こんにちは! 自然観光が趣味の福岡市民、「しぜんfan」のPollyです。
今回のトピックは、日本の湖。
「日本の湖沼一覧(Wikipedia)」の掲載データをもとに個人的に作成した、面積・深度・湖面標高・透明度の4部門でのランキングを一挙ご紹介したいと思います!
そしてその後で、“日本最強の湖”を選出してみよう! という遊びも付け足してみました。
ランキング作成に当たっては、Wikipediaに載っている全ての湖沼(北方領土含め228ヵ所)の全数字データをエクセルに打ち込み、並び替えをするという作業を行ったのですが、そのあたりの経緯については約2カ月半前の記事「苦労して標高の高い日本の湖ランキングを調べてみた話」をご参照いただければと思います。
それでは、今回もどうぞよろしくお願いいたします!
目次
ランキングの元データについて
冒頭でもお伝えしたばかりですが、参照データは2019年10月7日時点で公開されているWikipediaの「日本の湖沼一覧」です。
一覧には面積の小さい池や沼も数多く含まれていますが、今回のランキング作成には以下の条件を適用しました。
- 「湖」と名の付くもののみでランキングを作成
面積や水深のランキングは、単に数値の大きいものから順に並べるだけで結果が出るので問題ないのですが、標高と透明度に関しては、そのままだと上位に小さな池や沼がバンバン入ってきてしまいます。
特に標高ランキングでは、巷で1位とされている「中禅寺湖」が17位になってしまうほど。
そこで、ここではあくまでも「湖のランキング」にテーマを絞ることにし、池や沼、さらには面積1㎢未満の極小湖も省かせていただきました。
それでは以降、各部門の上位20湖を発表していきたいと思います!
面積の大きさトップ20:Area
まずは大きさランキングです。
- 琵琶湖 びわこ 669.26㎢
滋賀(近畿)・構造湖(断層)・中栄養湖 - 霞ヶ浦 かすみがうら 220㎢
茨城&千葉(関東)・海跡湖・過栄養湖 - サロマ湖 さろまこ 151.59㎢
道東(北海道)・海跡湖(汽水)・富栄養湖 - 猪苗代湖 いなわしろこ 103.24㎢
福島(東北)・構造湖(断層)・酸栄養湖 - 中海 なかうみ 85.68㎢
島根&鳥取(中国)・海跡湖(汽水)・富栄養湖 - 屈斜路湖 くっしゃろこ 79.54㎢
道東(北海道)・カルデラ湖・酸栄養湖 - 宍道湖 しんじこ 79.25㎢
島根(中国)・海跡湖(汽水)・富栄養湖 - 支笏湖 しこつこ 78.48㎢
道央(北海道)・カルデラ湖・極貧栄養湖 - 洞爺湖 とうやこ 70.72㎢
道央(北海道)・カルデラ湖・貧栄養湖 - 浜名湖 はまなこ 64.91㎢
静岡(中部)・海跡湖(汽水)・中栄養湖 - 小川原湖 おがわらこ 61.98㎢
青森・海跡湖(汽水) - 十和田湖 とわだこ 61.11㎢
秋田&青森・カルデラ湖 - 風連湖 ふうれんこ 59.01㎢
道東・海跡湖(汽水) - 能取湖 のとろこ 58.2㎢
道東・海跡湖(汽水) - 厚岸湖 あっけしこ 32.31㎢
道東・海跡湖(汽水) - 網走湖 あばしりこ 32.28㎢
道東・海跡湖(汽水) - 八郎潟調整池 はちろうがた 27.25㎢
秋田・海跡湖 - 田沢湖 たざわこ 25.5㎢
秋田・カルデラ湖 - 摩周湖 ましゅうこ 19.22㎢
