こんにちは。旅と自然がテーマの情報雑記ブログサイト、「しぜんfan」のPollyです。
今回は、「日本国内の全ナンバープレートを、地図と照らし合わせながら調べてみる」というシリーズの最終回をお送りいたします。
以前の記事から続けてご覧いただいているという方はご存じの通り、北海道から地道に南下し、ついに九州にたどり着きました!
関西地方以西の傾向として、県ごとのナンバー数が少ないということがありましたが、ざっと見たところ九州・沖縄地方も同じく、ナンバー数は多くはない様子。
さらに、九州・沖縄には2020年5月11日からの「新」ご当地ナンバーはありません。
というわけで、さらっとシンプルな最終回になりそうですが、ぜひ締め括りとしてお付き合いいただけると幸いです。
それでは、いってみましょう!
目次
九州・沖縄地方の概要
まずは、九州・沖縄地方の全体像を見るところから始めたいと思います。
「九州」という呼び名は、元は九州本島に国が9つあったことに由来しているそうで(筑前・筑後・肥前・肥後・豊前・豊後・日向・大隅・薩摩)、一般的には現在の7県に沖縄県を加えた8県を指します。
が、九州管内で居を転々とし、沖縄に暮らしたこともある私には、沖縄を九州に入れてしまうのにはどうも違和感があるように思われるんですよね。
琉球国は、九州とは全く別の歴史や文化を持つ国ですし、北海道と東北との関係ともまた異なるもの。
というわけで、琉球への敬愛の意より、ここではあえて「九州・沖縄」とさせていただいております。
そんな九州・沖縄地方と本州とを繋ぐ玄関口であり、かつ最大の人口を持つ県は「福岡県」です。ナンバーの数も、8県の中では最多となるのかな?と予想されますね。
詳しいナンバー地域名は後ほど見ていくとして、まずはウォーミングアップに、各県の面積・人口データを調べてみることとしましょう。
これはナンバーとは直接関係はなく、単に私の趣味のようなものですので(笑)、ご興味ない方は読み飛ばしてください。
面積
まずは各県の面積から。「/」の横にある順位は、参考までに付け加えた全国順位です。
1位/10位:鹿児島県(9,187㎢)、2位/14位:宮崎県(7,735㎢)、3位/15位:熊本県(7,409㎢)、4位/22位:大分県(6,341㎢)、5位/29位:福岡県(4,986㎢)、6位/37位:長崎県(4.132㎢)、7位/42位:佐賀県(2,441㎢)、8位/44位:沖縄県(2,281㎢)
可住面積では2~5位の4県間で順位の入れ替わりがあるものの、とにかく九州で一番広いのは「鹿児島県」であることが分かりました。
ちなみに、九州全体の面積は日本全国のおよそ10分の1にあたります。そう聞くと、意外に小さいものですね。
比較対象として北海道の面積を見てみると、なんと九州の2倍以上もありました。16県分がすっぽり収まってしまうサイズなのかと思うと、ちょっと恐ろしいくらいに広いですね…。
人口
次は、各県の人口です。
1位/9位:福岡県(511万人)、2位/23位:熊本県(176万人)、3位/24位:鹿児島県(161万人)、4位/25位:沖縄県(145万人)、5位/29位:長崎県(134万人)、6位/33位:大分県(114万人)、7位/36位:宮崎県(108万人)、8位/41位:佐賀県(82万人)
九州本島の7県についてはだいたい予想通りの順位ですが、ただ、沖縄県の人口の多さには驚きました。
沖縄は、8県の中では総面積・可住面積ともに一番小さいにも関わらず、人口密度となると福岡県に次いで高いようです。
では、都市人口はどうでしょうか。
1位/5位:福岡市(159.6万)、2位/13位:北九州市(93.9万)、3位/17位:熊本市(74万)、4位/22位:鹿児島市(59.5万)、5位/32位:大分市(47.8万)、6位/43位:長崎市(41万)、7位/47位:宮崎市(39.8万)、8位/67位:那覇市(31.8万)、9位/71位:久留米市(30.3万)、10位/91位:佐世保市(24.6万)、11位/98位:佐賀市(23.3万)
個人的な体感としては、熊本よりも鹿児島の街のほうが賑やかで都会的だと思いましたけれど、都市の規模としては熊本の方が大きいようですね。
1位の福岡市は、全国でも5位(東京23区を入れると6位)の大きさです。福岡市は私の地元なのですが、いつの間に150万人も超えてしまったものやら…。
でも確かに、ここ10年ほどでマンション等が増え続け、景色がガラリと変わったエリアも多い気がします。
福岡県としての人口は減少に転じ始めているそうですが、福岡市の人口は、今なお絶賛増加中です。
福岡県のナンバー
この流れで、早速福岡県から順にナンバー分けを見ていきましょう!
