プロ野球観戦、始めてみよう!①~基本ルール編【観戦歴3年の女子による入門手引き】

こんにちは、「しぜんfan」のPollyです。

この記事は、これからプロ野球を見始めるという方、もしくは見始めたばかりという方々に向けて、初心者に毛が生えたくらいの私が、初心者の視点で観戦入門を応援するものです。

  • 野球を見始めたいけど、いまいちとっつきにくい
  • 友人や恋人が野球好きなので、自分ももっと一緒に楽しみたい
  • 最近見るようになったが、よく分からない言葉がある

そんな風に感じている方って、意外と少なくないと思うんです。私も、3年前に初めてしっかり野球の試合を見るようになったとき、そうでした。

解説者の使う言葉に「?」が飛び交い、「打つか打たないか」以外の楽しみ方がまだよく分からなかった日々。

そこで、当時私自身が疑問だったことを思い出しながら、すごくベーシックな観戦入門の手引きシリーズを始めてみたいと思います!

中でも初回となる今回は、野球の基本概要人数各ポジジョンの呼び名守備と攻撃についてなどをお送りいたします。

目標は、ルールの難しい部分は置いといて、野球の一試合がどのように進んでいくのかという「全体像をつかむこと

全体像さえ分かれば、後はお気に入りの選手でも見つければ、自然と見るのも楽しくなってくるのではないかと思いますので(実体験)、なんとなくでもお読みいただくことで、少しでも野球観戦を楽しむきっかけになれば嬉しい限りです。

それでは、いってみましょう!

セパ12球団の球団名本拠地について確認したい方は、こちらの記事を参考にどうぞ☺



試合に出る人数

まずは、試合に出る人数から始めてみましょう。

野球で試合に出る人数は9人です。よくナインと言われたりします。

目立つのはこの9人ですし、一度に試合に出ることのできる選手数も9人なのですが、実は選手は他にもいます。

試合中に入れ替わるための選手たちです。

野球中継でも、監督やコーチらとともにベンチで試合を見守っている様子がよく映し出されますよね。

試合に出る選手、ベンチで控えている選手、どちらも合わせてベンチ入りメンバーといい、最大25人までが ベンチ入りすることができるようです。

※2020年シーズンは特別ルールとして、「26人」までベンチ入りOKだそうです。

この25人の中で、試合開始時から出場するメンバーのことを特にスタメン(スターティング・メンバー)といいます。

守備について

守備のポジション

これらの選手たち、特に、よくスタメンに起用されるような主力選手たちには大抵、専門とする「守備のポジション」というものが決まっています。

次は、守りの各ポジションの位置と呼び名を確認してみましょう。

野球の守備ポジション

ベースに囲まれた四角形をダイヤモンド、その中央の茶色の部分をマウンドと呼びます。

マウンドは小高く盛り上がっており、その上に立ち、バッターにボールを投げ込むのがピッチャー(投手)。ホームベース側でそれを受けるのがキャッチャー(捕手)。

そしてこの2人のコンビをバッテリーと言います。そんなタイトルの漫画もありますよね。

ダイヤモンド周りを守るのは、ファースト(一塁手)・セカンド(二塁手)・ショート(遊撃手)・サード(三塁手)の内野手たちです。

後ろの3ポジション、ライト(右翼手)・センター(中堅手)・レフト(左翼手)は外野手と呼ばれます。

二塁手は二塁にいるわけではない、というか二塁には誰もいない、ということが初心者には新鮮な発見かな、と思います。

バッテリーと野手、みんなで守る!

こうして9人それぞれが位置について、ボールを拾ったり投げたりして敵に点を入れさせまいとするのが「守備」なわけですが、バッテリーの2人と野手たちとでは、やっていることが少し違います。

まず、バッテリーの2人にとっては、敵に打たれない球を投げる、ということが一番の使命。手を使った謎のサイン(キャッチャー側)と首の動き(ピッチャー側)で無言の連携を取りながら、一球一球、いかに打たせないかを考えながらバッターと対戦します。

しかし、程度の差こそあれ、どうしても打たれてしまうことはあるわけで、そうなったときに主に活躍するのが野手たちです。

野手たちは、飛んだ打球を適宜キャッチベースへ送球することで、敵が進塁するのを防ぎます。(状況によってはバッテリーもこれをやります。)

札幌ドームでのファイターズの試合の様子(2018年6月)
試合の様子(2018.6.1 札幌ドーム)

ボールが飛んで行く場所によって求められる守備対応も変わってきますから、ポジションによって必要な能力・技術もそれぞれに少しずつ違ったりするようです。

例えば、ピッチャーはコントロールが良くなければ務まりませんし、セカンドやショートは、身体能力に加えて判断力もかなり重要。

守備範囲の広い外野では足の速い人の方が活躍でき、長距離を投げられる強い肩を持っていればなお良し。

他にもいろいろあるのだと思いますので、追い追いそんな視点で選手をみてみるのも楽しいかもしれません。

攻守交替のタイミング

守りがあれば攻めもある、ということで次は、「守備と攻撃の切り替わるタイミング」について確認してみましょう!