道東・カルデラ湖 - 十三湖 じゅうさんこ 17.82㎢
青森・海跡湖(汽水)
九州・四国からのランクインはありませんが、トップ10まではほぼ全地域にバランス良く散らばっている印象。湖の成因もさまざまです。(ただし、11~20位には海跡湖が半数以上。)
そして11位以降は見事にすべて東北・北海道。北のほうには大きな湖が多いということが分かります。
しかしこうして数字で比べてみると、近江・琵琶湖の強さは凄まじいですね。ちなみに秋田県の「八郎潟」は、昭和32年に干拓工事が始まる前までは、琵琶湖に次ぐ大きさを持つ汽水湖だったそうです。
水深の深さトップ20:Max Depth
次は深さランキングです。最大水深で作成しました。
- 田沢湖 たざわこ 423.4m
秋田(東北)・不明だがカルデラ湖説が有力・酸栄養湖 - 支笏湖 しこつこ 360.1m
道央(北海道)・カルデラ湖・極貧栄養湖 - 十和田湖 とわだこ 326.8m
青森&秋田(東北)・カルデラ湖・貧栄養湖 - 池田湖 いけだこ 233m
鹿児島(九州)・カルデラ湖・? - 摩周湖 ましゅうこ 211.5m
道東(北海道)・カルデラ湖・極貧栄養湖 - 洞爺湖 とうやこ 180m
道央(北海道)・カルデラ湖・貧栄養湖 - 中禅寺湖 ちゅうぜんじこ 163m
栃木(関東)・堰止湖(火山)・貧栄養湖 - 倶多楽湖 くったらこ 148m
道央(北海道)・カルデラ湖・極貧栄養湖 - 本栖湖 もとすこ 121.6m
山梨(中部)・堰止湖(火山)・極貧栄養湖 - 屈斜路湖 くっしゃろこ 117m
道東(北海道)・カルデラ湖・酸栄養湖 - 然別湖 しかりべつこ 108m
道東・堰止湖(火山) - 琵琶湖 びわこ 104.1m
滋賀・構造湖(断層) - 沼沢湖 ぬまざわこ 96m
福島・カルデラ湖 - 猪苗代湖 いなわしろこ 94.6m
福島・構造湖(断層) - 西湖 さいこ 71.7m
山梨・堰止湖(火山) - 青木湖 あおきこ 58m
長野・構造湖(断層) - 鰻池 うなぎいけ 56.5m
鹿児島・火口湖 - パンケトー 54m
道東・堰止湖(火山) - 阿寒湖 あかんこ 45m
道東・カルデラ湖&堰止湖(火山) - 芦ノ湖 あしのこ 43.5m
神奈川・堰止湖(火山)
水深部門に関しては、トップ10のほとんどがカルデラ湖で、その半数は北海道にあるということがわかりました。
11位以降は堰止湖、構造湖などが中心となってきますが、いずれにしても全体的には火山活動によるものが多いようです。
17位の鹿児島県「鰻池」について、名称は“池”とはなっていますが、面積が1.2㎢と基準の1㎢よりも大きく、湖との明確な違いも分からなかったため例外的にランキングに入れさせていただきました。
標高の高さトップ20:Surface Elevation
次に紹介する湖面標高ランキングは、冒頭でもお話した別記事内にも掲載した通りですが、加えて11~20位も出してあります。
- 中禅寺湖 ちゅうぜんじこ 1,269m
栃木(関東)・堰止湖(火山)・貧栄養湖 - 榛名湖 はるなこ 1,084m
群馬(関東)・カルデラ湖・富栄養湖 - 山中湖 やまなかこ[富士五湖] 980.5m
山梨(中部)・堰止湖(火山)・? - 西湖 さいこ[富士五湖] 900m
山梨(中部)・堰止湖(火山)・?