福岡県には「福岡」「北九州」「久留米」「筑豊」の4つのナンバーがあります。現状のままでうまくまとまっているせいか、これまでにご当地ナンバーが導入されたことはなく、図柄入りナンバーもなし。
この“新制度無用”な安定ぶりには、神奈川県と似通ったものがあります。(※【南関東編】参照のこと)
福岡市、筑紫野市、大野城市、春日市、宗像市、太宰府市、糸島市、福津市、古賀市、那珂川市、糟屋郡宇美町・篠栗町・志免町・須恵町・新宮町・久山町・粕屋町
北九州市、中間市、行橋市、豊前市、遠賀郡芦屋町・水巻町・岡垣町・遠賀町、京都郡苅田町・みやこ町、築上郡吉富町・上毛町・築上町
久留米市、大牟田市、小郡市、八女市、筑後市、大川市、柳川市、うきは市、朝倉市、みやま市、朝倉郡筑前町・東峰村、朝倉郡大刀洗町、朝倉郡大木町、八女郡広川町
飯塚市、直方市、田川市、宮若市、嘉麻市、田川郡香春町・添田町・糸田町・川崎町・大任町・赤村・福智町、嘉穂郡桂川町、鞍手郡小竹町・鞍手町
これは多くの福岡県民が口にすることと思いますが、福岡都市圏と北九州都市圏は、意識的には別の県です。
個人的には東と西でぱきっと分かれている感覚で、上のナンバー区分図で言うと、北九州・筑豊の“東チーム”と、福岡・久留米の“西チーム”と、2チームに分かれているという感じ。
これは、多少は旧国のエリア分けに影響されるところもありつつ(筑前・筑後と豊前)、主には地形によるものではないかと思われます。「三郡(さんぐん)山地」と呼ばれる“衝立(ついたて)”が、東西を分けているのです。
そんなことを考えつつあらためて4つのナンバーを見てみると、地形に沿った見事な区分けとなっており、「うまいこと分けたもんだ」と思わず感服してしまいました。
ところで、「筑豊ナンバーは怖い」「北九州は運転マナーが…」などというステレオタイプが定着していますが、あれって実際どうなんですかね?
長らく県外で過ごした私にとっては、福岡県のどのナンバーの運転も大差なく、全体的にけっこう“荒れてる”ほうなのではないかと思います(笑)
個人的には、久留米ナンバーにヤンキーっぽい箱バンが多いような気がしており、そちらの真偽のほうが気になるところ。
佐賀県・長崎県のナンバー
次は佐賀県と長崎県です。「肥前国」のよしみで、かつ地図的にも収まりが良かったため、合同での紹介とさせていただきます。
まず佐賀県は、全域が「佐賀」。そして長崎県は、「佐世保」と「長崎」に分かれています。
佐賀県全域
佐世保市、平戸市、松浦市、西海市、東彼杵郡東彼杵町・川棚町・波佐見町、北松浦郡小値賀町・佐々町
長崎市、諫早市、大村市、島原市、五島市、雲仙市、南島原市、南松浦郡新上五島町、西彼杵郡長与町・時津町、壱岐市、対馬市
こう見ると長崎県は、本当に複雑な形をしているものですね。島も多いですし。
島が多いといえば、佐世保市の西側の海は「九十九島」と呼ばれ、200以上もの島々がぎゅうぎゅうに浮かんでいる絶景エリア。
緑と青の対比を楽しみつつ、入り組んだ海岸線をどこまでもドライブしたくなりますが……入り組んでいるが故に、どこに行くにも遠いのが長崎観光の落とし穴(?)だったりします。
県庁所在地の長崎市はかなり南端のほうにありますし、北部の中心都市である佐世保と経済圏およびナンバーが分かれているのも、なんとなく納得です。
一方の佐賀県は安定の単一ナンバー。
実は、九州・沖縄8県の中で県内に2つ以上のナンバーがあるのは3県だけです。先ほどの福岡県と長崎県、そして鹿児島県。
残り5県は単一ナンバーです。
これには私は、「無頓着か!」と各県に喝を入れたい気分です。
九州人にとっての東北が謎の地方であるように、本州にお住いの方々の多くにとって九州は十把一絡げの謎のエリアかも知れず、「ご当地ナンバー」を導入することでもっと「九州にはこんな地域がありますよ~」と、全国に向けての観光PRに役立てることができたんじゃないかなぁと思うんです。
例えば佐賀県より人口の少ない山梨県や島根県は、元は単一ナンバーだったところにご当地ナンバー(「富士山」と「出雲」)を取得し、現在では各県とも2つのナンバーを持っています。
ご当地ナンバーは、全国への地域名アピールの手段となるだけでなく、地元的にも、より細分化された地域への愛着を育てることにも繋がりますからね。
というわけで、もしまたご当地ナンバーの募集があることがあれば、「唐津ナンバー」や「武雄ナンバー」なんていかがでしょうか☺
中部・南部九州のナンバー
これまでを「北部九州」と呼ぶならば、ここからの「中部九州」「南部九州」は4県まとめてのご紹介といたします。
大分、熊本、宮崎の3県はそれぞれ単一ナンバーですが、鹿児島県だけ、「鹿児島」と「奄美」の2地域に分かれています。
まず特筆すべきなのは、この「奄美(あまみ)」について。
奄美ナンバーは、2014年11月から交付開始となった九州初の、かつ唯一のご当地ナンバーです。しかも、全国初の“離島ナンバー”。
登録台数が全くもって規定数に届いていないにも関わらず、離島という地理的事情から例外的に交付を認められたという、全国でも珍しいナンバーなんです。
奄美市、大島郡大和村・宇検村・瀬戸内町・龍郷町・喜界町・徳之島町・天城町・伊仙町・和泊町・知名町・与論町
奄美といえば「奄美大島」や「アマミノクロウサギ」、それか、幕末にハマっている私には「西郷どんがしばらく居たところ」くらいしか頭に浮かびませんが、こんなにも多くの島や町があったとは!
