【ラムサール条約湿地とは?】国内全52ヵ所の所在地、面積順・登録年順リスト(2020.2)

こんにちは! 自然観光好きの福岡市民、「しぜんfan」のPollyです。

自然観光と一口に言っても様々なタイプがありますが、私が気付けばよくやっているのは「水辺」と「ハイキング」の組み合わせ。

特に「」に惹かれるようで、旅行中に大きな湖があると立ち寄らずにはおれません。遊歩道を歩き、風景写真を撮り回り、気付けば数時間、ということも多々あります。

そんな調子でこれまでいくつもの湖を訪れてきましたが、特に北海道では、けっこうな確率で行き当たるのがこの言葉;「ラムサール条約」。

耳にしたことはあれど、いざ言葉にしようとすると「なんのこっちゃよく分からない」、という人も少なくないのではないでしょうか。

私もそうでしたし、もっと掘り下げて調べてみたいとずっと思ってもいました。

そこで当記事では、ラムサール条約とはどんなものなのか、同条約のもと指定されている国内のラムサール条約湿地にはどんなところがあるのか、環境省が公表している情報を噛み砕いてまとめてみたいと思います!

同じくラムサール条約湿地について調べていらっしゃる方の、何かしらの参考になれば幸いです。

すぐにリストに飛びたい場合は、下の「目次」をご活用くださいませ。

それでは、いってみましょう!



ラムサール条約について

ラムサール条約とは

まずは「ラムサール条約」について、概要を確認してみましょう。

ラムサール条約は1971年2月2日にイランのラムサールという都市で開催された国際会議で採択された、湿地に関する条約です。正式名称は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいます。

環境省「ラムサール条約とは

今から50年ほど前にできた、自然環境に関する国際的な条約なんですね。

上記説明文の中には「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と記載されていますが、水鳥以外にも、魚類や植物なども含まれるようです。

条約の目的をざっくりとまとめると、

世界レベルで重要な湿地や、そこに生息・生育する動植物の生態系を守るとともに、そこから得られる恵みを持続的に活用していきましょう。
そして、そのための交流・学習活動も進めていきましょう

というものです。

条約文内には、上記を実行していく上での具体的な方法・ルールなどがつらつらと規定してあります。(条約全文をまとめた環境省によるPDF資料はこちら

ラムサール条約湿地とは

大まかにラムサール条約がどんな条約なのかはつかめましたが、さて、どんな湿地が登録湿地となるのでしょうか。

ラムサール条約の締約国は、自国の湿地を条約で定められた国際的な基準に従って指定し、条約事務局が管理する「国際的に重要な湿地に係る登録簿に掲載します。これが「ラムサール条約湿地」です。

環境省「ラムサール条約湿地とは

国際的な基準に従って登録簿に掲載された湿地=ラムサール条約湿地、となるようです。

では、“国際的に重要”である基準とは?

こちらも、基準の本筋をざっくりまとめるてみると、

  • 絶滅危惧種を支えている
  • 生物多様性の維持に貢献している
  • 動植物が生きていくため、存続していくための重要な場となっている(避難場所や産卵地など)
  • 定期的に2万羽以上の水鳥を支えている

というような内容でした。

他にも「1種または1亜種の個体群の個体数の1%以上」といった詳しい条件もありましたが、細かいことはここでは省略。

とにかく、貴重な自然環境や生物多様性を維持するために、世界レベルで重要な湿地、ということですね。

日本国内では、「国際的に重要な湿地であること」、「国の法律(自然公園法、鳥獣保護管理法など)により、将来にわたって、自然環境の保全が図られること」、「地元住民などから登録への賛意が得られること」の3点を条件として登録しているようです。

ちなみに、同条約における湿地の定義は以下。

「天然のものであるか人工のものであるか、永続的なものであるか一時的なものであるかを問わず、更には水が滞っているか流れているか、淡水であるか汽水であるか鹹水(海水)であるかを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地又は水域をいい、低潮時における水深が6メートルを超えない海域を含む。」(条約第1条1)

