最近、趣味の自然観光もめっきりご無沙汰の福岡市民、「しぜんfan」Pollyです。こんにちは。
昨冬まで北海道におり、冬場の趣味はスノーボード一択だったところを、今年は久しぶりの九州での冬。
大して寒くもなく雪もない冬なんて、なんかつまんない…と、全然調子が出ない毎日です。
広島あたりに滑りに行こうにも、雪が少なくてがっかりしたくないし、第一こうも暖かくては気分も全然乗りません。やはり冬は、窓の外には雪景色が広がっていてほしいなぁ。
という話題から入った今回題材とする英文記事は、本日2020年1月28日(火)にアメリカABCニュースのサイトに載っていた「Amazon社員がクビも覚悟で、会社に気候変動問題への取り組み強化を訴えた」という記事です。
目次
今日の翻訳記事
午前10時過ぎにBBC、ABC、NHK Worldの3社のサイトを覗いたところ、
共通して大きく扱われていたのは「新型コロナウィルス」「元バスケットボール選手のKobe氏」「トランプ大統領弾劾裁判」の3つのニュースでした。
どれも日本のテレビから入ってくる情報と大差ないかな、と思いながらスクロールダウンしていたところ、目に留まったのが冒頭でもお伝えしたこちら。
【記事URL】357 Amazon employees take public stand on climate change despite past threats
【記事アップ時間】28 January 2020, 04:28(日本時間)
「Climate change(気候変動)」という単語に反応し、この記事を読んでみることに決めました!
しかし実際に読んでみると、前に起きた出来事を踏まえた続編記事のような様相を呈しており、パッと見ではちょっと状況把握に戸惑う感じでしたので、ここで軽く前情報をまとめておきます。
- アマゾン社員有志による「Amazon Employees for Climate Justice」というグループが存在しており、活動の主旨は、アマゾンに対して気候変動対策への取り組み強化を求めるものである。彼らは、主にMediumやTwitterなどで主張を続けている
- 昨年9月、グローバル気候マーチの一環として、アマゾン本社のあるシアトルで社員によるデモ抗議運動があった
- 同じく昨年9月、アマゾン側は社員がプレス(マスコミやメディア)に対して発言することに関する社内規約をアップデートした(external communications policy)。それによると、従業員はアマゾンの事業、商品、サービス、技術等について公に話すにあたって、事前に会社の承認を得なければならない
- 一部の社員は、マスコミやSNSに「Amazonはもっと気候変動対策を推し進める責任がある」旨の発言した後、会社から解雇をほのめかされたと言っている
という具合で、昨年からアマゾン内で気候変動問題を巡る動きが活発化しているという状況のようです。
それでは、以上のことを踏まえた上で今日の記事、いってみましょう!
相変わらず翻訳者は私ですので、万が一に備えて“大体こんな内容”という程度でお読みいただければと思いますが(笑)、全力で頑張ります!
357人のAmazon社員が、解雇覚悟で自社の気候変動対策の不十分さを訴える
数百人のamazon社員たちが、超大手EC企業である自社の「気候変動危機への取り組みが不十分である」と主張しています。これは、彼らが以前この問題について公に発言した際、(アマゾン法務部や人事部から)解雇すると“脅された”にも関わらずの行動です。
日曜(1/26)、357人のアマゾン技術者が、アマゾンはもっと気候変動問題に取り組むべきであると訴える公式声明文(陳述文)を、それぞれの氏名・役職とともに「Medium」に投稿しました。
アマゾンのソフトウェア開発者であるSarah Tracyさんはその中で、「アマゾン社員としては、会社の成功にだけでなく、それによって外部にもたらされる影響についても責任がある。こうして声を上げることは、私たちのモラル的責任である。」と述べています。
このブログポストは、アマゾン社員によって立ち上げられた環境保護支持グループである「Amazon Employees for Climate Justice(※)」によるもので、同グループは数週間前に、アマゾンと気候変動についてプレスにコメントしたある従業員が会社から解雇すると脅されたことを明かしたばかりでした。
「気候正義」「気候の公平性」と和訳されるtermで、先進国による化石燃料の大量消費によって引き起こされた気候変動について、先進国はその責任を果たし、途上国がその被害を被っていることへの不公平さを正すべきであるという考え方のこと。
※参考:FoE Japan公式サイト「Climate Justice(気候正義)」
「(解雇される危険性を知りながらも運動を続けているということは、)アマゾン技術者たちが今何をするのが正しいことなのかをよく考え、主張・発言し続けるべきだと決断したということ。」――ソフトウェア開発者の一人、Victoria Liangさんは日曜の声明文の中でそう語っています。