鹿児島本土よりも沖縄に近い海域にあり、一帯の島々は「奄美群島」と呼ばれるんだそうです。
2018年8月の「奄美新聞社」の記事によると、18年6月末時点での奄美群島の保有車両(登録自動車分)数は2万4,915台で、そのうち奄美ナンバー登録数は9,638台。同時点での普及率は「38.68%」で、年々上昇傾向にあるんだそうです。
奄美への旅行は余程の決意がなければなかなか実現しないことですが、はるばる訪れた先に奄美ナンバーが並んでいると、嬉しさも倍増しそうですよね!
その他、鹿児島本土や大分、熊本、宮崎について個人的に思うところは、先ほどの佐賀・長崎の章でお話したことと同じ、ご当地ナンバーがなくてもったいないということでしょうか。
「日田」「別府」「八代」「阿蘇」「延岡」「都城」「鹿屋」など、本州でならご当地ナンバーになっていそうな地域名がたくさんありますし、一九州人としては、もっと全国に九州の中身のことを知ってほしいと思いますから。
この記事をお読みいただいている方の中で、もしまだ九州に来たことがないという方がいらっしゃれば、ぜひ遊びに来てください!食べ物、自然、歴史、温泉、そして人。魅力満載の“よかとこ”ですよ☺
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さあさあ。いよいよ47都道府県の締めくくりといきましょう。最後は、沖縄県です。
と言っても沖縄県にあるナンバーは「沖縄」だけなので、ただ地図を眺めるだけです(笑)
沖縄本島のすぐ上は奄美群島、与那国島のすぐ左は台湾。あらためて、なんともすごい地理環境です。
沖縄に関しては、ナンバーは一つでいいでしょう。むしろ一つでいてほしい県ナンバー1かもしれません。それほどに十分すぎるネームバリューを持つ土地、それが沖縄。
先ほどの鹿児島県の島々も含め、いつの日か、これら南国の島々を一つ一つ巡ってみたいものですね。
おわりに
以上、九州・沖縄地方のナンバープレート13種類をご紹介いたしました!
最後にまとめとして、各ナンバーを振り返ってみましょう。ご当地ナンバー(新たな地域名表示ナンバー)だけは黄色に色分けしています。
- 福岡…福岡 北九州 筑豊 久留米
- 佐賀…佐賀
- 長崎…長崎 佐世保
- 大分…大分
- 熊本…熊本
- 宮崎…宮崎
- 鹿児島…鹿児島 奄美
- 沖縄…沖縄
九州唯一のご当地ナンバー「奄美」は、全国初、かつ唯一の離島ナンバーでもあるということが分かりました。
最後の最後にすごいレアものが出てきたところで、「全国のナンバープレートを地図で見てみようシリーズ」の締めくくりです。
おかげさまで、ついに北海道から沖縄まで47都道府県を走り抜けることができました。
シリーズを通して見てきたナンバーの総数は「134」! これはそのまま、日本全国に存在する自動車のナンバープレートの数でもあるということですね。
これからまた増えることがあるのかどうかは分かりませんが、今のところは完全保存版。お付き合いくださったみなさまにも、何かしら意味のあるシリーズになったなら幸いです。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
どなたさまも、お元気で☺ Polly
※記事内の所属市町村リストは軽自動車検査協会「全国の事務所・支所一覧」を参考に、また、地図素材はフリー素材、無料素材のDigipotおよび白地図専門店のものを使用させていただきました。