みなさんこんにちは!「しぜんfan」のPollyです。
いきなりですが、冒頭の写真は2017年8月4日に札幌の中島公園で撮ったものです。
中島公園は札幌市中心部にある大きな公園で、ボート遊びのできる池や芝生広場、コンサートホールや天文台、神社や博物館(文学館)もある、緑に囲まれた市民の憩いの場です。
すすきのの繁華街から近く、公園の周りにはホテルも林立しているため、観光客でも賑わっています。
当時私の住んでいた札幌市南区のアパートから中島公園までは片道約8km。豊平川の沿いの景色を楽しみながら颯爽と河川敷を自転車で走り、公園をのんびり散策し、ついでに街に寄って買い物して帰る、というのが定番の休日の過ごし方のひとつでした。
写真には、涼やかに紫陽花が咲いていますね。そして、真夏に自転車で往復16kmも快適に走れちゃう気候。
何が言いたいかというと、そう、札幌の夏は快適!!
そして福岡の夏は殺人的!!(笑)
札幌で夏を3回過ごし、4年ぶりに地元・福岡で夏を迎える私が個人的に感じることを、札幌の夏の解説を交えてここに綴ってみたいと思います。
札幌の夏に興味のある方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。
目次
4年ぶりの九州の夏
先週7月24日(2019年)、九州・四国・近畿・北陸で一斉に梅雨明けしたとみられる、と気象庁から発表がありました。
何よりもまず、各地で大雨の被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
現在私の住んでいる福岡市東区は九州の上の上、朝鮮半島側の海沿いにあります。今年の梅雨は大雨が降り続くこともなく、比較的すんなりと夏に入ったように思います。
そしてここ数日のうだるような暑さ。
家の中にいても汗がじんわり出て、いつの間にか汗臭くなっている自分。
外に出ようものなら一瞬で火傷しそうな暴力的な日差し。
うちのベランダのミニ向日葵たちも、開花を前にすでに疲れ切ってしょんだれています。
夕方にたっぷり水をあげれば、翌朝には元気になってくれますけどね。
なにを隠そう、私は九州生まれの九州育ちです。熊本で生まれ、福岡に約15年、宮崎7年、沖縄でも2年過ごしました。それこそ紫外線が殺人的なオーストラリアの40℃超えの夏もクリアしましたし、暑さには強いはずだったんです。
それが、ニュージーランド南島でのマイルドな夏を4回経験し、その後が北海道。計7回の快適な夏に、体は思った以上に甘やかされていたのです。
さっそく夏バテです。何も食べたくありません。頭がボーっとします。
かといってクーラーは好きではないので、日中の室内は常に31度超え。ひたすら水分を摂って耐え忍ぶ日々。外になんか、用がなけりゃあ出たくもありません。
ああ、札幌に戻りたい!
天国のような札幌の夏
気温の違いを検証
外に出たくもありませんのでパソコンの前に向かい、「tenki.jp」の過去データを参考に、昨年2018年7・8月の福岡と札幌の気温をグラフにしてみました。
点線が福岡、実線が札幌です。当然のことながら、比べてみると明らかな気温の違いがありますね。
私もこうしてグラフにしてみてはっきり気付きましたが、札幌の最高気温(オレンジ実線)が福岡の最低気温(青色点線)を下回っている日が多いことが分かります。
昨年のデータだけでの比較なので一概には言えませんが、昨年で言うと、札幌で一番暑い時期は7月下旬から8月頭にかけてだったようですね。九州並みに暑くなっています。
そしてその後、波はあるものの概ね平均20~25℃という過ごしやすいゾーンに落ち着いています。
対して福岡はと言えば、最高気温はずっと30℃超えです。全国にはもっと気温が上がる地域もありますので、「マシなほうじゃん!」という声も聞こえてきそうですが。
ともかくこれで、札幌の夏が快適であることが、気温の面から明らかになりました。
鍵となる「不快指数」
でも、気温だけではない快適さが札幌、北海道にはあるんです。それは、蒸し暑さの指標となる「不快指数」の低さです 。
じっとしていてもべっとり汗ばむ、汗疹(あせも)ができて大変、というようなことは札幌ではほぼありませんでした。私はそれを「湿度が低いから」だとずっと思い込んでいたのですが、調べてみると実は夏の湿度自体は福岡と同じくらいなんです( 75%前後)。
東京・名古屋・大阪あたりよりはかえって高いくらい。
湿度がほぼ同じだとすると、感じ方の違いを生んでいるのは「気温」のみ。
先ほどの「不快指数」というのは湿度と気温から割り出されるものですので、両都市間で湿度が同じならば、気温の低い札幌のほうが不快指数が低いということが言えます。(参考:『さっぽろお天気ネット』)
逆に考えると、もし福岡と札幌の気温が同じならば、不快指数に差は出ない、ということにもなりますね。
そういうことかー、すっきり!