ご存じの通り、野球は2つのチームが攻撃と守備を交互に行いながら進んでいくスポーツですが、どうなれば攻守が切り替わるのでしょうか?

答えは、攻撃側が3人アウトになったら、ですね!

どうすればアウトになるのかというと、

  • バッターが三振した(スリーストライク)
  • バッターが球を打ったが、その球が地面に着く前に敵の守備がキャッチした(フライやライナー)
  • 走者が塁に走り込むより先に、当該塁を守っている野手の元にボールが届いた
  • 走者が塁に着く前に、野手が走者の体にボールをタッチした

などが挙げられます。

ややこしい言い回しになってしまっているかもしれませんが、今はまだ深く考えなくても大丈夫! とにかく、アウトが3つになったら攻守チェンジです。

他にもアウトになるケースはいろいろあり、私も詳しい内容までは未だに把握しておりません(汗)

それでも普通に観戦するには全然問題なしですし、「あれ、今のアウトになったの?」と言いつつ攻防が切り替わることなんて、よくあることです(笑)

守備と攻撃の1セット=「回」

さて、この攻撃と守備ですが、1セットで「イニング)」と呼ぶこともできますよね!

そして、試合開始後すぐに攻撃を行うチーム(先攻チーム)にとっては攻撃が「表」、守備が「裏」。後攻チームにとっては逆に、守備が「表」、攻撃が「裏」。

ということで、野球の試合は表と裏の繰り返しです。1回表、1回裏、2回表、2回裏…という調子で、基本的には回裏まで繰り返されていきます。

このボードは10回までありますが…

ただし、9回表終了時点で先攻チームが負けていれば、そこでゲームセットです。後攻チームにしてみたら、9回裏で点を取ろうと取るまいと既に勝ちが決まっているからですね。

また、9回裏が終わっても同点だった場合は延長戦に突入。延長の上限は12回までです。

※2020年シーズンは特別ルールとして、延長の上限は「10回まで」となります。

ちなみに、その日の試合が行われている球場を本拠地としているチームを「ホームチーム」、遠征してきているチームを「ビジターチーム」と言い、通常はビジターチームが先攻となるようです。

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攻撃について

守備と攻守交替についての概要を押さえたところで、次は、「攻撃」についての基本事項をチェックしてみましょう!

打順・打線

野球における攻撃とは、まずは「打つこと」。打たなければ何も始まりません。

打って、その打った球がグラウンドの中に落ちれば、もしくは、グラウンドよりさらに遠くに飛べば(ホームラン)、走者は一塁に向かって走り出すことができます。

(※ただし、打った球がファウルゾーンに入ってしまえば、有効な打撃とはみなされません。)

そこで、チームの攻撃時は、選手たちが代わりばんこでバッター(打者)となり、バッターボックス(打席)に入ります。

打席に立つバッター

そしてそこでバットを構え、敵チームのピッチャーがマウンドから投げてくるボールを打つようにがんばります。

その“打つようにがんばる”順番のことを打順オーダー)といい、実はこれは、監督がその日ごとの状況に合わせて毎回決めているのです。

(※背番号ではありません。)

これは、「お、今日は打順変えてきたな!」などとファンが楽しみにすることの一つとなっています。

中でも3番・4番・5番バッターはクリーンナップといい、よく打つような選手が3人続けて打席に入るので、点が入りやすい “見せ場” となります。

逆に、相手チームのピッチャーや野手にとっては早く終わって欲しい局面でもありますね。

特に4番はホームランバッターと呼ばれ、チームの中でも一番ホームランを打てる「強打者」であるのが常ですので、“ノーアウト満塁で次は4番” なんて状況はもう、敵も味方も観客も、手に汗握る大興奮なわけです。

この「打順」は「打線」ともいい、1番から5番バッターまでを上位打線、6~9番を下位打線と呼んだりもします。

上位打線には先ほどのクリーンナップもいますし、上位打線の方が凄そうな印象を受けると思いますが、そうとも言い切れないのがまた面白いところ。

下位打線にも強打者を置くチームもありますし、強打だけが打撃の全てというわけでもありません。

どんな選手が揃っているか、どんな戦略で攻めるのか、チームによって特色もいろいろです。

打球の種類

そんなバッターたちが打った球は、その後の飛び方によっていろいろな種類に分かれます。

ホームラン

まずは、一番いいやつがホームラン!

