こんにちは。自然観光が趣味のPollyです。
突然私事で恐縮ですが、私は九州・福岡出身です。九州北部にも渡り鳥は来ますが、見るのはカモばかり。
ところが北海道をはじめとする北国には、冬に野生の白鳥が飛んで来るんですね! 北海道に越してきて初めて屈斜路湖で白鳥を見たときは、「本物の白鳥の湖だぁ~」と大層感動したのを覚えています。
せっかくそんな環境にいるならば、他にももっと白鳥と湖のコンビネーションを見ておきたい。
以前、新潟の渡り鳥飛来地「瓢湖(ひょうこ)」に行ったとき、白鳥を見るなら朝がいいということを学んでいたため、“朝のうちに札幌から行ける距離にある白鳥飛来地” という条件から目的地に選んだ苫小牧の「ウトナイ湖」。
これが、一羽もいなかったんです…。
とてもがっかりしましたので、なぜ白鳥がいなかったのか、その敗因を勝手に推察してみようと思います。
同じく白鳥に会えなかった方、行く前の情報収集中の方、以下の内容はしがない一般人の無責任な推論に過ぎませんが、何かしら参考にでもなれば幸いです。
記事の前半では当日の様子を写真を交えてご紹介していますので、ご興味のない方は適当に飛ばしちゃてくださいね。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします!
目次
行く前のリサーチでは…
私も一応、ウトナイ湖に出かける前にはリサーチなるものをしました。
いろいろなサイトを覗いてみたところによると、一般的には白鳥の日本での越冬時期は10月~4月とのこと。
2月にウトナイ湖で白鳥を見かけたという証言もちゃんとあり、加えて“ウトナイ湖は朝日がきれいである”という情報も入手しました。
「それなら、朝日と白鳥を合わせて見に行って、帰りにダイナスティスキーリゾートにも行ってみよう!」と、張り切って休日の予定を計画したのでした。
訪問時の様子
決行したのは2019年2月5日のこと。快晴予報で、朝日も間違いないであろうという寒い朝でした。
サンクチュアリ側
日の出予想時刻の6:44からは少し遅れましたが、ちょうど朝日が昇り始めた頃に「ウトナイ湖サンクチュアリ・ネイチャーセンター」に到着。
湖畔の植物も凍った湖も、全てがピンクオレンジに輝くという美しい朝を迎えることができ、はるばる札幌から冬道を運転してきた甲斐もありました。
しかし。
白鳥はどこにも見当たりません。白鳥どころか、鳥っこ一羽いない様子。
これだけ湖が凍っていればいないものなのか、はたまた別の場所にいるのか…?
とりあえず、今度はもう少し南の「道の駅ウトナイ湖」のほうに行ってみることにしました。
道の駅側
車を停め、道の駅の快適なお手洗いをお借りした後、一縷の期待を持って湖畔へ向かいます。
この写真を見ると、当時はまだ展望台エリアが工事中だったんですね。
もはやこの道の駅の名物ともなった、車止めの小鳥たちもしっかり激写。
レースのフリルのお洋服で着飾っているばかりか、カラフルなポンポンまで付けている小鳥たち。
鳥の楽園・ウトナイ湖なだけに、車止めにはこのデザインしかない!と思って発注したんでしょうね。さらにそれに服を着せるあたり、ここにいる人たちの優しさや暖かさを感じます。
ほっこりしたところで、いざ湖畔へ。
湖に近寄ってみるも、相変わらず白鳥の気配はなし。
ちなみに時刻は、この時点で7:27です。日が登り始めてから40分以上が経過していますが、以外にもまだ朝日感が出ていますね。
湖畔には誰もおらず、もちろん鳥もおらず、まさに静かな冬の朝という感じ。
白鳥はあきらめ、こうなったらもう、周囲の風景を楽しむことにしました。
Wikipediaによると、ウトナイ湖の面積は2.2㎢、平均水深は0.6mだそうです。最大水深でも1.5mとのことなので、とても浅い湖なんですね。
大半が凍っているせいか、波一つなく、完璧な鏡状態となった姿が絶景でした。
対岸には工場の煙突や煙、鉄塔などが見えます。
そういえば、 “トマコマイ、製紙パルプ” とはるか昔に学校で習いましたもん。その「トマコマイ」が今いる「苫小牧」なんだと実感すると、なんかじんわり感激します。これは、道外出身者ならではの感覚かもしれません。
以上で、ウトナイ湖の朝日観光の様子は終了です。
白鳥がいなかった理由を考察