「この声明に参加した全ての社員は、どんな結果が待っていたとしても自分で決断し、自分たちが正しいと思うことのために立ち上がった。」「気候変動の危機は、それほどまでに早急に対処するべき問題。モラルを無視して、黙って会社のポリシーに従っていることなどできない。」
アマゾンとその技術従業員たちの間では、様々な問題を巡って抗議運動が活発化しています。9月には、気候変動への意識喚起およびCEOであるJeff Bezos氏へのさらなる環境配慮行動要請のため、1,500人以上のアマゾン社員が職場放棄しました。
一連の従業員による抗議行動はこの数か月、同じく“tech giant”(ネット業界の超大手企業)であるGoogleでも起きています。
アマゾンの広報担当者は月曜(1/27)、ABCニュースに対し、同社は気候変動対策について“熱意を持って”おり、2040年までのCO2排出量実質ゼロ実現を誓約していると話しました。
しかしながら同社は社員に対し、プレスやソーシャルメディアへの発言に関するexternal communications policy(外部情報発信規約)を定めたわけですが、これについてアマゾン側は、他の大手企業でも同じような規約は設けていると述べています。
「もちらん我々は様々な社会問題に関して積極的に取り組む姿勢です。それは弊社ウェブサイトの「Our Positions」のページを見ていただければお分かりいただけますし、取り組み内容の概要についてもそちらに記載されています。例えば気候変動対策としては、パリ協定で定められたよりも10年早い2040年までに、二酸化炭素排出量実質ゼロ達成を誓約するClimate Pledge(気候変動対策行動誓約)を打ち立てています。」と先ほどの広報担当者。「私たちは、2030年までに完全に再生可能エネルギーのみで運用することを目指しており、何千人もの社員が社内で持続可能性への取り組みを行っています。」
「どの従業員も、こうして社内で動いている各種チームの活動に建設的に携わるというならば大歓迎ですが、規約は実施しますし、会社のことを公に非難したり事実を曲げて伝えたりすることは許されません。それは会社だけでなく、これらの難しい社会問題への解決策を構築している同僚のハードワークを非難することにもなるのです。」
以上
感想
今回は一文が長~いものが多く、訳するのにも結構てこずりました。できるだけ意味が伝わりやすくなるよう、敢えて二文に分けたものもいくつかありますが、それでも全体的に小難しい雰囲気ですね…。
ここまでお読みいただき、おつかれさまでした。
記事を読み始めたころは、「Amazon Employees for Climate Justiceのみんな、がんばれ~!」という気持ちだったのですが、最後の方の広報担当者の話を聞くと「そりゃそうだわ」と、それはそれで納得。
それほどまでにAmazonの環境問題への取り組みは社員の納得に値しないものなのか、そのあたりがよく分からないので何とも言えませんが、「Medium」の内容を少し読んでみると、
- 「これだけ世界的に大きな企業なのだから、もっと率先して行動を起こして世界をリードする責任がある」
- 「Climate Pledgeを打ち立てているのなら、ガスやオイル業界との取引を止めるべき」
というような声が上がっていました。
クビも覚悟で訴え続けるなんて、ここまでの強さの抗議行動は日本ではなかなか聞かない気がします。
日本はただでさえ化石燃料使いまくりの環境後進国ですし、「化石賞」までいただいてしまいましたからね…。
この記事を通して自分自身の危機感の薄さにもあらためて気付き、愕然とする思いです。
日本のテレビ番組やCMでは「健康」「保険」「グルメ」など“個人の幸せ”にフォーカスしたものが多くみられますが、それだけではいけないんじゃないかとつくづく感じます。
もっと個人レベルを飛び出した視野を持たなければ。
世界の大企業周辺での環境問題を巡る動きを垣間見るとともに、こうして世界の動きについてアンテナを張るうちに、自分なりにできることを見つけて行動していかなくては!と思った今日の記事解読作業でした。
とりあえずこの時期実践しているのは「ノー暖房器具&湯たんぽ使用」。
寝るときに湯たんぽ、おすすめですよ~☺
おわりに
以上、2020年1月28日(火)にABC NEWSのウェブサイトに掲載されていた「357名のアマゾン社員がポリシー違反も顧みず、自社に気候変動対策を訴える」の和訳をお送りいたしました。
あんなに世間を騒がせたゴーン氏はもうランク外で、日々いろいろなニュースが沸き起こるものですね。
当分は新型コロナウィルスの話題がニュースサイトのトップページを占めそうですが、そちらにも気を付けつつ、こうして細々と「日本のメディアを通さないニュース記事」を読む活動を続けていきたいと思います。
機会がありましたらまた、お付き合いくださいませ。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
ではまた☺ Polly