グラウンドの外にまで打球が飛んでいくので、敵の守備は全くもって手が出せず、言ってみれば「永久に捕れない」状態となります。

よって、打った人も含め、そのときに塁に出ていた全ての選手は悠々とホームベースに返ってくることができるんですね。

ヒット

ホームランの次にいいのがヒットです。ホームランも含めて「安打」と呼びます。

グラウンドの外に飛ぶほどではないけれど、打った人が無事に塁に出ることができるくらいには飛んだ打球のことで、地面に一度以上バウンドします。

一気に二塁まで進めたら「ツーベースヒット」、三塁までいけたら「スリーベースヒット」となります。

フライ・ライナー

この2つは、残念ながら打者の出塁に繋がりません。

「フライ」は高く打ちあがった後に相手にパクっと捕られた打球、「ライナー」は低く直線的に飛んだ先で相手にパシッと捕られた打球のことで、どちらもバウンドしないまま捕られたものです。

捕られた時点で、打った本人はアウトになってしまいます。

が、仲間の誰かが他の塁に既に出ていれば、そちらのほうは進塁に繋がる可能性は無きにしも非ず、です。

ストライク

バッターがバットを振ったがボールに当たらなかったとき(空振り)は、「ストライク」となります。

“打球”ではありませんが、上記までの流れを汲んで載せてみました。

また、ストライクゾーンに投げ込まれた球(打てるはずの球)なのに、バットを振らずに見送ったときもストライクです。

ストライクゾーンについては次回記事内でご説明しています。)

ファウル

ファウルはストライクの仲間のようなものです。

バットをボールに当てることはできたけれども、打った球が定められた範囲の外にでてしまった場合は「ファウル」。

ファウルゾーンのイメージ(球場は福岡ヤフオクドーム)
白い斜線がファウルゾーン

ファウルゾーンに打球が飛んだ場合、2回目まではストライクと同じ扱いになり、3回目以降はノーカウントとなります。

しかし、もしもファウルボールが一塁手や三塁手、キャッチャーなどによってバウンドなしに捕球されれば、フライと同様にその時点でバッターアウトとなります。

その他にも、ゴロやバントなどいろんな言葉がありますが・・・とりあえず私は、このくらいをぼんやりと分かっている程度でも十分楽しめてます!

「走ること」も攻撃

先ほど、野球における攻撃とは「打つこと」だとお話ししましたが、「走ることも攻撃です。

第一目標の一塁から始まり、攻防の状況に合わせて二塁、三塁と渡り歩いて(渡り走って)、4つ目のベース、すなわち本塁(ホームベース)に戻って来ることができれば1点!

ホームベースに戻って来ることができなければ点は入りませんし、うまく走れなければチャンスを逃すこともあります。

敵にボールが渡るよりも先にベースに滑り込む、隙をついて全力ダッシュで盗塁する、一度にできるだけ多くの塁を回る、などなど、とにかく足が速い方が有利なことには違いありませんよね!

2019年シーズンでは、足の鬼速いソフトバンクの周東選手が「足で攻める野球」の代名詞として活躍しています。

ピッチャーは打席に入る?

最後に一点、セ・リーグとパ・リーグ間にある大きなルールの違いについてご説明しておかねばなりません。

それは、ピッチャー(投手)が攻撃時に打席に立つか立たないか、です。

結論を言うと、セ・リーグではピッチャーもバッターとして打順に組み込まれますが、パ・リーグではピッチャーがバットを持つことはありません。(※セパ交流戦は例外)

では、パ・リーグの攻撃時にはバッターが一人足りなくなるんじゃ?という疑問を持った方。素晴らしい考察力です。

パ・リーグでは、一つ空いた打席にはピッチャーの代わりにDH指名打者という攻撃専門の選手が入るのです。

このDHの人たちは、守備には出ません。打つことだけに専念するという、すごい役職なんです。

攻撃専門で起用されるくらいですので、ホームランや長打を期待されるような強打者であり、打順は4番や5番に据えられることが多いようです。

パ・リーグの試合の電光掲示板(日ハム対ソフトバンク、2019年9月、ヤフオクドーム)
パ・リーグの試合の電光掲示の一例

というわけで、守備をする人数は9人、攻撃をする人数も9人、だけど、パ・リーグでは攻守合わせて10人が掲示板に名を連ねる、ということになります。

このセとパの違いは、知っておくといつかは必ず役に立つ知識だと思いますよ!

おわりに

以上、“すごくベーシックな野球観戦入門の手引きシリーズ”の初回として、試合の基本概要をお伝えしてまいりました。

なんとなく、プロ野球をちゃんと見てみたいような気になっていただけたでしょうか?

言ってみれば「一流のスポーツメンが小さい球の行方に右往左往するスポーツ」なのですが(笑)、日本中で熱中している人がいかに多いかということを考えると、面白くないはずはないはず!

女子目線でいくとやはり、お気に入りの選手を作ってしまうのが、野球観戦を楽しむ一番の近道なのかな、と思ったりもします☺

さらにその上、実際に球場に足を運んで生で試合の熱を感じたりすれば、もう確実に“一丁上がり”になるのではないでしょうか。(こちらも実体験!)

さて、次回は、試合の進捗を把握するのに欠かせないこちらのボード、


カウントボードをテーマに、その見方や、ボールとストライクの違いなどについてまとめてみようと思っています。

よろしければまたお付き合いくださいませ☺

それでは、最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!

Polly