こんにちは、「しぜんfan」のPollyです。
今回は、2009年4月に旅したオーストラリアのアウトバックの風景を振り返ってみたいと思います!
オーストラリア内陸部の、広大な赤土地帯・砂漠地帯のこと。
人はほとんど住んでおらず、カンガルーやディンゴ、各種トカゲなど、オーストラリア特有の野生動物の宝庫。
この記事を作成している今が2020年を迎えたばかりですので、2009年というと、かれこれもう11年前…。Time fliesです。
というわけで、情報記事としての鮮度は皆無ですが、そもそも私がこのときの風景を掘り起こして記事にまとめてみようと思ったきっかけは、昨年2019年10月末に聞いた「ウルル登山禁止」のニュース。
私がウルル(エアーズロック)を訪れた2009年でさえ、アボリジニの聖地である場所に登ることの賛否は話題になっていましたので、実際に登山禁止となるまでに少なくとも11年以上かかったのかぁ…と思うと、そこから学ぶことも多い気がします。
そんなことも考えつつ、当時私が参加した2泊3日のアウトドアツアー「The Rock Tour」をめぐる景色をちょっとした旅行記とともにご紹介したいと思いますが、実はこのツアー、今でも健在です。
当時と今とでは多少内容が変わっていると思いますが、これから同じようなツアーに参加を検討中の方、オーストラリア大陸のど真ん中の風景にご興味ある方、ぜひお付き合いくださいませ。
※注)記事内でウルル登山はしていません。
目次
「The Rock Tour」の概要
自分でも驚きの物持ちの良さで当時のツアーのパンフレットが手元に残っていましたので、まずは記憶を掘り起こすために、ざっくりとツアー内容を要約してみたいと思います。
- アリススプリングス発着のガイド付き2泊3日バスツアー
- 参加費は$295+ウルル国立公園入場料$25
- 1日目はキングス・キャニオン周辺を観光&カーティン・スプリングスで野宿
- 2日目はカタ・ジュタ周辺を観光→ウルルの夕景&キャンプ
- 3日目はウルル朝景→ウルル観光→アリススプリングスで打ち上げ
- 食事付き、キャンプ用具完備
- 寝袋は$10で貸し出し可
- 持参するもの:ツアー予約書、持ち運び用バッグ、ウォーキングシューズ、帽子、日焼け止め、ウォーターボトル、タオル、水着、洗面用具、カメラ、サングラス ※内容は全て2009年当時のものです。
当時は1AUD=72円くらいだったと思いますので、$295は当時のレートではおよそ21,200円です。貧乏な旅人には高額出費ですが、このエリアのツアーやアクティビティはお高いのがデフォルト。
(※調べてみると、現在は$420するようです。かなり相場が上がったようですね。)
しかも、このツアーは2泊3日の「野宿」です。野生のディンゴや毒グモ・毒サソリなどに遭遇する危険もある中、広大な荒れ地のど真ん中でキャンプするなんて、素人にはそうそう経験できることではありません。
そう考えると、全然高くない気がしませんか? しかも、バス付き・ガイド付き・食事付き、ですからね!
バスがどんなだったかというと、約20名乗りの白い中型バスでした。乗り合わせた参加者たちの出身はアメリカ、アジア、ヨーロッパと多彩で、共に行動するにつれてどんどん打ち解け合って、とても楽しい時間を過ごしました。
ツアー後もしばらくfacebookで連絡を取り合ったりして。確か当時は、フェイスブックが爆発的に広まった頃だったと思います。
懐かしいですね~。
※現在のツアー内容詳細については、同ツアーのウェブサイトをご覧ください → The Rock Tour
アデレードからアリススプリングスへ
私は当時、サウスオーストラリア州の州都アデレードに数か月滞在していましたので、まずはアデレードからノーザンテリトリー州のアリススプリングス(以下アリス)まで、夜行バスで移動。
地図で見ると、こんな状態です。
何と言っても「大陸」ですから、これで1,500km以上。福岡から仙台に行くよりも遠いです。
実際にどのくらい時間がかかったか覚えていませんでしたので、あらためて今ネットで調べてみると、
アデレード発18:00、アリス着13:30。所要時間19時間30分でした。
とんでもない長さですが、確か、ドライバーさんの仮眠時間が何時間か含まれていたと思います。
ニュージーランドもそうなんですが、「〇時間運転したら必ず〇時間の休憩」というような、ドライバーを守る法律がすごくしっかりしているんですよね。
日本だったら交代要員が乗っていることもありますが、そこは欧米、合理的。
バスの運賃は、当時はもっと安かったと思いますが、現在は早割でも$226のようです。2020年1月5日現在のレートでは約17,000円。
