こんにちは!景勝地をめぐるドライブ旅行が何よりの楽しみ、「しぜんfan」のPollyです。
当記事は、私が2020年10月に行った「福岡から札幌へ、日本縦断絶景めぐりの旅」の【21日目】の模様をレポートするものです。
実は、20日目分までは何とか旅をしながらも時間を見つけつつ記事を書けていたのですが、21~24日目は旅がハード過ぎて、結局は札幌に到着後に作成しております(笑)
というわけでリアルタイムでのレポートではございませんが、当時の記憶を100%思い出しながら執筆いたしますので、私の魚沼から南会津への旅路、ぜひお付き合いくださいませ☺
目次
ロードトリップ21日目の概要
20日目(10月25日)が終わった時点で私のいた場所は、新潟県魚沼市の「道の駅 ゆのたに 深雪の里」でございました。
次なる目的地は、新潟県・福島県・群馬県の3県にまたがる「尾瀬国立公園」。(※厳密には栃木も含め、4県にまたがっているようです。)
「夏がくれば思い出す はるかな尾瀬 遠い空」の尾瀬。
国立公園のエリア内に入るだけなら車でも行けるし、私の予定ルートを進むだけで達成する話ではあるのですが、特に私が行ってみたいと憧れているのが、本州最大の湿原「尾瀬ヶ原」と、高い山々に囲まれた神秘の湖「尾瀬沼」。
これらに行くには、駐車場からバスを乗り継いで、さらには自分の足で何時間も歩かねばならないんですね。
※「尾瀬保護財団」による尾瀬の公式案内サイトはこちら
所要時間や装備的に今回実現することができそうなのは「尾瀬沼」の方ですので、私が狙っていたのもそっちの方だったのですが、結果的には実現できませんでした…。
理由は「天候」と「時間」です。
午後から上がると思われていた雨がいつまで経っても止まず、悪天候の中を3時間以上も歩き続けるだけの体制は私には整っていないと判断したこと、それから、尾瀬への入口である「御池駐車場」に着いたときにはもう13時を回っていたこと。
道中の「奥只見湖」周辺で、予想よりも時間を取ってしまったんです。
というわけで、夢の「尾瀬トレッキング」はまた次の機会にとっておくことになりましたが、ルート上を走るだけでも十分に美しい秋景色を満喫できましたので、悔いはなし!
尾瀬の中に入らなかった分、予定よりひとつ先の道の駅まで進み、福島県南会津町の「道の駅 きらら289」でゴールとしました。総走行距離は「143km」。
この日は本当に、いろんな意味で大変だった印象の強い一日で、まず、この143kmの間にコンビニは1軒もありませんでした。
「道の駅 きらら289」の近くにようやく「ハローショップこはま」というローカルコンビニがあるのですが、夜間は閉まってしまう上、それを逃すとまた当分はお目にかかれなくなってしまうのです。
本当にもう、“山の中”なんですね。前日に魚沼で1日分の食料を買い込んでおいて正解でしたよ。
それから、夜が激寒だったこともよく覚えています。ちょうどこの日の午後から急激に冷え込んで、慌ててスノボ用ジャケットを出して車内で着てましたもん。
車中泊をさせていただいた「道の駅 きらら289」には日帰り温泉がありましたので、温まってから就寝することができましたけどね☺
会津地方が豪雪地帯だということ、その冷え具合からも感じることができたような気がします。
しかし、気候の厳しいところは自然が美しいというのが私の中での定説で、そこをいくと、新潟の奥只見も含めて間違いなく日本屈指の絶景エリアだと思いました。
それではそんな絶景エリアでの1日目の様子、ざっくりとご紹介してみましょう!
