日本縦断ロードトリップ2020秋【22日目】南会津から会津若松へ

南会津・宮床湿原

こんにちは! 旅と自然がテーマのブログサイト、「しぜんfan」のPollyです。

当記事は、私が2020年10月に出かけた「福岡発・札幌着、ホンダライフで日本縦断景勝地めぐりの旅」の22日目、10月27日の模様をお伝えするものでして、その舞台は福島県西部、会津地方です。

この会津地方、とんでもなく自然の美しいところなんですね!

「自然」が「美しい」というのは言葉の使い方としておかしいかもしれませんが、とにかく、自然美が半端ではないです。

色とりどりの紅葉、山に川に湖に、もう尋常ではないです。

あまりの絶景続きに、「もう昼間は運転したくない!」と思ってしまったほど。なぜなら、見えると写真を撮らざるを得ず、そうなると“車止め地獄”となるとともに、いつまで経っても旅が進まないから(笑)

おかげで、先を急ぐ身でありながら、この翌日の【23日目】と【24日目】の午前中までずっと会津に居座ってしまいましたよ。

その素晴らしさを、お読みいただくあなたにどれほどお伝えできるかどうか、私の力量は疑問視されつつもレポートに入っていきたいと思います。

引き続きの方も初めての方も、どうぞよろしくお願いいたします☺

ロードトリップ22日目の概要

さて、22日目の旅の範囲は南会津町、金山町、三島町、会津若松市、そして猪苗代町でございます。オール福島。

© OpenStreetMap contributors

金山町の「沼沢湖」に寄ったことで、大きく遠回りをしたかたちとなっております。

スタート地点の「道の駅 きらら289」付近から沼沢湖までは、これまた四国の国道を彷彿とするような“国道らしからぬ国道”が続き、峠越えもあり、ちょっと苦労しました。

紅葉期の山越え国道(福島西部)
これ、国道です

しかし、それだけの価値のある湖でした。行ってみて良かったです☺

沼沢湖以降は比較的快適ロードが続き、特に会津若松市内からゴール地点の「道の駅 猪苗代」までは必殺・夜間走行! 景色に惑わされずに運転に集中しました。そうでもしなければ、距離が稼げませんからね!

こうして、山から街へ下りてきたこの日の走行距離は「159km」でした。まずまずの結果。

その他、特記事項としては、このエリアのガソリン代が高かったことでしょうか。

滋賀からこっち、北陸から新潟の海岸部はずっと120円台が続いていたところ、魚沼に入って130円になり、会津ではついに142円になってしまいました。

実はこの後、山形に抜けてからはまた120円台に戻り、青森に至っては110円代も登場するほどでしたので、「福島県西部はガソリンが高い地域である」ということが言えるのではないかと思います。

(私が移動する数日の間にガソリンの価格の大変動があったのなら話は別ですけれど。)

それから、この旅の中で初めて「ヨークベニマル」というスーパーを見かけたのも会津若松です。イトーヨーカドーの仲間なんですね!

私には馴染みのないチェーンで、「変わった名前だなぁ」と思ってしまいましたが、nanacoが使えて便利でした☺

22日目の主な観光地

さてそれでは、ルート上で立ち寄った主な景勝地をご紹介してみたいと思います!

宮床湿原

朝イチでまず向かったのは、道の駅から車で20分ほどのところにある「宮床湿原」という湿原です。

わたくし、詳しいことは分からない素人ながら、湿原の風景がとても好きなんです。沼も湖も大好きですし、そのうち野鳥撮影用にごっつい望遠レンズやら買い始めるかもしれません。

というのはどうでもいいとして、この「宮床湿原」、日本最小のトンボである「ハッチョウトンボの生息地であるようなのです。

結果的にはトンボは一匹も見つけられなかったのですが、山に囲まれた人気のない湿原、怖いくらいに静かで夢のような場所でした。

朝の宮床湿原

無音なのか無音でないのかがよく分からなくなる感覚というか、静寂が聞こえるというか(陳腐な言い回しですみません)、完全に自然の中に居ることができているという実感。

素晴らしかったです。

また、1ヵ所で「低層」「中層」「高層」という湿原の発達段階の全てを観察することができるという意味でも興味深く、よく分からないなりにも植生の違いなどに注目しながらゆっくり歩いているとあっという間に時間が経ってしまいました。

宮床湿原案内マップ
湿原は、地面が水に埋もれた「低層湿原」から始まり、枯れた植物の体積により表面が上がると「中層湿原」となり、さらに表面が水面を超えると「高層湿原」へと発達していきます。

