湖村・鳴沢村・富士河口湖町(※静岡県からは富士宮市・富士市・御殿場市・裾野市・駿東郡小山町)
富士山は日本の象徴。
正直、本州から外れて住んでいると富士山自体にそこまでの強い気持ちはないのですが、全国各地に「○○富士」が散在していることから、やはり“日本の心”と言える存在なのだと思います。
国際的に日本を見たときの分かりやすい広告塔でもあり、地域の特徴としては間違いなく唯一無二。そんな「富士山ナンバー」、とても素晴らしいアイデアだと思いました。
そうなると、登録台数さえクリアできれば、宮城と山形が結託(?)して「蔵王ナンバー」なんてのもアリでしょうか。
それから、山梨県のナンバーに関して意外だったのは、「甲府ナンバー」がないことでした。例えば宮城だったら『宮城』と『仙台』がありますし、そんな感じで『山梨』と『甲府』は分かれているもんだと勝手に想像していました。
いくつナンバーを作るのか、自治体によってまさに千差万別なんですね。
いずれにしても、個人的には区分は最低限&シンプルなほうがいいと思うので、2~3種類に収まっている県はかなり好印象です。(編集作業的にも!)
北関東のナンバー
甲信越を抜けまして、ここからは「北関東」に突入して参ります。
こちらの3兄弟からも、2020年度からの新ナンバーはありません。
現行ナンバーは各県3種類ずつ。図を見れば一目瞭然ではありますが、西から群馬→栃木→茨城の順に、各ナンバーの市町村割りを詳しく載せていきますね。
群馬県
群馬県は、『前橋』『高崎』『群馬』の3パターンです。
以前は『群馬』のみでしたが、2006年に『高崎』が、2014年に『前橋』がご当地ナンバーとして続々登場しました。
渋川市、伊勢崎市、太田市、桐生市、沼田市、富岡市、みどり市、藤岡市、館林市、北群馬郡榛東村、多野郡上野村・神流町、甘楽郡下仁田町・南牧村・甘楽町、吾妻郡中之条町・長野原町・嬬恋村・草津町・高山村・東吾妻町、利根郡片品村・川場村・昭和村・みなかみ町、佐波郡玉村町、邑楽郡板倉町・明和町・千代田町・大泉町・邑楽町
高崎市、安中市
前橋市、北群馬郡吉岡町
関東エリア近辺にお住まいの方には常識なのだと思いますが、群馬で一番大きな都市は県庁所在地・前橋ではなく高崎。
1位:高崎(37.3万)、2位:前橋(33.7万)、3位:太田(22.4万)、4位:伊勢崎(21.3万)、5位:桐生(11.1万)
群馬県の北半分は山だったと記憶しておりますので、南の平野部に人口がぎゅっと詰まっている感じでしょうか。
しかし、私のような観光好きの九州者にしてみると高崎も前橋も印象は薄く、やはり浮かぶのはその“山”のほう。「草津」「伊香保温泉」「四万温泉」「榛名湖」などの観光地です。
観光的な地名でないならば、なにもたった2市 or 2市町のために隣接して新ナンバーを作らなくても…とちょっと思ってしまいました。余所者が勝手なこと言ってすみません…(汗)
ご当地ナンバーの目的である「地域振興」と「観光振興」のうち、特に地域振興に力を入れてのことだと思いますので、何もおかしいことではないのですが、何しろ「富士山ナンバー」を見た後だったので…。
しかも、高崎と聞くと、どうしても高崎山の猿(大分県)を真っ先に思い浮かべてしまう九州人です。
それはいいとして、群馬で一番気になったのは、榛東村(しんとうむら)が『高崎』にも『前橋』にも属さず、『群馬』に残ったことでした。
住民の過半数が同意しなかったとか、ここにも何かドラマがあるのでしょうか。
栃木県
お次は栃木県です。こちらは『宇都宮』『とちぎ』、そして2006年からのご当地ナンバー『那須』の3種類です。
足利市、小山市、佐野市、栃木市、下都賀郡野木町
宇都宮市、鹿沼市、日光市、真岡市、矢板市、さくら市、那須烏山市、下野市、上三川町、塩谷郡塩谷町・高根沢町、那須郡那珂川町、芳賀郡益子町・茂木町・市貝町・芳賀町、下都賀郡壬生町
大田原市、那須塩原市、那須郡那須町
『とちぎ』がひらがななので、パッと見たときに「ご当地ナンバーなのかな?」と一瞬思いましたが、前からあったナンバーでした。珍しいですね。
噂によると、『栃木』と漢字で表記すると「栃木市」が代表格のような印象になってしまい、それを佐野市をはじめとする周辺の市が良く思わなかったということらしいです。