本栖湖 もとすこ[富士五湖] 900m
山梨(中部)・堰止湖(火山)・極貧栄養湖 - 河口湖 かわぐちこ[富士五湖] 833m
山梨(中部)・堰止湖(火山)・? - 桧原湖 ひばらこ[裏磐梯] 822m
福島(東北)・堰止湖(火山)・中栄養湖
青木湖 あおきこ[仁科三湖] 822m
長野(中部)・構造湖(断層)・貧栄養湖 - 然別湖 しかりべつこ 810m
道東(北海道)・堰止湖(火山)・貧栄養湖 - 小野川湖 おのがわこ[裏磐梯] 797m
福島(東北)・堰止湖(火山)・中栄養湖 - 木崎湖 きざきこ[仁科三湖] 764m
長野(中部)・構造湖(断層)・中栄養湖 - 諏訪湖 すわこ 759m
長野(中部)・構造湖(断層)・富栄養湖 - 秋元湖[裏磐梯]あきもとこ 736m
福島・堰止湖(火山) - 芦ノ湖 あしのこ 723m
神奈川・堰止湖(火山) - 野尻湖 のじりこ 657m
長野・堰止湖(火山?) - 猪苗代湖 いなわしろこ 514m
福島・構造湖(断層) - 沼沢湖 ぬまざわこ 475m
福島・カルデラ湖 - パンケトー 450m
道東・堰止湖(火山) - 阿寒湖 あかんこ 420m
道東・カルデラ湖・堰止湖(火山) - 十和田湖 とわだこ 400m
青森&秋田・カルデラ湖 - 摩周湖 ましゅうこ 355m
道東・カルデラ湖 - チミケップ湖 290m
道東・堰止湖(崖崩れ)
4位と6位は2湖ずつあるので、計22湖のランクインです。(個人的には“同率”で順位がスキップされてしまうのが好きではないので…)
こちらの部門の特徴も、堰止湖やカルデラ湖など、火山活動が成因の湖が大半を占めることでしょうか。それから、トップ5後半は富士五湖一味の独壇場となっていますね。
富士五湖の一つである「精進湖」だけがランキングに入っていませんが、これは、面積が0.5㎢と今回の条件には満たなかったためで、精進湖の標高自体は4位に相当する「900m」です。
透明度の高さトップ20:Water Transparency
最後は透明度ランキングです。
こちらに関しては、計測年にバラつきがあり、他部門にも増してリアルタイムでの正確なデータとはならないと思われますが、あくまでもWikipediaの記載情報に沿った順位でご紹介します。
- 然別湖 しかりべつこ 19.5m
道東(北海道)・堰止湖(火山)・貧栄養湖 - 倶多楽湖 くったらこ 19m
道央(北海道)・カルデラ湖・極貧栄養湖 - 支笏湖 しこつこ 17.5m
道央(北海道)・カルデラ湖・極貧栄養湖 - 摩周湖 ましゅうこ 17.2m
道東(北海道)・カルデラ湖・極貧栄養湖 - 宇曽利山湖 うそりやまこ 13m
青森(東北)・カルデラ湖・酸栄養湖 - 本栖湖 もとすこ 12.7m
山梨(中部)・堰止湖(火山)・極貧栄養湖 - 猪苗代湖 いなわしろこ 12m
福島(東北)・構造湖(断層)・酸栄養湖 - 洞爺湖 とうやこ 10m
道央(北海道)・カルデラ湖・貧栄養湖 - サロマ湖 さろまこ 9.4m
道東(北海道)・海跡湖(汽水)・富栄養湖 - 十和田湖 とわだこ 9m
青森&秋田(東北)・カルデラ湖・貧栄養湖
中禅寺湖 ちゅうぜんじこ 9m
栃木(関東)・堰止湖(火山)・貧栄養湖 - 西湖 さいこ 8.2m
山梨・堰止湖(火山) - 青木湖 あおきこ 8m
長野・構造湖(断層)
山中湖 8m
山梨・堰止湖(火山) - 秋元湖 あきもとこ 7m
福島・堰止湖(火山)
芦ノ湖 あしのこ 7m
神奈川・堰止湖(火山)
河口湖 かわぐちこ 7m
山梨・堰止湖(火山) - 桧原湖 ひばらこ 6.5m
福島・堰止湖(火山) - 屈斜路湖 くっしゃろこ 6m
道東・カルデラ湖 - 能取湖 のとろこ 5.5m
道東・海跡湖(汽水)
中海 なかうみ 5.5m
島根&鳥取・海跡湖(汽水) - 万石浦 まんごくうら 5.2m
宮城・海跡湖(汽水) - 阿寒湖 あかんこ 5m
道東・カルデラ湖&堰止湖(火山)
野尻湖 のじりこ 5m