参考:「Wetland Hokkaido」湿原の成り立ち

駐車場から湿原へたどり着くまでも少し山を登りますし、湿原の周囲をぐるりと散策する過程でも森の中を歩けたりもするので、ちょっとしたハイキングも楽しめましたよ☺

参考までに、湿原および駐車場の所在地は以下の通りです。

宮床湿原周辺マップ©OpenStreetMap contributors

「民宿とまと」側からでも、「さゆり荘」や「南郷スキー場」の方からでも、どちらからも行くことができました。

駐車場は特にコンクリートでバシッと整備されているというわけではなく、道沿いに6台分ほどの膨らんだ駐車スペースがあるという素朴な感じです。

宮床湿原前駐車場
宮床湿原入口前の駐車場の様子

私は「民宿とまと」側から入り、湿原を見終わった後は「南郷スキー場」側から出たのですが、スキー場中腹からの眺めが良く、急な坂を転がるように下りながら、まるでスキーで滑り降りているかのような気分に。

秋の会津高原南郷スキー場
秋の会津高原南郷スキー場から望む伊南川

これまた地元の方にとっては見慣れた景色なのでしょうけれど、初めて見る私にとっては絶景。これが冬になって、この景色に向かって風を切って滑るのはさぞかし爽快でしょうね!

「会津高原南郷スキー場」公式サイトはこちら

※南会津町観光物産協会による宮床湿原案内ページはこちら

沼沢湖

次に向かったのは「沼沢湖」です。例の細い国道で昭和村を経由し、只見川の支流である野尻川に沿うようにして進むことおよそ1時間半。

福島県金山町 沼沢湖

現地の案内板によると、この沼沢湖は県内一の透明度を誇るカルデラ湖であり、ヒメマスが生息しているんだそうです。

湖沿いにはいくつか車を停められるようなスポットがあり、見る場所によってまるで違う湖のように表情が変わるのが印象的でした。

沼沢湖畔キャンプ場から見渡す沼沢湖
山と空を湖面に映した沼沢湖と一本の木
湖面に青空を映し出す沼沢湖

こちらも、いくら撮っても撮り足りないような場所でございました。ひっそりとしているのがまた最高です。

駐車場で私の福岡ナンバーを見かけて話しかけて下さった、県内の別のエリアから観光に来ていたご家族曰く、「よくもまあこんな辺鄙なとこまで来たねぇ」。

確かにこの湖のある金山町やお隣の只見町は、福島の“西の果て”というような場所にあり、冬は深い雪に閉ざされる辺境の地であるのかもしれません。

青森や山形、新潟、そしてこの会津といった東北の豪雪地帯は、雪が重たい分、もしかすると札幌より大変だったりするのかも。

※金山町公式サイト内沼沢湖紹介ページはこちら

余談ですが、旅の道連れ植物たちはしばし湖畔で日光浴をしました。

秋の落ち葉の上に置かれた観葉植物の鉢
やっぱり外は気持ちがいい!

只見川と只見線について

沼沢湖から会津若松に向かう道中の見どころは、一級河川「只見川」と、川沿いを並走する「JR東日本 只見線」およびその橋梁。

私は、今の今までこのことをよく知らなかったのですが、福島県生活環境部による只見線ポータルサイトの記載によると、只見線は、“福島県会津若松駅から新潟県小出駅までを結ぶ、全国屈指の秘境路線”なんだそうです。

絶景路線として有名で、ファンも多いんだとか。

あれ? 小出駅って、旅の【20日目】に訪ねた小出公園(小出スキー場)の目の前にあった駅ですよ!

新潟県糸魚川市ヒスイ海岸の荒波

どうやら私はここ数日、只見線とは別のルートで、只見線と同じ目的地まで進んでいるということのようです。奇しくも。

しかし、先ほど沼沢湖で会った方も仰っていたのですが、沼沢湖からほど近い「会津川口」という駅から「只見」までは、豪雨災害で10年ほど不通になったままなんだそう。

「河北新報」のデジタル記事によると、2021年度中に予定されていた復旧完了が22年度に先送りになったそうで、いろんな意味で話題になっている路線であるようです。

下の写真に写っている橋は鉄道ではなくただの車用の橋ですが、川は只見川。次の目的地までの道中、景色がきれいだったので車を停めて撮ってみたものです。

高清水橋の上からの風景(只見川と赤い橋)
高清水橋から見える赤い橋

確かにこんな景色の中を汽車が走っていたら、鉄道ファンでなくても撮りたくなりますよね!

第一只見川橋梁ビューポイント

そんな「只見線」の超有名撮影スポットがあるのが、「道の駅 尾瀬街道 みしま宿」。厳密には、道の駅から少し歩いたところにある「第一只見川橋梁ビューポイント」です。

第一只見川橋梁ビューポイントの写真看板の中のカメラマンたち

寒い中にも、こんなに大勢のカメラマンが集まるほどに人気スポットのようです。(合成なところがツボ。)

私が道の駅に着いた時間は、ちょうど橋の上を汽車が通る直前のタイミングだったようで、既に多くのファンたちがビューポイントにスタンバイしていました。が、状況をよく把握していなかった私は、タッチの差で汽笛を聞くだけになるという残念な結果に(笑)