↑ こちらが実際に私が乗った、天下の「Greyhound」です。前方に “カンガルー・バー” も付いてますね。
ちなみにこのオーストラリアのグレイハウンドは、アメリカのものとは別会社なんだそう。
日本の高速バスと同じく、道中でトイレやコンビニ、ガソリンスタンド、カフェなどに寄りながら目的地に向かいます。
ツアー1日目
私がロック・ツアーに参加したのは、グレハン(グレイハウンド)でアリスに着いた翌日からでした。
キングス・キャニオン
初日は早朝スタート。参加者をピックアップするため、バスが各アコモデーションを順に回って来てくれ、全員揃ったらいざ「Kings Canyon」へ出発。
と軽々しく言いましたが、アリスからキングス・キャニオンまでは500km弱ありますから、5~6時間はかかります。キングス・キャニオンに着いたのはお昼頃です。
ここでは、絶景を眺めながら約3時間のハイキング。
ここキングス・キャニオンは、映画『世界の中心で愛を叫ぶ』のラストシーンの舞台なんだそうですね。
全然覚えていませんが、「The Lost City」や「Garden of Eden」などと呼ばれる見どころが点在する、一周6kmのトレイルだったようです。
季節は4月。南半球では秋ですが、このあたりのエリアはご覧の通り、昼間は真夏の服装でもかなり暑かったようです。ただし、夜間は上着がいるほどに、それなりには肌寒かったと記憶しています。
夜は野宿
壮大なキングス・キャニオンを歩いた後は、バスでCurtin Springs(カーティン・スプリングス)という場所に移動して野宿です。トイレもシャワーもない、文字通りの野宿。
途中、みんなでキャンプ用の薪を拾いました。
バスの後ろに付いているトレーラーは、参加者の荷物やその他ツアーに必要な道具などを積むためのもので、オーストラリアのツアーでは必ずと言っていいほどお目にかかります。
拾った薪はそのトレーラーの上へ。
野営地に着くと、キャンプファイヤーを作って、その火を使って調理。
ライスが入っているのがお分かりになると思いますが、このライスについては未だに忘れもしない思い出があるんですよね。
どうやら欧米人にとってのライスはパスタなんかと同じ感覚のようで、蓋もせずにグツグツお鍋で炊いたお米を、容赦なくザルで洗っているのを目撃したんです!
もう、びちゃびちゃですよ。
その代わり、プレート上での盛り方・食べ方もウエスタンスタイルですので、不思議と美味しかったですけど。米自体も、日本のもちもちタイプとは違ってパラパラタイプですし。
キャンプマジックでしょうか。
後片付けの後は、そのまま赤土の上に寝袋をセットして就寝。写真の女子は、若かりし頃の私です。
「寝袋さえあればどこでも寝られるんだなぁ」と、満点の星空とひんやり心地よい空気の中、ぼんやり考えながら寝落ちしたのを覚えています。
人間の生活の原点を感じるというか、アウトドアの神髄に少しだけ近づいた、貴重な体験でした。
ツアー2日目
2日目は、燃えるような朝焼けの中の薪木拾いからスタート。今夜またキャンプファイヤーを作るからですね。
まずは朝支度
朝ごはんをいつ食べたか覚えていないのですが、とにかくこの日のメインは「Kata Tjuta」です。
カタ・ジュタに向かう前にまずは一旦、今晩の宿泊地である「Ayers Rock Campground」へ。トイレや洗面台を使うためだったと思います。
アウトバックの赤土は付着力抜群で、靴はすぐに赤土まみれに。
さらっと細かい砂なのですが、これがなかなか取れず、今でも現役の私のバックパックには未だに少し残っています。何よりも強力なお土産…。
カタ・ジュタ
さあ、ここからはいよいよ世界遺産「ウルル=カタ・ジュタ国立公園」に足を踏み入れます。
まずはどこだかのLookout(展望台)にて、カタ・ジュタの全貌を観賞。
遠景の方が見ごたえあったりして?
いえいえ、これからあの中を歩きに行きますから、すごい風景の数々が待っているはず!
このあたり一帯は、カタ・ジュタの中でも「Valley of the Winds(風の谷)」と呼ばれる場所で、大半のツアーでは、 カタ・ジュタ観光=風の谷ウォークとなるんだと思います。
迫力満点の眺めが続きましたが、写真で見るとどれも似たり寄ったりなので、ここでは一枚だけセレクト(↑)。
昨日のキングス・キャニオン同様、トータル3時間ほど歩いた後は、いよいよ “地球のヘソ” Uluru(Ayers Rock)へと距離を縮めていきます。
ちなみに、カタ・ジュタ、ウルル、キャンプサイトの位置関係はこうなっています。
ウルル&カタ・ジュタ観光の拠点となるリゾートタウン「Yulara」からウルルまではおよそ25kmで、ウルル↔カタ・ジュタ間はおよそ58kmです。
何もない道路をぶっ飛ばしますので、近そうで遠そうで、結局近いかも…?
