こんにちは! 古木を見ると胸が熱くなる福岡市民、「しぜんfan」のPollyです。
今このページを開いて下さったあなたも、名木・古木・巨木がお好きでしょうか。
私は、意識して「趣味は巨木めぐりです!」と言えるまでのレベルではないのですが、大きくて立派な木を見ると、立ち止まってしばし観賞したり、ポンポンと触ったり、抱きついたりしてしまいます。
虫や鳥を枝葉で遊ばせつつ、どっしり静かに生きているあの佇まいや、周囲の空気が一段濃くなるようなあのオーラ、たまりませんよね。
という前置きから始まる今回の記事のテーマは、もちろん「大きな木」です。舞台は、佐賀県武雄市。
佐賀はただでさえ古木・名木が多い印象ですが、中でも武雄には樹齢2,000年から3,000年という大楠が3本もあることをご存じでしょうか。
巷に溢れている “パワースポット” という言葉を当てはめてしまうのはなんとなく悔しいですが、実際に足を運んでみると、やっぱり紛れもないパワースポット。
そこで今回は、2019年11月20日の私自身の訪問体験をもとに、3本の大楠の場所、アクセス情報といった訪問前の基本情報と、実際の様子を紹介する訪問レポートをまとめてみたいと思います。
温泉もいいですが、巨木パワースポットめぐりもおすすめ!ということで、まだ見ていないという方はぜひ、次回のお出かけの参考にお役立てくださいませ。
目次
「さが名木100選」について
まずは事前情報として、佐賀の古木を語るには避けては通れないさが名木100選について簡単にご紹介したいと思います。
一例として、こちらは小城市の「清水の滝・宝地院(清水観音)」で見かけた案内板です。

参道にあった立派な杉の木に、『佐賀の名木・古木』と『さが名木100選』の2種類の案内板が添えてありました。
それぞれの記載内容を見てみると、
登録番号:25600
樹種:スギ
推定樹齢:500年(昭和51年度登録時)
所有者または管理者:宝地院
郷土の緑を大切にしましょう
平成17年2月 佐賀県
宝地院のスギ
推定樹齢:500年
大きさ:樹高40.2m 幹回り5.2m 枝張り16.5m
この樹木は、佐賀の名木・古木に登録されている約900本の中から100選として選ばれたものです。
平成16年3月 佐賀県
という具合で、内容に多少の違いはありますが、どちらにも樹種と樹齢、登録番号が記されています。
黄色のアンダーライン部の記述から、どうやら『佐賀の名木・古木』ありきの『名木100選』であるらしいことは分かりますが、もう少し明確な違いを知りたいところ。
そこで、さらに佐賀県の公式サイトを覗いてみたところ、次のような説明がありました。
■名木・巨木について
このような樹木が登録されています。
名木…国天然記念物、県天然記念物、市町天然記念物、学術的に貴重なもの、歴史的に由緒あるもの
古木…樹齢100年以上のもの、目通り幹周りがおおむね2m以上のもの
■さが名木100選とは
現在、「佐賀の名木・古木」に登録されている名木・古木の約900本の中から、学術的に貴重なものや、佐賀県の象徴としてふさわしいものとして選定されたものを「さが名木100選」としています。
佐賀県公式サイト「佐賀県の名木・古木」より
要点をまとめると、学術的に貴重で歴史的に由緒ある、かつ樹齢100年以上で幹回りが2m以上のものが『佐賀の名木・古木』で、現在はおよそ900本の登録があり、
さらにその中でも佐賀の象徴としてふさわしいものが『さが名木100選』。
ということは、名木100選に選ばれている木々は、佐賀のスター中のスター✨というわけですね!
武雄にある名木
話を今回の舞台である武雄市に移しますと、武雄市には『さが名木100選』に選ばれているクスノキが3本あります。
- 武雄の大楠
- 塚崎(つかさき)の大楠
- 川古(かわご)の大楠
(これら以外にもあるのかどうかは、ネットで調べてみた限りでは分かりませんでした。)
これらは佐賀県の巨樹トップ3でもあるそうで、気になる樹齢は、「武雄」と「川古」が推定3,000年、「塚崎」が推定2,000年。
3,000年の後に2,000年と聞くと「なんだ」と思いそうですが、2,000年前なんて、弥生時代です。3,000年前に至っては縄文時代。
私たちも生きている以上は先祖と呼ぶ人々が存在したはずですが、一体何世代前のことになるんだか、想像もつきませんね。
「時代が何世代前かを計算」という面白いサイトを見つけたため、試しに「2,000年前が何世代前か」を計算してみると、20年で世代交代があった(20歳で子どもを持った)とすると「99世代前」になるんだそうです。
30年で世代交代として計算してみても「66世代前」。
遠すぎて全然ピンときませんね…。
さらに、武雄市観光協会発行のパンフレットによると、樹齢3,000年の2本は全国でもトップクラスの巨木だそうです。(武雄の大楠は全国巨木第7位、川古の大楠は第5位)
上記の順位がいつどの機関によるものなのかは明記されていませんが、おそらくは環境省が平成13年に発表した「巨樹・巨木林調査 第6回調査」の結果を受けてのものだと思われます。
全国トップ10に2本入るなんて、やっぱり “古木県・佐賀” です。
ちなみに、同じく第6回調査の結果では、福岡県と沖縄県からもそれぞれ2本ずつトップ10に入っており、1位は鹿児島の「蒲生(かもう)の大楠」だそうです。
九州は巨樹が多い土地柄なんですね!