遊歩道の入り口がどこなのか、位置関係を理解するのにちょっと手間取ったんです。

というわけで、汽車は写ってはおりませんが、とりあえず「ビューポイントA」と「ビューポイントB」からの眺めはこんな感じです。

まずは最下段の「ビューポイントA」。

第一只見川橋梁(ビューポイントA)引き
第一只見川橋梁(ビューポイントA)寄り

次が、一段上がったところにある「ビューポイントB」。

第一只見川橋梁(ビューポイントB)引き
第一只見川橋梁(ビューポイントB)寄り

やはり「ビューポイントB」の方が、橋の見え方が良いですね。

さらに登れば、さらに眺めの良いと思われる「ビューポイントC」と、「第二只見橋梁」を望む「ビューポイントD」もあったようでしたが、そこまで興味のない私はそこまでは行かず、道の駅に戻りました。

道の駅 尾瀬街道みしま宿 正面外観

この「道の駅 尾瀬街道 みしま宿」は、全面ガラス張りのモダンな造りをしており、すぐ裏を流れる只見川や周囲の山景色を楽しめる展望スペースも備える素敵な施設。

通常の道の駅のようなお土産・特産物・農産物セクションに加え、コンビニのような日用品・飲食物セクションもありましたよ。

コンビニ・スーパー過疎地帯ですから、地域で重要な役割を果たしているんですね。旅行者にとっても有難い存在です。

※只見川電源流域振興協議会による「歳時記の郷 奥会津」内「第一只見川橋梁ビューポイント」案内ページはこちら

※福島県による「道の駅 尾瀬街道 みしま宿」ガイド情報はこちら

鶴ヶ城

この日の観光の仕上げは、「鶴ヶ城会津若松城)」です。

といっても、私が会津若松市内にたどり着くことができたのはもう夕方で、お城の駐車場に車を停めたのは16時を回ってからでした。

鶴ヶ城(会津若松城)西出丸駐車場入口の様子
鶴ヶ城公園西出丸駐車場

駐車料金は、1時間200円。以降1時間越えるごとに100円追加、という設定でした。彦根城の「1回1,000円」を鮮明に覚えていた私にとっては、拍子抜けをする安さ。

ありがたいです。

さて、鶴ヶ城と言えば幕末の会津藩、松平容保公のお城だったこと、戊辰戦争のことなどで有名。

それくらいの浅い知識で訪ねたのですが、お城の歴史について説明案内を詳しく読んでみると、会津藩がこのお城にやって来たのは江戸前期(1643年)のことで、初代藩主は3代将軍・家光の弟、保科正之さんだったそう。

(最後の当主となった松平容保公は7代目。)

しかしお城自体はそのずいぶん前から存在しており、大本の始まりは、葦名直盛という人が1384年(南北朝時代)に築いた「黒川城」だったようです。

それが、以後所有者が変わるごとに増築されたりなんだりして、改名もされて、今の姿になったとのこと。

といっても、明治初期に本物のお城は一旦取り壊されていますので、今の鶴ヶ城は資料を基に復元されたものなんですね。

鶴ヶ城(会津若松城)全景

威風堂々、とても立派な佇まいのお城でした。

今まで見てきた他のお城と違って、瓦の色がなんだか紫がかっているなぁと思ったら、「赤瓦」と呼ばれる、凍害や雪害に強い性質の瓦なのだそう。

鶴ヶ城(会津若松城)上部の寄り

赤瓦のお城は国内でこの鶴ヶ城だけ。そんなにすごいお城だとは知りませんでした。お目にかかれて光栄!

見どころはそれだけではなく、天守閣からの見晴らしも素晴らしいものであるようなのですが、私は時間切れで入城できず。お城の周りのいろいろなものも全く見学できませんでした。

尾瀬にも行かれなかったことですし、会津地方はまたいつかゆっくり来たいと思う場所として、しっかり覚えておこうと思います。

夕暮れ時の鶴ヶ城(会津若松城)と松の木

※「会津若松観光ビューロー」による会津鶴ヶ城公式サイトはこちら

明日・23日目の予定

この後は、会津若松市内で物資を調達し、日が暮れてから猪苗代まで移動しましたので、明日の一番の目標は猪苗代湖を観光すること」!

東北で一番大きな、日本では4番目に大きな、美しいと名高い猪苗代湖。

実は以前来たとき、喜多方や飯盛山、裏磐梯エリアには行ったのに、なぜか猪苗代湖へは行かなかったんですよね。それがずっと心残りだったのです。

なので、張り切ってその姿を目に焼き付けたいと思っております!

その後は、「磐梯山ゴールドライン」という観光道路に乗って裏磐梯エリアに移動し、「秋元湖」「小野川湖」を見るところまで終えられればベスト。

日本屈指の湖パラダイスなんですよね、明日のエリアは。湖の風景にご興味がありましたら、ぜひまたお付き合いくださいませ☺

それでは、最後までお付き合いいただき、どうもありがとうございました。

Polly

※当記事内の写真および現地情報は、2020年10月27日時点のものです。

青空を飛ぶ2羽の白鳥