21日目の主な観光地
奥只見シルバーライン
私は当初、この「奥只見シルバーライン」の存在を知りませんでした。魚沼から尾瀬へは、国道352号をひたすら行くのだと思っていたのです。
しかし、道の駅の目の前にあるローソンを出てから8~9kmほど進んだところで、「尾瀬はこちら」と、352号から左方向へ別れる分岐が登場。
は? シルバーラインって、聞いてないぞ! と思いつつ慌ててハンドルを左に切ってみたところ、眼前にはなんだか閉鎖されたような暗~いゲートが。
近づいてみると、「通行止め」という赤い文字がいくつも目に飛び込んできたので、訳が分からなくなり、一旦車を脇に停めてみました。
すると、後続車たちが続々とやってきて、躊躇いもせず結構なスピードでゲートを通過していくではありませんか。
なるほど、よく読むと「連続雨量80mmに達したとき全面通行止め」「二輪車全面通行止め」ということだったんですね。
ゲートがあるということは、昔は有料だったことがあるのかもしれませんが、現在は無料で通行できるようです。というわけで、私もイン。
すると、これがとんでもない驚きの「ライン」だったんです。
なんと、全長22キロあるうちのほとんどがトンネル。しかもところどころ、特に後半は、岩盤をつるはしで掘り進めたようなごつごつとしたワイルドな側面がそのまま露出した区間もあったのです。
切実に、向こう側へ行きたいがために掘った道、というような感じ。“坑道”という雰囲気すらあります。
「~ライン」と名の付くような自動車専用道路は、どれも決まって眺めのいいドライブウェイなのだと思っていたものですから、これには心底驚きましたよ。
しかも、トンネルの内部に分岐があることにも驚きました。
尾瀬へ行くには、途中でトンネル内にある分岐を右に曲がってトンネルを離脱する必要があったのですが、まさかトンネルの脇から別の道が続いていることが起こり得ると思っていなかった私はそのまま直進。あれよあれよとシルバーラインの終着地点まで到達してしまいました。
つまり、尾瀬に直行するはずが、シルバーラインの終点である「奥只見ダム」まで大きな寄り道をしてしまったというわけです。(※寄り道具合のイメージは、前章のマップ参照)
ダムの脇には広い駐車場やお土産物屋さんもあるようですし、来てしまったからには行ってみるしかありませんね!
奥只見ダム
シルバーラインの終着地に何があったかというと、前述のように広い駐車場とトイレ、大きなお土産店、「奥只見ダム」、「奥只見発電所」、遊覧船、そして上の遊覧船乗り場まで繋がるスロープカー。
他にも「奥只見電力館」という、水力発電について学べたり、同ダム・発電所建設の記録などを知ることのできる施設もありましたが、そちらはコロナの影響で「臨時閉館中」でした。
駐車場に着いただけではダム湖の様子は見えず、高台を遊覧船乗り場の方へ行く必要があるようでしたので、スロープカーに並行して設置された遊歩道を歩いて上へ。
スロープカーは乗車時間3分、片道運賃100円です。頻繁に往復運行しており、歩く人と同じくらい、乗る人も多かったように思います。
そうして登った先にある「ダム広場」と呼ばれるところまで来ると見える景色は増えますが、湖側を見渡すにはもう少し奥まで歩き、遊覧船乗り場の建物まで行った方がよさそう。
乗り場スタッフの方に「遊覧船には乗らないのですが、乗り場2階の展望台へ上がっても大丈夫ですか?」と聞いてみたところ、快くOKしてくれましたよ。
というわけで、いざ2階展望台へ。
あいにくのお天気ではありましたが、旅行会社のツアー客がたくさん来ており、遊覧船はフル稼働でした。
霧に包まれた湖も、これはこれで風情があって良し、です。
※「奥只見湖遊覧船」公式サイトはこちら
ところで、今になって調べてみると、この奥只見ダムの底には江戸時代に栄えた銀の鉱山町が眠っており、先ほど通ってきたシルバーラインは、元はダムを完成させるために掘られた工事用道路だったんだそうです。
百名以上もの犠牲者を出しながら完成した奥只見ダムは、総貯水容量国内第2位、有効貯水容量は日本一、なんだそう。(参考:「うおぬまダム周遊マップ」)
いろいろと背景、曰くのある場所だったとは知りませんでした。
銀山平から尾瀬までの道のり
さあ、ここからの道のりがとにかく大変。とりあえずの目標地点である尾瀬・御池まではあと48kmもあり、湖沿いは国道ながらも細く見通しの悪い道が続きます。
地図で見ると、こんな様子。心休まる暇もない感じです。
しかしこの道のりが絶景ルートであり、特に紅葉が見頃のこの時期は、雨でも何度も車を止めたくなるほど見事な風景の連続でした。
写真を撮り過ぎて編集も大変なので、ここでは数枚だけをピックアップしてご紹介いたします。
全然数枚では収まりませんでしたが(笑)、エリアの雰囲気を何となくでも感じていただけたでしょうか。