個人的には栃木という漢字はカッコ良くて好きですし、「栃木ナンバー」と「那須ナンバー」と「日光ナンバー」の3つだったらよかったなぁと思いました。それか、『宇都宮』も諦めずに4つ。
那須には御用邸もあるし、レジャー要素も満載な一大観光エリアですので、独立ナンバーはもう当然! となると、日光も欲しくなりますもんね。
都道府県ごとに冷静に比べてみると、「それは独立してこれはしてないの?」という地域名もあったりして面白いです。
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最後の茨城県は、元々は『水戸』と『土浦』の2つだったところを、2007年からご当地ナンバーとして『つくば』が加わっています。
水戸市、ひたちなか市、北茨城市、高萩市、日立市、常陸太田市、笠間市、鹿嶋市、潮来市、常陸大宮市、那珂市、神栖市、行方市、鉾田市、小美玉市、東茨城郡茨城町・大洗町・城里町、那珂郡東海村、久慈郡大子町
土浦市、石岡市、かすみがうら市、龍ヶ崎市、牛久市、取手市、稲敷市、稲敷郡阿見町・美浦村・河内町、北相馬郡利根町
つくば市、つくばみらい市、古河市、筑西市、下妻市、常総市、坂東市、結城市、守谷市、桜川市、結城郡八千代町、猿島郡境町・五霞町
私にとっては「土浦ナンバー」こそ、どこの県なのか皆目検討のつかないナンバーの一つです。
初めて茨城に行ったときは偕楽園、那珂湊おさかな市場、鹿島神宮、霞ヶ浦、筑波宇宙センターなどを観光し、「茨城ってのんびりしてて、自然もきれいで見どころも多いし、めっちゃいいところやん!」と感激したことをはっきり覚えているのですが、やはり「土浦」には全くピンと来ません…。
そこで、群馬に続き、少しでも県の全体像を把握すべく各市の人口を調べてみました。情報元は茨城県の公式サイトです。
1位:水戸(26.98万)、2位:つくば(24.18万)、3位:日立(17.56万)、4位:ひたちなか(15.5万)、5位:古河(13.91万)、6位:土浦(13.86万)
2010年のデータでは土浦市が5位で古河市が6位だったのですが、ここ10年近くで僅差で入れ替わったようです。
以前は5位だったにしても、市の人口としては日立の方が上ですし、なぜ土浦ナンバーがあるのかと疑問に思うところですが、それは地図を見れば解決。(たぶん)
『つくば』は『土浦』から分離したナンバーで、県内に元々あったのは『水戸』と『土浦』の2つ。推測に過ぎませんが、当時、東西に二分するにあたり、西の代表都市が土浦だったということなんだと思われます。
北海道でも釧路市と苫小牧市の人口順位が入れ替わったばかりですし、減少するところはこれからどんどん減少し、人口が集中する場所というのが限られてくる時代なのかもしれませんね。
少し話が逸れましたが、なんだか勝手にしみじみした茨城県のナンバー事情でした。
記事を取得できませんでした。記事IDをご確認ください。
おわりに
以上、甲信越&北関東のナンバープレート区分の調査結果をお送りいたしました。
まとめとして各県のナンバーを列記しますと、以下のようになります。黄色がご当地ナンバー、赤色が2020年5月11日からの新・ご当地ナンバーです。
- 新潟…新潟 長岡 上越
- 長野…長野 松本 諏訪
- 山梨…山梨 富士山
- 群馬…群馬 高崎 前橋
- 栃木…宇都宮 とちぎ 那須
- 茨城…水戸 土浦 つくば
というわけで、甲信越・北関東からの新ナンバーは、新潟県の「上越ナンバー」でした! デビューおめでとうございます☺
次回はパンドラの箱、南関東! 一体いくつのナンバーが飛び出すのでしょうか。よろしければまたお付き合いくださいませ。
今回も外野からああだこうだと言いながらの記事になりましたが、最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
それではまた。 Polly
※記事内の所属市町村リストは軽自動車検査協会「全国の事務所・支所一覧」を参考に作成しました。また、地図素材はフリー素材、無料素材のDigipotのものを使用させていただきました。