これには、湿原、湖沼、ダム湖、河川、ため池、湧水地、水田、遊水池、地下水系、塩性湿地、マングローブ林、干潟、藻場、サンゴ礁などが含まれます。

環境省「ラムサール条約湿地とは

天然である必要はなく、海水も範囲内、というところに個人的には“目から鱗”でした。

条約締結国の数

日本が締約国であることはもう分かっているわけですが、他には何ヵ国が参加しているものなのでしょうか。

同条約の2020年2月2日付けの公式リスト(「The List of Wetlands of International Importance(PDF)」)には、以下のように記してあります。

  • Number of Contracting Parties(締約国): 171
  • Number of Sites designated(登録湿地数): 2,386
  • Total area(総面積): 253,771,669 hectares

253,771,669ヘクタールは、「2537716.69 ㎢」です。いずれにしても、全然ピンときませんね…。

2020年2月現在、世界には208の国と地域があります(と思います)ので、全世界とは言えないまでも、大半は締約国であるようです。

登録湿地数については、例えば2018年に東京都江戸川区の「葛西海浜公園」が新たに登録湿地に加わったように、随時変動があるとみられ、これから環境保護活動の必要性がさらに加速していくと、その数は徐々に増えていくのかもしれませんね。



日本国内のラムサール条約湿地

さて、ここからがお楽しみ、「日本のラムサール条約湿地」です!

2020年2月15日時点では、52ヵ所の湿地が登録されています。まずは、各湿地の所在地および特徴を地域順に見ていきましょう。

北海道

北海道には13の湿地がラムサール条約湿地として登録されており、これは日本の全登録湿地のうちの4分の1にあたります。

北海道のラムサール条約湿地
北海道のラムサール条約湿地
© OpenStreetMap contributors

※スマホの方は、横スクロールで全体をご覧いただけます。

クッチャロ湖 浜頓別町 大規模ガンカモ渡来地
サロベツ原野 豊富町・幌延町 高層湿原、オオヒシクイ、コハクチョウ渡来地
濤沸(とうふつ) 網走市・小清水町 低層湿原、湖沼、大規模オオハクチョウ・オオヒシクイ等渡来地
雨竜沼湿原 雨竜町 高層湿原
野付(のつけ)半島野付湾 別海町・標津町 塩性湿地、低層湿原、藻場、タンチョウ繁殖地、大規模コクガン・ホオジロガモ等渡来地
阿寒湖 釧路市 淡水湖、マリモ生育地
宮島沼 美唄市 大規模マガン渡来地
風蓮春国岱(しゅんくにたい) 根室市・別海町 汽水湖、低層湿原、藻場、タンチョウ繁殖地、大規模キアシシギ・オオハクチョウ等渡来地
釧路湿原 釧路市・釧路町・標茶町・鶴居村 低層湿原、タンチョウ生息地
霧多布(きりたっぷ)湿原 浜中町 高層湿原、タンチョウ繁殖地
厚岸別寒辺牛(べかんべうし)湿原 厚岸町 低層湿原、大規模オオハクチョウ・ガンカモ渡来地、タンチョウ繁殖地
ウトナイ湖 苫小牧市 大規模ガンカモ渡来地
大沼 七飯町 淡水湖、堰止湖群