秘境過ぎて、携帯電話の電波も何十キロもの間届きません。豪雪地帯過ぎて、冬季はこの道路自体も閉鎖になってしまうようですよ。
九州ではここまでの厳しい環境はそうそうないものですから、つくづく、世の中にはいろんな場所があるもんだ、と勉強になった国道352号ドライブでした。
※魚沼市観光協会による「魚沼市内の交通情報」はこちら。冬季通行止め情報を確認できます。
新潟と福島の県境「金泉橋」
湖を離れるにつれて道のくねくね具合も緩和され、運転もしやすくなってきます。
すると今度は、川の絶景地獄のスタート。
何なんですかこのルート、とんでもないですよ。もう疲れましたよ。
ただの県境でも、この絶景ぶりです。
こんな景色も、その土地の人にとっては何の変哲もない風景なのでしょうか。私なんか、100m置きに駐車可能スペースを探すのに必死なんですけど。
ちなみに、県境となっているこの橋の標高は「873m」だそうです。(現地看板より)
さらに、この橋を越えて福島県の檜枝岐村に入った直後もまた絶景でした…。もう勘弁して。
モーカケの滝
前述の通り、尾瀬沼ハイキングは今回は断念しましたので、尾瀬への入口である「御池駐車場」はそのまま通過し、4kmほど先にある「モーカケの滝展望台」というところに寄ってみました。
一見するとだだっ広い駐車場があるだけの場所なのですが、奥の山道を100mほど進むと滝の展望スポットへ到着。
展望台から見える滝は遠く、木々も視界を遮るので、その全貌を悠々と眺めるというわけにはいきませんが、カラフルな色合いも相まってなかなか素敵でした。
滝とは反対方向に見える山の紅葉も見事でしたので、そちらを眺めにいくという意味でも、隠れた名所的なスポットかもしれません。
※福島県観光物産交流協会による観光情報サイト「ふくしまの旅」内、「モーカケの滝の紅葉」紹介ページはこちら
ミニ尾瀬公園
「ミニ尾瀬公園」というのは、「モーカケの滝」からさらに6kmほど進んだところにある公園で、“尾瀬の自然美を凝縮させたミニチュア版”というコンセプトの場所です。
園内には、尾瀬を再現した1周約2kmの散策路や写真美術館、武田久吉メモリアルホール、カフェなどがあります。
参考:横浜開港資料館公式サイト「武田久吉と日本山岳会の仲間たち」他
入園料は、7~8月が大人500円・小人200円、9~10月は大人200円・小人100円。料金の違いは、夏が終わってしまうと植物の見頃も終わってしまうためと思われますね。
私が入園したのは、閉園(16時)の50分前というギリギリの時間ではありましたが、せっかくなので早足で一通り回ってみました。
急ぎ足だったので、私自身ここで場所の紹介をできるほどに消化できていないのですが、一番に感じたことは、「尾瀬を愛する人々の想いがぎゅっと詰まっている場所なんだな」ということ。
写真美術館でも、数々の可憐な野草たちの姿を楽しみながら木道を歩く、というイメージが湧くような展示方法になっていましたし、直接尾瀬に関連することでなくても、展示物などを通して地域の人々の自然との関わり方を感じることができたような気がしました。
何よりも、スイッチを押すと「夏の思い出」のメロディが流れる石碑があるのが良かったです。
軽い気持ちで押してみると、静かな山あいの全エリアに響き渡るのではないかという大音量。ちょっと焦りましたが、夕暮れ時の哀愁と重なって、曲の終わりにはなんだかしんみりしましたよ。
※尾瀬檜枝岐温泉観光協会による「ミニ尾瀬公園」紹介ページはこちら
さて、この後は、近くの「中土合(なかどあい)公園」の駐車場で休憩も兼ねてしばし素晴らしい渓流(伊南川)を眺め、さらに30km先の隣り町にある「道の駅 きらら289」へ。
この「中土合公園」という公園、檜枝岐村の集落や燧ヶ岳(ひうちがたけ)を眺めることができる絶景展望台があるようなんですよね。
時間切れで行けずに残念!
朝からみっちり活動してもまだ時間が全然足りないというこの日の旅でしたので、いつかまた絶対に戻って来て、今度は数日間は檜枝岐村に滞在して尾瀬を楽しもう! と心に決めて尾瀬国立公園エリアを後にしたのでした。
明日・22日目の予定
明日の目標は、「沼沢湖」というカルデラ湖を経由して、会津若松へ到達すること!
まだ見ぬ「鶴ヶ城」を一目見てみたく、そしてその後は、大物「猪苗代湖」も「磐梯山」も待っています。やばいです。
裏磐梯エリアには以前一度訪れたことがあり、その際は「五色沼」や「桧原湖」周辺を散策したのですが、とんでもない絶景エリアであることはもう分かっていますからね!
札幌到着目標日まであと5日しかありませんので、いよいよお尻に火が付いて参りましたが、日程とルートをしっかり考えつつがんばっていきたいと思います!
以上、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは、よい一日を☺ Polly
※当記事内の写真および現地情報は、2020年10月26日時点のものです。