3本の大楠の所在地
次に、それぞれの所在地を地図で確認してみましょう。

「武雄の大楠」と「塚崎の大楠」は武雄市の中心部にあり、「川古の大楠」だけがそこから10kmほど離れたところにあります。
それぞれの詳細な住所は以下の通りです。
武雄の大楠 | 武雄市武雄町武雄5335(武雄神社内) |
塚崎の大楠 | 武雄市武雄町大字武雄5563-2 文化会館北側 |
川古の大楠 | 武雄市若木町大字川古7843(川古の大楠公園内) |
どれも名称で探せばGoogleマップに出てきますが、「塚崎の大楠」だけは到達ルートが若干分かりづらいです。
記事後半の訪問レポートではそのあたりのことや駐車場情報についてもご説明していますので、よろしければぜひチェックしてみてくださいませ。
車で回る場合の所要時間
3ヶ所を自家用車で回ると、どのくらいの時間がかかるでしょうか。
私自身も車で回りましたので、参考までに、私の当日の訪問データをまとめてみました。
交通手段:マイカー
天気:晴れ
訪問スポット順:武雄神社→武雄の大楠→塚崎の大楠→川古の大楠
所要時間:約2時間20分
私の場合の所要時間は「2時間20分」でした。ただしこれは、「武雄神社観光から始めて、川古の大楠でフィニッシュするまで」の時間です。(※武雄の大楠は、武雄神社内にあります。)
武雄神社(武雄の大楠含む)45分、武雄神社から塚崎への移動時間5分、塚崎の大楠30分、塚崎から川古までの移動時間20分、川古の大楠40分、という感じです。
けっこう周辺をうろうろしたり、写真を撮るのに余計に時間がかかったりしましたので、そうでなければ、最後に起点に戻る場合でも3時間あれば十分なのかな、と思います。
もちろん個人差も大きいと思いますので、ご参考までに。
各大楠への公共交通機関でのアクセス
次に、「JR武雄温泉駅」を起点に公共交通機関を利用する場合のアクセス方法について。
武雄市役所公式サイト内「武雄市 バス時刻表・路線図」をもとに、各バス路線の情報を詳しく調べてみましたので、参考までにご活用ください。
武雄の大楠・塚崎の大楠
武雄の大楠と塚崎の大楠は、いずれも武雄温泉駅からは1.5km圏内のところにあります。15~20分ほど歩くのが苦でなければ徒歩移動も可能。
バスを使う場合は、「祐徳バス」と「昭和バス」の2社があり、いずれも、大楠からの最寄りのバス停は「武雄高校前」となるようです。
「武雄温泉駅」から「武雄高校前」までバスを利用する場合の所要時間、運賃は以下の通り。
祐徳バス[祐徳線]:乗車時間7分、160円、1日10~11本(時刻表PDF平日・土日祝)
祐徳バス[武雄市内循環 竹内・武雄線]:乗車時間7分、200円、1日4本※日祝運休(時刻表PDF)
昭和バス[多久・武雄線]:乗車時間4分、160円、1日7~8本(時刻表PDF)
※記載した料金はいずれも片道料金。時刻表は2020年5月19日時点での最新版です。
最新情報は、各バス会社のホームページよりご確認ください → 祐徳バス、昭和バス
川古の大楠
川古の大楠だけは武雄市街より10kmほど離れた場所にあり、交通の便もあまり良いとは言えないようです。
祐徳バス[武雄市内循環 竹内・武雄線]:「JR武雄温泉駅」か「武雄高校前」乗車→「若木公民館前」下車徒歩4分:乗車時間36~43分、200円、1日5本※日祝運休(時刻表PDF)
コミュニティバス(温泉タクシー)[武雄・桃川線]:「JR武雄温泉駅」乗車→「川古」下車徒歩2分:乗車時間23分、400円、1日3~4本※日祝運休(時刻表PDF)
※記載した料金はいずれも片道料金。情報は2020年5月19時点で確認したものです。
上段の「祐徳バス」は、武雄の大楠・塚崎の大楠のときに登場した路線と同じです。
以前は昭和バスも[伊万里・武雄線]という路線を走らせており、それに乗れば川古の大楠に行けたはずなのですが、利用者の減少や運転士不足のため2018年3月31日で廃線となってしまったそうです。
下段のコミュニティバスはその代替バスとして、武雄市と伊万里市が協力の上、タクシー会社に委託して運行しているもののようです。
(参考記事:西日本新聞「武雄-伊万里の昭和バス路線が3月廃止 武雄市が代替バス」、佐賀新聞LIVE「昭和バス 武雄-伊万里間、廃線に」)
川古の大楠に関しては、日曜はバスもありませんし、やはり車で行ければそれが一番がいいでしょう。
以上、事前情報はここまでとして、ここからはいよいよ現地訪問レポートに入っていきたいと思います!