日本の高い山トップ20|山の多い県、少ない県|各都道府県の山の数

こんにちは、景勝地ファンの福岡市民、Pollyです。

「山の名前」は、旅をするときに知っておくと楽しさ倍増!なことのうちの一つなのではないでしょうか。

あの山、何の山だろう。高さはどのくらいかな

というのは、きっと誰もが一度は思ったことがありますよね。

そこで今回は、これまでの「湖ランキング」や「ラムサール条約湿地」に引き続き、高い山をテーマとした自習兼データ分析”をしてみようと思います

データソースは、国土交通省・国土地理院の「日本の山岳標高一覧(1003山)」(2020年6月3日時点)です。

  • 富士山以外にどんな高い山があるのか
  • 特に高い山の多い地域はどこなのか
  • 逆に、山のほとんどない県や地域は?
  • 地域別山岳標高ランキング(別記事)

などを地道にまとめていきますので、よろしければ参考までにご活用くださいませ☺

(作業には細心の注意を払いつつ、できるだけ間違いのないよう進めましたが、どこかしらが若干誤っていた場合はお許しください…)

それでは、いってみましょう!



「日本の山岳標高一覧 1003山」とは

まずは、今回のデータ元となる「日本の山岳標高一覧(1003山)」について簡単にご説明しておきたいと思います。

「日本の山岳標高一覧 ―1003山―」は、2万5千分の1地形図などの基本測量の成果を基礎として、日本の主な山1003山の山名、最高地点の位置・標高などについて、点検、補足調査を行い、平成3年度に国土地理院技術資料としてまとめたものです。

以降、平成14年度に世界測地系への変更や三角点の移転等による更新を行ったのをはじめ、地殻変動や地形変化に伴う標高数値の更新等を随時反映しています。

「日本の山岳標高一覧 ―1003山―」について

従来まで国土地理院の地図には、山頂付近の「三角点」や「標高点」の標高値などが“山の高さ”として用いられてきたそうですが、実はそれは正確な山の最高地点とは限りませんでした。

そこで、高さの基準を統一してあらためて調べなおそう!」と立ち上がった結果、平成3年度1991年度に出来上がったのがこの「日本の山岳標高一覧」ということのようですね。

以来、ちょこちょこ起こる標高改訂や山名変更の度に、データもきちんと更新されているようです。

ちなみに、2020年6月3日現在で確認できる直近の更新は、令和2年1月29日の「八甲田山<高田大岳>」と「塩見岳」の「写真測量による標高改訂」となっています。

山岳一覧は都道府県別になっており、それぞれ全てをエクセルに入れ込むと、並んだ山の総数は「1294山」。

あれ、1003じゃないの?

と思ってしまうところですが、記載内容の説明ページ(PDF)によると、「山頂付近が境界未定の場合は、関係する可能性のある都道府県名すべてを記載」とありますので、県境にある山などは重複して掲載されているということですね。

この“被り”を省くと、最終的に残ったのは「1059山」となりました。

これが「1003にならない理由は山の総称だけでなく峰名も個別で記載されているためです。

いくつもの峰(山頂)を持つような複雑なかたちをした山の場合、最高峰の名称が山名とは違ったり、最高峰でなくても有名な峰が他にもあったりしますよね。

例えば「(木曽)駒ケ岳」を例にとってみると、

  • 駒ヶ岳
  • 駒ヶ岳<宝剣岳>
  • 駒ヶ岳<麦草岳>

と、山の総称は「駒ヶ岳」ですが、他の峰も別に紹介されています。

こういったケースを見極め、山の総称だけを拾っていけば「1003」になるはずであると思われます。(私はどんなにがんばっても「1004」にしかなりませんでしたが…。)