ここで放置したままにしたくないのが、 “なぜ白鳥がいなかったのか問題” です。
あらためてネット上で調べてみると、「ウトナイ湖で白鳥を見てきました」という報告だけでなく、私のように見られなかったという声も少なくないようなんです。
野生の動物ですし、単純に考えると「居たり居なかったりする」ということなのでしょうけれど、それだけでは納得できません。
そもそも白鳥はいたのか
そこで、まずはウトナイ湖サンクチュアリの公式サイトに何か手がかりがないかどうか調べてみました。すると「最新情報」というページに、2006年からほぼ毎日分、その日観測された鳥類や哺乳類の記録がずらーっと載っているということを発見。
これはすごい。
早速、私の訪れた2019年2月5日の状況がどうだったのかをチェックしてみました。
すると、その日は「オオハクチョウ」「マガモ」「オジロワシ」「ハシブトガラ」「オオアカゲラ」など10種の鳥類が確認されたとあります。哺乳類は「エゾシカ」が5頭。
いたにはいたんですね、「オオハクチョウ」。
ということは、私が出合えなかった理由は、
- 私が行った時間帯にはいなかったのか、それとも
- 対岸などの全く違う場所にいたのか、
ですよね。
では、前後の日はどうでしょうか。調べていくうちに、2018-19シーズンについて次のことが分かりました。
- 10月7日から「コハクチョウ」が観察され始めた
- 10月13日から「オオハクチョウ」が観察され始めた
- 3月末~4月頭を境に、ハクチョウたちが確認されなくなってフェードアウト
リスト確認で目がチカチカして、日付が間違っていたらすみません。だいたい合ってると思います(笑)
とにかく、以上のことから、「10月~4月の間にウトナイ湖に滞在する白鳥はいる」ということに間違いはないようです。
観察されやすい時期はあるのか
では、その中でも数が多い時期、観察されやすい時期というのはあるのでしょうか?
さらにネットを調べてみると、サッポロビールが運営する「北海道Likers(ライカーズ)」というサイト内に、ウトナイ湖の渡り鳥についての記事(2018年3月19日公開)がありました。
※追記:2020年5月現在、同記事は削除されていて見ることができません。
- “本州で越冬していた渡り鳥たちも、春の訪れとともに北へと移動する季節です。最終目的地極東ロシアへ渡る前のひと時を過ごすウトナイ湖も、今(3月中下旬)が一年で最もにぎわう季節です”と書いてある
- オオハクチョウの写真のキャプションに“春と秋に姿を見せる「オオハクチョウ」。多い時で数百羽の群れが見られる”と書いてある
同記事の中にはウトナイ湖サンクチュアリについても記載がありますので、上記のことの情報源もサンクチュアリだとすれば、信ぴょう性はかなり高いと思われます。
以上の要点を押さえると、
10月にウトナイ湖に飛来するハクチョウの大半は冬の間(11月~3月中旬)は本州で過ごす
ということ、特に、
ウトナイ湖が一番賑わうのは3月中旬~下旬である
ということが推察できると思います。
2月にウトナイ湖にいた(はずの)ハクチョウたちは、いわば “北海道居残り組” なんだということですね!
考察結果
他にもいろいろ調べていた結果、今回私が白鳥に会えなかった理由は以下であったという結論にたどり着きました。
越冬中のハクチョウたちは、毎朝夜明けとともに近隣の田畑に餌を探しに出かけ、日没頃に帰宅するらしいので、私が訪ねたときはタッチの差で既に外出後だったのかもしれません。
以上のことから、ウトナイ湖に白鳥を見に行くベストな時期は3月下旬、次が10月中~下旬で、
見に行くベストな時間帯は夜明け前か日没時である、という調査結果で締めくくりたいと思います。
これらは私の偏ったリサーチによる勝手な推測に過ぎませんので、あくまでも参考程度にお受け止めくださいね!
おわりに
今回の記事は、冬のウトナイ湖で白鳥を見たかったのに見られなかったよ!、という残念な思いから作成いたしました。
みなさんが行くときは、無事に白鳥を見ることができますように。見れずに悲しむ人が少しでも減ることを願って(笑)、締めくくりとします。
最後にせめて、何年か前の秋に屈斜路湖で見た白鳥を。
ではまた☺ Polly