さすがは北海道、マリモやタンチョウなど、以降の地域からは出てこないような生物名が見られます。

また、上記の場所のほとんどが白鳥の飛来地でもあるところも興味深いです。

関連記事 北海道の白鳥の飛来地についての調査記事あります ↓

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冬のウトナイ湖の朝、湖畔で朝日を浴びるススキと湖

東北

東北からは7ヵ所ありますが、リスト最後の「尾瀬」だけは特別で、福島・群馬・新潟の3県にまたがっています。

東北地方のラムサール条約湿地
東北地方のラムサール条約湿地
© OpenStreetMap contributors
(ほとけ) 青森県三沢市 オオセッカ繁殖地
伊豆沼内沼 宮城県栗原市・登米市 大規模マガン等ガンカモ渡来地
蕪栗(かぶくり)周辺水田 宮城県栗原市・登米市・大崎市 大規模マガン等ガンカモ渡来地
化女(けじょ) 宮城県大崎市 ダム湖、ヒシクイ(亜種)、マガン等の渡来地
志津川湾 宮城県南三陸町 藻場、コクガンの渡来地
大山上池下池 山形県鶴岡市 ため池、マガモ、コハクチョウ等の渡来地
尾瀬 福島県檜枝岐村、群馬県片品村、新潟県魚沼市 高層湿原

宮城県に4ヵ所あり、そのうちの3ヶ所は地図に乗せてみると団子状態だということが分かりました。表現が悪くてすみません、“集中している”ですね(笑)

東北を除く本州

次は、本州の一番西まで一気にいってみたいと思います。先ほどの「尾瀬」も再度含めると、合わせて22ヵ所です。

東北を除く本州のラムサール条約湿地
本州のラムサール条約湿地
© OpenStreetMap contributors
(ひ) 茨城県鉾田市・茨城町・大洗町 汽水湖、カモ類の渡来地、ヒヌマイトトンボ等の生息地
尾瀬 福島県檜枝岐村、群馬県片品村、新潟県魚沼市 高層湿原
奥日光の湿原 栃木県日光市 高層湿原
渡良瀬遊水地 茨城県古河市、栃木県栃木市・小山市・野木町、群馬県板倉町、埼玉県加須市 低層湿原及び人工湿地、トネハナヤスリ、タチスミレ等の生育地、オオヨシキリ、チュウヒ等の渡来地
芳ヶ平(よしがだいら)湿地群 群馬県中之条町・草津町 火山性の特異な特徴を有する中間湿原、淡水湖、火口湖
谷津(やつ)干潟 千葉県習志野市 泥質干潟、シギ・チドリ渡来地
葛西海浜公園 東京都江戸川区 干潟、塩性湿地、カモ類の渡来地
(ひょう) 新潟県阿賀野市 ため池、コハクチョウ、オナガガモ等の渡来地
佐潟(さかた) 新潟県新潟市 大規模ガンカモ渡来地
立山弥陀ヶ原(みだがはら)・大日平(だいにちだいら) 富山県立山町 雪田草原
片野鴨池(かたのかもいけ) 石川県加賀市 大規模ガンカモ渡来地
中池見(なかいけみ) 福井県敦賀市 低層湿原、厚く堆積した泥炭層
三方五湖(みかたごこ) 福井県若狭町・美浜町 固有魚類生息地
東海丘陵湧水湿地群 愛知県豊田市 非泥炭性湿地(貧栄養性湿地)、シラタマホシクサ等の生育地、ヒメタイコウチ等の生息地
藤前(ふじまえ)干潟 愛知県名古屋市・飛島村 河口干潟、シギ・チドリ渡来地
琵琶湖 滋賀県大津市・彦根市・長浜市・近江八幡市・草津市・守山市・野洲市・高島市・米原市・東近江市 淡水湖、大規模ガンカモ渡来地、固有魚類生息地
円山川下流域周辺水田 兵庫県豊岡市 河川及び周辺水田、コウノトリ、キタノメダカ等の生息地
串本沿岸海域 和歌山県串本町 非サンゴ礁域のサンゴ群集
中海 鳥取県米子市・境港市、島根県松江市・安来市 大規模コハクチョウ・ホシハジロ・キンクロハジロ・スズガモ渡来地
宍道(しんじ) 島根県松江市・出雲市 大規模マガン・スズガモ渡来地
宮島 広島県廿日市市 砂浜海岸、塩性湿地及び河川、ミヤジマトンボの生息地
秋吉台地下水系 山口県美祢市 地下水系・カルスト