久しぶりの福岡の5月に「なんか、札幌の夏みたいだなー」と感じたのですが、こちらの5月の気温≒札幌の夏の気温だったから、というわけだったんですね。
札幌の夏の具体的長所
ではここで、九州出身の私が思う札幌の夏の良さを箇条書きにしてみたいと思います。
- 夜に寝苦しいことがほとんどない
- じっとしているだけで汗ばむことがほぼない
- 肌がべたつかない
- 袖なしの服がなくても困らない
- 半袖の服すらなくても困らない
- 扇風機やクーラーがなくても大丈夫
- 自転車通勤も快適
- 蝉が少なくて静か
- 蚊も少な目
ぱっと思いつくメジャーどころはこんな感じです。もともと北海道で生まれ育った人にはあまり自覚のないポイントかもしれませんね。
もちろん暑くないわけではないですよ。盛夏期は寝苦しいですし、肌も多少べたつきます。ずっと外にいると熱中症になったり、日当たりによっては部屋の中がサウナみたいになったり、暑がりの人は扇風機が必須!という人もいます。
先ほどの「不快指数」の話でいくと、九州(や本州、四国)と変わらないくらいに気温が上がれば感じ方は同じなわけですからね。
でも、そんな時期もあっという間に終わり、気付けば「朝晩上着がないと寒いねー」「もう夏も終わりだわー」なんて言ってます。
札幌の各種夏事情
北海道のクーラー事情
そんなに夏が快適ならば、クーラーやエアコンはどうなの?部屋には付いてるの?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
クーラーやエアコンは、私の知る限り、北海道の家には基本的に付いていません。そして、なくても乗り切れます。
賃貸でアパートを借りた場合、クーラーは付いておらずとも、暖房器具が備え付けられていることは比較的多いと思います。その暖房器具もエアコンなんてなまやさしいものではなく、寒冷地仕様のでっかい石油ファンヒーターだったり、床暖房だったり。
夏はエアコン代がかからなくていいですが、その代わりに冬はがっつり暖房費がかかるということですね。しかも一年のうち5~6か月間は暖房必須です。
でも、本州や四国、九州でも冬にまったく暖房費がかからないわけではないですよね。北海道の家は保温性が高いので一度暖まれば快適ですし、本州の場所によっては意外と毎月の暖房費も変わらなかったりするかもしれません。
冬の札幌の暖房事情や水道管凍結の話(実話)などは、ぜひまた別の機会にお話しできればと思います。
札幌の海水浴事情
夏といえば海!札幌の海水浴事情はどうなのでしょうか。
北海道にも海水浴場はあります。数は多くはありませんが、いちおう泳げます。
札幌近郊で海水浴といえば、お隣の石狩市にある「あそびーち石狩」か、これまたお隣の小樽市銭函にある「おたるドリームビーチ」でしょう。どちらも札幌中心部から車で30~40分ほどです。
南国出身者の私はどうしても「北海道まで来て海もねぇ」と思ってしまい、泳いだことは一度もありません。寒そうだし。それでも楽しそうに海遊びをしている道民の方々を見ると、そこだけはやはり、「九州勝ったな」と思ってしまいます。唯一、札幌に勝てるポイントかもしれません。
あ、海はきれいですよ。とても。
北海道に梅雨はあるのか
さて、次にもしかして気になっている人がいるかもしれないのが、梅雨のこと。北海道に梅雨はないのでしょうか。
答えはYesでもあり、Noでもあり。
札幌管区気象台のウェブサイトによると、「…停滞前線が北海道にもかかって、集中豪雨が発生するなど、盛夏期の前にくもりや雨の日が多くなる年もあります。しかしながら、一般的に北海道に梅雨がないと言われているのは、このような天候が毎年決まった時期に一定の期間、現れるわけではないためです。」とのこと。
毎年必ずあるとは言えないため、どちらかといえば「ない」ということになるわけですね。
北海道の梅雨について良く言われるのが「蝦夷梅雨」というものです。「蝦夷」は近代の歴史の中では北海道を指す言葉なので、 “北海道性梅雨” という意味合いだと思われます。
本州のような梅雨は無いけれど、6月に雨が続いたりぐずつく日が多かったりという “梅雨っぽい時期” はあり、道民の方の中には、それが年々顕著になってきていると言う方もいます。地球規模で気候が変わってきていることの表れなのでしょうか。
北海道の快適な夏は、いつまでも快適なままであってほしいと心から願います!
まとめ
札幌の夏について、いくつかの視点からご紹介してみました。だいたいどんな感じか、ご想像いただけましたか?
いろいろ書きましたが、あらためて、この記事のタイトルは「北海道で3度の夏を過ごした九州出身者が、4年ぶりの地元の夏に思うこと」。
私が今、地元の夏に思っていることは、
- 福岡の夏が札幌に勝てるのは海水浴だけ。
- 札幌で3年夏を過ごすと、“日本の夏”に順応できなくなる。
の2点につきます。(個人的な見解です。)
もちろん、感じ方や好みは人それぞれです。その人が何を楽しみたいかで、理想の環境は変わりますもんね。
不快指数も気温の高さもなんのその、じりじりした灼熱を肌で感じながら汗を掻くのが気持ちいい!って場合は、札幌はあまりベストな場所ではないかもしれません。
反対に、そういうのはもういいから、蒸し暑さの少ない快適かつ爽やかな夏を過ごしたい!という方には、北海道の夏は断然おすすめです。
私はこれから先2か月も続くであろうこの蒸し暑さ全開の夏に耐えることができるでしょうか。早く体が慣れることを期待して、なるべく楽しめるようにがんばりたいと思います。
さんざん文句ばかり言いましたが、福岡だってとってもいいところなんですよー!ただ、札幌の夏に一度慣れると後が大変だということが言いたかったのです。
それよりもなによりも、みなさんが無事に元気に夏を乗り越えられますように。
それでは、よい夏を! Polly(2019.7.29)