結局は、無理に1003にこだわらず個別の峰も含めた1059山で進めていこうと思います

しかしこのリスト、「あの山は載っているのに、この山は載っていない」というようなこともあるようで、“主な1003山”の基準は素人の私には不明。

とにかく、載っているデータに沿って進めていくのみ!です。

日本の高い山トップ20

一番気になるのが、日本全国にはどんな高い山があるのか、というところ。

早速、上位20位を出してみましょう。

※スマホの方は横スクロールで全体をご覧いただけます。

  山名<山頂名> 標高 都道府県 所在地
富士山剣ヶ峯 3,776m 山梨・静岡 富士山とその周辺
北岳 きただけ 3,193m 山梨 赤石山脈北部(白根山)
奥穂高岳 おくほたかだけ 3,190m 長野・岐阜 飛騨山脈南部
  間ノ岳 あいのだけ 3,190m 山梨・静岡 赤石山脈北部(白根山)
鑓ヶ岳 やりがたけ 3,180m 長野 飛騨山脈南部
東岳悪沢岳 わるさわだけ) 3,141m 静岡 赤石山脈南部
赤石岳 あかいしだけ 3,121m 長野・静岡 赤石山脈南部
涸沢岳 からさわだけ 3,110m 長野・岐阜 飛騨山脈南部
北穂高岳 きたほたかだけ 3,106m 長野・岐阜 飛騨山脈南部
大喰岳 おおばみだけ 3,101m 長野・岐阜 飛騨山脈南部
10 前穂高岳 まえほたかだけ 3,090m 長野 飛騨山脈南部
11 中岳 なかだけ 3,084m 長野・岐阜 飛騨山脈南部
  荒川岳中岳 3,084m 静岡 赤石山脈南部
12 荒川岳前岳 3,068m 長野・静岡 赤石山脈南部
13 御嶽山 おんたけさん<剣ヶ峰 3,067m 長野 御嶽山とその周辺
14 塩見岳 しおみだけ 3,052m 長野・静岡  赤石山脈北部
15 農鳥岳 のうとりだけ<西農鳥岳 3,051m 山梨・静岡 赤石山脈北部(白根山)
16 南岳 みなみだけ 3,033m 長野・岐阜 飛騨山脈南部
  仙丈ヶ岳 せんじょうがたけ 3,033m 長野・山梨 赤石山脈北部
17 乗鞍岳剣ヶ峰 3,026m 長野・岐阜 飛騨山脈南部
  農鳥岳 のうとりだけ 3,026m 山梨・静岡 赤石山脈北部(白根山)
18 立山大汝山 おおなんじやま> 3,015m 富山 飛騨山脈北部
19 聖岳 ひじりだけ<前聖岳 3,013m 長野・静岡 赤石山脈南部
20 剱岳 つるぎだけ 2,999m 富山 飛騨山脈北部

個人的には“同率”で順位が飛んでしまうのが好きではないため、順位は飛ばさずにカウントしたところ、合わせて24山がランクインしました。

あと1mで3,000m!という富山の「剱岳」もギリギリ入ることができましたね! おかげできれいに「2,999m以上の日本の山々」という括りにもなってくれました。

私は山を見る方の専門ですので、見事にこれらのどれにも登ったことがないのですが、登山家の方々にとっては、全制覇することが一つの目標の区切りだったりするもかもしれません。

かっこよすぎです。

このランキングを眺めてまず分かることは、飛騨山脈赤石山脈が上位を独占していることですよね。北アルプスと南アルプス。

都道府県では、長野・山梨・岐阜・静岡がメインとなっています。

…どんだけ山が多い地域なんでしょう(笑)

どうやら「中部地方」がすごいことになっているらしいことが分かったところで、次は地域ごとの山の数について見てみましょう。



地域ごとの山の数や高さをグラフで比較

ここでは日本を7つの地域に分け、それぞれの地域にいくつ山があるのか、標高の割合はどうなっているのかをグラフにして確認してみたいと思います。

可視化すると、なかなか面白いものですね。

まず、3,000m超えの山(赤色)は中部地方にしかないということが分かりました。

また、2,500m超え(濃いオレンジ)も、グラフ上では見えないながらも関東に2つある以外は全て中部にありますので、日本の高い山は中部に集中している、と言って過言ではないでしょう。

「飛騨・木曽・赤石、日本アルプス」って、学校で習いますもんね。

2,000~2,499m(薄オレンジ)となると関東地方にも割と多く存在しているようですが、これは主に群馬や栃木、一部埼玉ががんばっているせいであると思われます。

関東平野は言わずと知れた“日本最大の平野”ですが、平地と山地のメリハリがすごいんですね。

また、西日本には2,000mを超える山はない、ということにも注目。九州は特に、999m以下の山の割合が多いようです。

先ほども話に出てきた「山頂付近の都道府県の境界が未定の山」の存在のため、グラフの中には地域間で重複している山もありますが、ざっくりとは、

  • 中部にある山の数は、日本全体の約35%を占める
  • 日本の2,500mを超える山のうち、約98.5%は中部地方にある

ということが分かりました。(※あくまでも私調べです。)

なお、グラフ内の地域区分は以下の通りです。

  • 北海道
  • 東北…青森、秋田、山形、岩手、宮城、福島
  • 関東…栃木、群馬、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川
  • 中部…新潟、富山、石川、福井、長野、岐阜、山梨、静岡、愛知、三重
  • 関西…滋賀、京都、大阪、奈良、和歌山、兵庫
  • 中国・四国…鳥取、島根、岡山、広島、山口、香川、愛媛、徳島、高知
  • 九州・沖縄…福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

三重は関西ではなく、中部に含めています。

山の多い県・少ない県

こうなってくると、もう少し詳しい情報が知りたくなってきませんか?