条約湿地が全くない県もあれど、わりと全地域に散らばっている印象ですね。ただ、自然豊かな四国に一つもないことは意外でした。

また、表の中でを付けた湿地について、集合体名で記載されていて分かりづらいですので、それぞれ具体的な区域名も調べてみました。以下、その詳細です。

上記以外では、広島県廿日市市の宮島(厳島)で条約湿地に登録されているのは、南西部の沿岸域だそうです。

九州・沖縄

さて、残る地域は九州・沖縄です。こちらは11ヵ所が登録されています。

九州のラムサール条約湿地
九州のラムサール条約湿地
© OpenStreetMap contributors
沖縄のラムサール条約湿地
宮古島・石垣島のラムサール条約湿地
沖縄のラムサール条約湿地
© OpenStreetMap contributors
東よか干潟 佐賀県佐賀市 干潟、シギ・チドリ類の渡来地
肥前鹿島干潟 佐賀県鹿島市 干潟、シギ・チドリ類の渡来地
荒尾干潟 熊本県荒尾市 干潟、クロツラヘラサギ、ツクシガモ等の渡来地
くじゅう坊ガツルタデ原(わら)湿原 大分県竹田市・九重町 中間湿原
藺牟田(いむた) 鹿児島県薩摩川内市 ベッコウトンボ生息地
屋久島永田浜 鹿児島県屋久島町 アカウミガメ産卵地
久米島の渓流湿地 沖縄県久米島町 渓流及びその周辺の湿地、森林、キクザトサワヘビの生息地
慶良間諸島海域 沖縄県渡嘉敷村・座間味村 サンゴ礁、アオウミガメ等のウミガメの産卵地
(まん) 沖縄県那覇市・豊見城市 河口干潟、クロツラヘラサギ渡来地
与那覇湾 沖縄県宮古島市 干潟、 シギ・チドリ類の渡来地
名蔵(なぐら)アンパル 沖縄県石垣市 マングローブ林、河口干潟

鹿児島・沖縄が広すぎて地図が分かれてしまいましたが、あらためて地図を見ると、石垣島って本当に台湾に近いんだなぁと実感しました。沖縄本島に行くより、台湾に行く方が近いという。

の付いている屋久島の「永田浜」は、 前浜・いなか浜・四ツ瀬浜という3つの浜の総称なんだそうです。(屋久島町公式サイト・永田浜:いなか浜より)

久米島の渓流湿地」も具体的な区域が伝わってこない名称ですが、久米島町観光協会のサイトによると、具体的には「宇江城岳を源流とする湿地帯」となるようです。地図で確認したい方は、こちらの環境省九州地方環境事務所によるPDF資料に詳しい案内があります。

また、沖縄の「慶良間諸島海域」について、当初は353haがラムサール条約湿地として登録されていたところ、2015年に登録面積が8,290haに拡大されたとのこと。(環境省沖縄奄美自然環境事務所公式サイト・報道発表資料より)

個々に調べるとそれぞれにもっと深い特色やバックグラウンドがあるのだとは思いますが、とりあえずは以上をもって「日本国内のラムサール登録湿地」の概要調査結果報告とさせていただきます。

さらに詳しい内容については、環境省による「各条約湿地の概要」をご覧ください。

くじゅうの「タデ原湿原」の様子をご紹介した記事はこちら!

九重・タデ原湿原のススキ



日本の条約湿地:面積順

先ほど慶良間諸島海域のところで面積の話が出ましたが、ここまでリストが並ぶと気になってくるのが「面積順」。

そこで、同じく環境省の条約湿地リストの情報から、「ラムサール条約湿地の面積ランキング」を作成してみました。(面積の単位はヘクタールです。)