ウルルに接近
少し離れたところからウルルを眺めつつランチをいただき(確か、サラダたっぷりトルティーヤでした)、いよいよウルルに到着。
ウルルのすぐ南西側にある「Aboriginal Cultural Centre」を先に見学し、その後でウルルの一部分だけを散策・見学しました。
世界レベルで有名なこの一枚岩の大きさは、長さ3.6km、幅2.4km、周囲9.4km、高さ348m、ついでに海抜は863m。(情報元:https://www.britannica.com/place/Uluru-Ayers-Rock)
とにかく巨大なので、いくつものトレイルがパートごとに分かれて設置されています。(上の写真は2009年4月のものですので参考までに。)
※各トレイルの詳細はこちらで確認できます(英語)→ オーストラリア政府公式サイト>Uluru-Kata Tjuta National Park>Walks
この日にどこを歩いたのかは、すみません、全く覚えていません…。たぶんCultural Centre側だったんだとは思います。
ちなみにこの日は、岩に上るルートは雨予報のため閉鎖となっていました。
昨日から似たような景色ばかりを見ているので、贅沢なことに、この壮大な地球の造形美にもちょっと慣れてきてしまいつつも、一枚岩であることにはやはり感動!
でもやっぱり、離れて見た方がその凄さが実感できますね。
天気が良ければ夕暮れに染まりゆくエアーズロックを観賞するはずでしたが、あいにくの空模様。
オーストラリア固有種の野鳩、Crested Pigeon(レンジャクバト)に遭遇できたのはラッキーでした。
二度目のキャンプファイヤー
夜は、朝にチラリと寄った「Ayers Rock Campground」で再び野宿です。
キャンプサイトですので、施設内にはキッチンや冷蔵庫もあり、前日のように焚き火で料理はしませんでしたが、一つだけ火で焼いたものが…。
ガイドの彼が手に持っているもの、それは「Kangaroo-tail」。カンガルーの尻尾です。
アボリジニの人々の文化を体験、ということですね。こんがり焼いた後、皮を剥いでみんなで試食しましたが、美味しかった記憶は全くありません…。
しかし、スーパーで売られているカンガルー・ミートは、普通に料理すれば普通に美味しいです。牛肉より赤く、ちょっと風味にクセがありますが、鹿肉っぽいような味わい。
保護動物を食べていいの!? と思う方もおられると思いますが、今では数が増え過ぎて、数を減らすべき害獣となっています。
脂肪が少なく健康的、オーガニックでフリーレンジ、牛や豚より環境にも良い、らしいですよ。(参考:BBC News「Eating Skippy: Why Australia has a problem with kangaroo meat」)
動物園の人気者、オーストラリアのシンボルも、保護されたり邪魔者扱いされたりと大変です。
ツアー3日目
ツアー最終日。ウルル観光観光の後は、夜までにアリスに帰らねばなりません。
ウルルの夜明け
昨日の午後は天気が下り坂で、夜中には雨も降ったのですが、今朝はまずまずのようで一安心です。
まだ暗いうちから「Uluru Sunrise Viewing Area」に移動し、日の出まで朝食を食べながら待ちます。
無事に、朝日に燃えるウルルを拝むことができました! 絶景!
一枚岩の外周ハイキング
この後は、ウルルに登りたい人と、外周のBase Walkを歩く人と、二手に分かれてウルル観光を行いました。
私は、アボリジニの聖地であることを聞いてからは登らないと決めていたため、のんびりと外周の散策を楽しみました。
一周10kmほどだと思いますので、2~3時間くらいです。
上に登る人々は、こんな風に登っていきます。
今ではもう永久に見られない景色ですね。
登山禁止になったのは2019年10月25日の夜だそうで、それまでは連日何百人もの観光客が “登り納め” に訪れたそうですよ。
これからまた何十年も経てば、観光で登れていたことが嘘のように感じる日が来るのかもしれません。
アリススプリングスまでの帰路
帰りの道中は、連日のハイキングと野宿の疲れでみんな爆睡でしたが、まだまだ絶景は止まりません。
「State Route 4(国道4号)」。道路の真ん中にカンガルーの死骸があり、ドライバーさんが脇のブッシュに引きずり出す場面もありました。
また、トカゲやワラビー、オカメインコなどのオーストラリア原産の生き物、なぜかラクダ牧場でラクダまでも見ることができ(希望者は乗ることも可)、まさに大自然満喫のアウトドアツアーとなりました。
おわりに
アリスに着いてからは、街のバーでツアーの打ち上げパーティーがありました。
ろくな写真が残っていないため(他人が酒飲んでワーッとやってる写真、見ても面白くないですもんね)、その様子は割愛しますが、偶然乗り合ったメンバーと “仲間” になれるのも、この手の乗り合いツアーの魅力。
オーストラリア大陸は広大で、見どころも特色も、エリアに寄って数えきれないほどありますが、私は「オーストラリアを旅するなら、ウルル=カタ・ジュタ国立公園はマスト!!」と言わせていただきたいと思います。
荒涼とした赤土とブッシュの海、偉大な自然の造形物。そしておびただしい数のハエ。
これぞアウトバック! という、一生ものの思い出となりました。
ここまでお付き合い下さったみなさまも、この記事で少しでも現地の雰囲気を感じて、何かの参考にしていただけたなら嬉しいです。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
ではまた☺ Polly
※記事内の写真はすべて2009年4月に撮影したものです。