私は知りたいです!

ということで次は、一番山の多い県は中部の中でもどこなのか、逆に少ない県はどこなのか、調べてみようと思います。

山の多い県、堂々の1位は「長野県

これは予想通りという方も多いのではないでしょうか。

あくまでも国土地理院の「日本の主な山岳」に沿った数にはなりますが、長野県には「159」もの山があります。

以下、私のしがないエクセル表で恐縮ですが、中部地方各県の山の数はこんな感じになっています。

長野は中部の中でも群を抜いており、山しかないんじゃないかというくらいですね。

(※「山頂付近の都道府県の境界が未定の山」の存在のため、県ごとの総数は、隣接する県との重複分も含めた数となっています。)

Wikipedia「都道府県の面積一覧」に記載されている2015年のデータによると、長野県の面積は全国4位の広さ。

そのせいか、可住面積(総面積から林野面積と主要湖沼面積を差し引いたもの)は、全国で一二を争うほどに狭いということはないようです。

ちなみに、山の数が2番目に多い都道府県は北海道、3番目が富山・山梨、その後は静岡新潟岐阜と続きます。

山の少ない県は?

一方で山の少ない県はというと、大阪・茨城・千葉・佐賀・沖縄・愛知の6府県が挙がりました。

いずれの県も、国土地理院のリストに載っている山の数は「一桁」。しかも、大阪・千葉・沖縄の3県には、1,000mを超える山もありません

個人的なイメージでは、房総半島はもっと山だらけなのかと思っていましたが、“山”というよりも、“森林”という感じなのかもしれません。

各県の山の数と、一番大きな山は以下の通りです。

  • 大阪:9、葛城山(959m)
  • 茨城:7、八溝山(1,022m)
  • 千葉:7、愛宕山(408m)
  • 佐賀:7、多良岳<経ヶ岳>(1,076m)
  • 沖縄:6、於茂登岳(おもとだけ・526m)
  • 愛知:5、茶臼山(1,416m)

ところ変われば、ですねぇ。みなさんは、山の多い県と少ない県、どちらに住みたいでしょうか。

47都道府県 山の数ランキング

せっかく調べたことですし、最後に都道府県別の山の数を表にしてみたいと思います。

繰り返しになりますが、山頂付近の都道府県の境界が未定の山もあるため、カッコ内に記載されている数字は、隣県との重複分も含めた山および峰の数となっています。

※スマホの方は横スクロールで全体をご覧いただけます。

長野(159) 11 山形(28) 21 滋賀、長崎(14)
北海道(127) 12 秋田(25) 22 京都(13)
富山山梨(62) 13 兵庫、広島(24) 23 埼玉(12)
静岡(56) 14 島根(23) 24 和歌山、岡山、福岡(11)
新潟(54) 15 愛媛、高知(22) 25 神奈川、香川(10)
岐阜(52) 16 福井、三重、徳島、大分(20) 26 大阪(9)
福島、群馬(37) 17 栃木、東京、石川、熊本(19) 27 茨城千葉佐賀(7)
鹿児島(33) 18 青森、鳥取(17) 28 沖縄(6)
岩手(32) 19 宮城、山口(16) 29 愛知(5)
10 奈良(31) 20 宮崎(15)    

山の数の多い順に並べていますが、多いほうがいいという意味ではありませんのであしからず。だいたい、一都道府県あたり19~20山(16位、17位)というのが中央値のようです。

って、その知識が何の役に立つのか分かりませんが(笑)、日本地図と見比べながらあれこれ考えるだけでも面白いかも、と思います。

おわりに

以上、国土交通省・国土地理院の「日本の山岳標高一覧(1003山)」(2020年6月3日時点)をデータソースに、日本国内の山事情についての記事をお送りいたしました。

中部地方がすごいというのが“公然の事実”でも、数字から読み取ってみるのもまた楽しいものですね。

新型コロナのせいで、レジャーを取り巻く環境も当分は不自由なものになりそうですが、この記事を読むことで山好きの人がちょっとでも元気になったり、調べものをしていた人のお役に立てたりしたならば、私も嬉しい限りです。

次回は「日本のエリアごとの高い山ランキング」ということで、北海道、東北、関東、北陸、関西、中国、四国、九州の8地域ごとのトップ10をまとめていみたいと思います。(※2020.6.7 アップ済 ↓)

機会があればまた、ぜひお付き合いくださいませ。

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました! よい一日をお過ごしください☺

Polly(2020.6.4)