1 琵琶湖 滋賀県大津市・彦根市・長浜市・近江八幡市・草津市・守山市・野洲市・高島市・米原市・東近江市 65,984
2 尾瀬 福島県檜枝岐村、群馬県片品村、新潟県魚沼市 8,711
3 慶良間諸島海域 沖縄県渡嘉敷村・座間味村 8,290
4 中海 鳥取県米子市・境港市、島根県松江市・安来市 8,043
5 釧路湿原 北海道釧路市・釧路町・標茶町・鶴居村 7,863
6 宍道 島根県松江市・出雲市 7,652
7 風蓮湖・春国岱 北海道根室市・別海町 6,139
8 野付半島・野付湾 北海道別海町・標津町 6,053
9 志津川湾 宮城県南三陸町 5,793
10 厚岸湖・別寒辺牛湿原 北海道厚岸町 5,277
11 渡良瀬遊水地 茨城県古河市、栃木県栃木市・小山市・野木町、群馬県板倉町、埼玉県加須市 2,861
12 サロベツ原野 北海道豊富町・幌延町 2,560
13 霧多布湿原 北海道浜中町 2,504
14 クッチャロ湖 北海道浜頓別町 1,607
15 阿寒湖 北海道釧路市 1,318
16 大沼 北海道七飯町 1,236
17 三方五湖 福井県若狭町・美浜町 1,110
18 円山川下流域・周辺水田 兵庫県豊岡市 1,094
19 涸沼 茨城県鉾田市・茨城町・大洗町 935
20 濤沸湖 北海道網走市・小清水町 900
21 芳ヶ平湿地群 群馬県中之条町・草津町 887
22 荒尾干潟 熊本県荒尾市 754
23 与那覇湾 沖縄県宮古島市 704
24 雨竜沼湿原 北海道雨竜町 624
25 立山弥陀ヶ原・大日平 富山県立山町 574
26 串本沿岸海域 和歌山県串本町 574
27 秋吉台地下水系 山口県美祢市 563
28 伊豆沼・内沼 宮城県栗原市・登米市 559
29 ウトナイ湖 北海道苫小牧市 510
30 蕪栗沼・周辺水田 宮城県栗原市・登米市・大崎市 423
31 葛西海浜公園 東京都江戸川区 367
32 藤前干潟 愛知県名古屋市・飛島村 323
33 奥日光の湿原 栃木県日光市 260
34 久米島の渓流・湿地 沖縄県久米島町 255
35 仏沼 青森県三沢市 222
36 東よか干潟 佐賀県佐賀市 218
37 名蔵アンパル 沖縄県石垣市 157
38 宮島 広島県廿日市市 142
39 くじゅう坊ガツル・タデ原湿原 大分県竹田市・九重町 91
40 中池見 福井県敦賀市 87
41 佐潟 新潟県新潟市 76
42 藺牟田池 鹿児島県薩摩川内市 60
43 漫湖 沖縄県那覇市・豊見城市 58
44 肥前鹿島干潟 佐賀県鹿島市 57
45 宮島沼 北海道美唄市 41
46 谷津干潟 千葉県習志野市 40
47 大山上池・下池 山形県鶴岡市 39
48 化女沼 宮城県大崎市 34
49 瓢湖 新潟県阿賀野市 24
50 東海丘陵湧水湿地群 愛知県豊田市 23
51 片野鴨池 石川県加賀市 10
51 屋久島永田浜 鹿児島県屋久島町 10

2位に圧倒的な差をつけて、近江の琵琶湖が堂々の面積1位となりました。

琵琶湖・白髭神社
琵琶湖(2016年4月30日撮影)

…興味本位でランキングを出しただけですので、特にこれ以上のコメントはありません(笑)