長野・堰止湖(火山) - 風連湖 ふうれんこ 4m
道東・海跡湖(汽水)
田沢湖 たざわこ 4m
秋田・カルデラ湖
小野川湖 おのがわこ 4m
福島・堰止湖(火山)
木崎湖 きざきこ 4m
長野・構造湖(断層) - 小川原湖 おがわらこ 3.2m
青森・海跡湖(汽水)
この部門でまず特筆すべきは、北海道・摩周湖の透明度の低下についてでしょう。
摩周湖といえば、ロシアの「バイカル湖」に次ぐ世界二位の透明度を誇る湖として有名でした。それが1946~1952年の間に、40mほどもあった透明度が一気に29mに急落。2015年8月末の「国立環境研究所」の検査による数値は「17.2m」だったそうです。(情報元:Wikipedia「摩周湖」)
というわけで、今分かる範囲では摩周湖は国内4位に転落していますが、かといって、他の湖のデータが全て2015年8月末に同所によって計測されたものばかりではないと思われますので、ランキングはあくまでも参考までにお願いいたします。
それにしても、トップ10には北海道から6湖、東北からも3湖のランクイン。北国が強いですね。その他も比較的標高の高い湖ばかりなので、元々の水質に加え、寒いところのほうがプランクトンや藻が発生しづらいといった理由があるでしょうか。
総合優勝は?
4部門のランキングが出揃ったところで、“最強の湖”を選出してみましょう!
選出方法は悩むところですが、各部門のトップ10に入っている湖を対象とさせていただこうと思います。
単純にランクインした数を調べてみると、残念ながら全ての部門にまたがってランクインした湖はありませんでしたが、3部門に渡ってランクインしていたのは以下の4湖。
支笏湖 洞爺湖 中禅寺湖 本栖湖
よって、この4強が優勝候補となります。
さらにそれぞれの順位状況を詳しく見てみたところ、以下のようなことが分かりました。
- 支笏湖:大きさ8位、水深2位、透明度3位(平均4.3位)
- 中禅寺湖:水深7位、標高1位、透明度10位(平均6位)
- 本栖湖:水深9位、標高4位、透明度6位(平均6.3位)
- 洞爺湖:大きさ9位、水深6位、透明度8位(平均7.7位)
上位入選度が高い順から、栄えある総合優勝は…
✨北海道千歳市の支笏湖✨です!
支笏湖にお住いの全生物および千歳市のみなさん、おめでとうございます!
また、試しにトップ20で見てみると、なんと4部門ともに入賞している湖が3つもありました。猪苗代湖と十和田湖、そして摩周湖。
先ほどと同じく平均順位で割り出してみると…
平均9.75位の ✨福島県の猪苗代湖✨
こちらを裏・最強湖へ選定させていただきたいと思います!
会津若松市・郡山市・耶麻郡猪苗代町のみなさん、おまけに磐梯町のみなさん、おめでとうございます!!
全ての部門に入っていると考えると、猪苗代湖の方が最強と言ってもいいくらいかもしれません。しかし、支笏湖は、唯一トップ20に入れなかった標高部門でも実は23位をマークしており、4部門での平均順位(9位)でも猪苗代湖を凌ぐんです。
ということで、やはり総合優勝ならびに最強の湖は「支笏湖」とさせていただきます。
※ここでの選出方法は、あくまでも先にご紹介した4部門の順位をもとに、私個人が最適だと判断しただけの素人基準のものです。
おわりに
以上、Wikipediaをソースとした日本の湖各ランキングと、総合優勝選出劇をお届けいたしました。
支笏湖は、筆者も北海道居住時に幾度となく訪れた場所ですので、個人的にも嬉しい結果となりました。
日本一に相応しい、ピュアな自然の魅力に囲まれた美しい湖です。
みなさんも、北海道にお出かけの際にはぜひ“日本一の湖”を見届けていただき、道民のみなさんにおかれましては、ぜひもう一度支笏湖の魅力を再確認していただけると私も大変うれしく思います。
それでは、これにて今回の記事を締めくくりといたします。最後までお付き合いいただき、どうもありがとうございました!
どなたさまも、よい一日を☺
Polly(2020.10.22)