日本の条約湿地:登録年順

興味本位ついでに、登録年の古い順でも並べてみました。

S55.6.17 釧路湿原(北海道)
S60.9.13 伊豆沼・内沼(宮城県)
H1.7.6 クッチャロ湖(北海道)
H3.12.12 ウトナイ湖(北海道)
H5.6.10 霧多布湿原(北海道)、厚岸湖・別寒辺牛湿原(北海道)、谷津干潟(千葉県)、片野鴨池(石川県)、琵琶湖(滋賀県)
H8.3.23 佐潟(新潟県)
H11.5.15 漫湖(沖縄県)
H14.11.18 宮島沼(北海道)、藤前干潟(愛知県)
H17.11.8 サロベツ原野(北海道)、濤沸湖(北海道)、雨竜沼湿原(北海道)、野付半島・野付湾(北海道)、阿寒湖(北海道)、風蓮湖・春国岱(北海道)、仏沼(青森県)、蕪栗沼・周辺水田(宮城県)、尾瀬(福島県・群馬県・新潟県)、奥日光の湿原(栃木県)、三方五湖(福井県)、串本沿岸海域(和歌山県)、中海(鳥取県・島根県)、宍道湖(島根県)、秋吉台地下水系(山口県)、くじゅう坊ガツル・タデ原湿原(大分県)、藺牟田池(鹿児島県)、屋久島永田浜(鹿児島県)、慶良間諸島海域(沖縄県)、名蔵アンパル(沖縄県)
H20.10.30 化女沼(宮城県)、大山上池・下池(山形県)、瓢湖(新潟県)、久米島の渓流・湿地(沖縄県)
H24.7.3 大沼(北海道)、渡良瀬遊水地(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県)、立山弥陀ヶ原・大日平(富山県)、中池見(福井県)、東海丘陵湧水湿地群(愛知県)、円山川下流域・周辺水田(兵庫県)、宮島(広島県)、荒尾干潟(熊本県)、与那覇湾(沖縄県)
H27.5.28 涸沼(茨城県)、芳ヶ平湿地群(群馬県)、東よか干潟(佐賀県)、肥前鹿島干潟(佐賀県)
H30.10.18 志津川湾(宮城県)、葛西海浜公園(東京都)

日本で初めてラムサール条約湿地に登録されたのは、北海道の釧路湿原」であることが分かりました。登録年は40年前の、昭和55年(1980年)です。

釧路湿原
釧路湿原(2018年5月8日撮影)

そして、平成17年(2005年)には何らかの大きな動きがあったのか、20ヵ所もの湿地が一挙に登録されたようですね。

最新の登録湿地は平成30年(2018年)の、「志津川湾」(三陸海岸)と「葛西海浜公園」(東京湾)。

志津川湾のほうは「三陸復興国立公園海域公園地区」でもあり、絶滅危惧種を含む藻や鳥類、海洋生物の生育地・越冬地となっているそうです。

また、葛西海浜公園の方は、東京都では記念すべき初の登録です。

関連記事 葛西臨海公園・海浜公園の観光レポート記事はこちら ↓

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条約湿地に登録されるということは、管理する側には大変な面、大きなプレッシャーもあるのかもしれませんが、やっぱり世界に誇れる素晴らしいことなのではないかと思います。

おわりに

長い記事になってしまいましたが、最後にもう一度、「ラムサール条約・ラムサール条約湿地とは」というところを振り返ってみたいと思います。

ラムサール条約とは
今から50年ほど前にできた自然環境に関する国際的な条約で、正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」。ラムサールとは、イランの都市名である。

ラムサール条約の考え方
国際的に重要な湿地や、そこに生息・生育する動植物の生態系を守るとともに、そこから得られる恵みを持続的に活用していく。そして、そのための交流・学習活動も進めていく。

ラムサール条約湿地とは
貴重な自然環境や生物多様性を維持するために世界レベルで重要な湿地として、条約事務局が管理する管理簿に掲載された湿地のこと。2020年2月2日時点では世界に2,386ヵ所あり、日本では52ヵ所が条約湿地として登録されている。

ということでした。

今後これらの湖や湿地帯に立ち寄る機会があれば、また新たな視点で訪問を楽しむことができるかもしれませんね!

以上で、当記事「ラムサール条約湿地とは? 国内全52ヵ所を地域別、面積順、登録年順にみてみよう!」を締めくくりたいと思います。

最後までお付き合いいただき、どうもありがとうございました!

ではまた☺ Polly