当記事は、2019年9月に筆者が現地を訪れた際の様子を元に作成し、その翌日に掲載開始したものです。
以後、できるだけ最新に近い情報をご紹介できるよう、追記・更新を重ねています。
(最新追記日:2020.4.5)
こんにちは! 自然散策好きの福岡市民、「しぜんfan」のPollyです。
今回は、福岡県粕屋郡篠栗町にある「篠栗九大の森」をご紹介したいと思います。 “篠栗町にある、九州大学農学部の演習林の森” です。
実は私、つい最近までこの場所のことを知りませんでした。なんでも数年前、この森にある水辺の森という場所が“インスタ映え”で一躍大人気になったそうですね。
当時のことをネットで調べてみると、確かにいろいろあがっている様子。人が来過ぎて、環境が荒らされて困っているという話もあったほどだったようです。
そう聞くと、どんな場所なのか見てみたくなるもの。そこで先日2019年9月4日(水)、早速出かけてまいりました!
実際に訪れてみて分かったこと、基本情報、写真たっぷりの現地レポートなどを当記事にまとめてみたいと思いますので、これから行くという方に少しでもお役立ていただければ幸いです。
では、いってみましょう!
目次
お出かけの基本情報
「篠栗九大の森」について
「篠栗九大の森」は九大農学部付属演習林の西端にあり、大学と篠栗町との共同管理の元、一般の人が自然と親しめるように開放された森林公園です。町内に6コースある「森林セラピー基地」の一つでもあります。
森の中心には農業用ため池の「蒲田(かまた)池」があり、その周囲をおよそ2kmのハイキングコースが整備されています。
同じ “池の周りの遊歩道” といっても、お隣り粕屋町の「駕与丁(かよいちょう)公園」とは一味違い、より自然に近い “森” ですので、しっかり野外活動の準備をして行きたい場所です。
大まかな位置
大まかな場所はこちら。濃い赤色の点線で囲んであるエリアが篠栗町で、★の付いているあたりが「篠栗九大の森」です。

篠栗町の中でもかなり福岡市や久山町、粕屋町寄りにあることが分かります。福岡インターにも近いですね。
公共交通機関でのアクセス
「篠栗九大の森」付近は公共交通機関が発達しているとは言い難く、やはり車でのアクセスが一番おすすめです。
とはいえ、皆が皆車で行けるわけではないと思うので、公共交通機関で行く方法も調べてみました。福岡市側から行く場合のご参考にどうぞ。
(※2019年9月5日現在の情報です→2020年4月5日更新済)
電車の場合
「福北ゆたか線」は、博多区の吉塚駅から篠栗、飯塚を経由して北九州方面へ伸びるJR路線です。特に嘉穂郡の桂川(けいせん)までの福岡寄りの部分を篠栗線と呼び、「門松」は、その篠栗線上の駅です。
時刻表を見たところ本数は多くなく、日中は1時間2本ペースのようです。快速は止まりませんのでご注意ください。
バスの場合
- 天神エリアから[74]で終点「上脇田」で下車(550円、始発「天神大和証券前」よりの乗車時間約47分)。バス停から約1km歩くか、タクシーに乗る。
- 天神高速バスターミナルから「筑豊特急バス」に乗り「糟屋警察署前」で下車(510円、始発「西鉄天神高速BT」よりの乗車時間約26分)。バス停から約2km歩くか、タクシーに乗る。
●「行先番号74」:この路線の時刻表がなぜかすぐには見つからなかったのですが、西鉄の公式サイトで出発地を「天神地区」にして時刻表を検索すると出てきました。本数はかなり少なく、日中は1~2本しかないようです。
●「筑豊特急バス」(福岡~飯塚・田川):西鉄HPの「特急バスのご案内」から時刻表や運賃を確認することができます。こちらは、少なくとも1時間に1本はあるようです。
どの方法も時間帯によって本数がまちまちですので、出発前にしっかり下調べしてみることを強くおすすめします。
駐車場情報
次は、車で行く場合の駐車場情報です。
下の図のように、篠栗九大の森には「北」と「南」と二か所の駐車場があります。
ここでは便宜上、勝手にそれぞれを「北駐車場」「南駐車場」としてご紹介することといたしましょう。

地図右下の太い青ラインが一般車道で、細い青ラインは敷地内の細い車道(砂利道)です。南駐車場のほうが車道に面していて入りやすような感じですね。
南駐車場の様子
その南駐車場を車道から見た様子がこちらです。

かなりきれいに整備されており、お手洗いと自販機も完備しています。
ちなみに、Googleマップで「篠栗九大の森」と出ている場所は、この「南駐車場」にあたります。
北駐車場の様子
一方の北駐車場は、門から入って砂利道を数100メートル進んだ先にあります。

こちらが、最近整備されたと思われる「北駐車場」の様子。トイレ・自販機はありませんが、広々としていて停めやすいです。
どちらの駐車場に停めるかの決め手は、
- 歩き始める前 or 歩き終わった後にトイレ・自販機があった方がいいのか(※南駐車場のトイレは、「篠栗九大の森」にある唯一のトイレです)
- インスタで話題になった「水辺の森」だけが狙いなのか、それとも池の周りを一周歩くのか
の2点だと思います。
もし「水辺の森」だけが狙いなのであれば、おすすめなのは断然この「北駐車場」。
北からのほうが、「水辺の森」までの距離が圧倒的に近いからです。サクサク歩けば7分前後で行くことができます。
一方、池の周りのハイキングコースを一周したいという場合は、どちらの駐車場に停めても問題なしです。北に停めたとしても、一周歩く過程でどのみち南駐車場を通りかかることになりますので、その際にトイレに立ち寄ることもできますよ。
なお、駐車場の利用時間は「朝6時から夕方5時まで(10~3月は朝7時~)」ですので、夏場の日の長い時期は時間を忘れぬよう要注意です。
コース情報
次は、コースの全体像を見てみましょう。先ほどのマップに、またいろいろ付け加えてみました。

黄色のラインが遊歩道で、●が遊歩道への入り口です。南駐車場奥の「南口」、同じく車道沿いの「北口」から少し入ったところ、そして「北駐車場」の横と、3ヶ所の入口があります。
ご覧の通り、コースには一部、一般車道(の歩道)が含まれるんですね。
私は今回、「北駐車場」に停め、その横の入口から森に入り、コースを時計回りに一周しましたので、ハイキングの後半で「南駐車場」を通りかかることになりました。これがかえって休憩場所としてちょうど良かったので、個人的には「北駐車場&時計回り」には大満足です。
コースの様子としては、地面は山道ではありますが、全体的にはなだらか。踏み固められていますし、“森”にしてはとても歩きやすいと感じました。
ただし、雨の後は多少ぬかるみます。マップ上でオレンジの破線にしてある部分は特に、わりと起伏があり、ちょっとした試練になる可能性ありです。
注意したいこと
そんな“ぬかるみ”の話の流れで、私が実際に行ってみて「これから行く人にぜひお知らせしたい!」と思ったことを、いくつかまとめてみたいと思います。
- 地面が粘土質の土なので、大雨の後はあちこちぬかるんでいる。雨天時や降雨直後は避けるのがベター。
- ヒールの靴やサンダルはNG。スニーカー以上の靴が望ましい。
- 虫が苦手な人は、なるべく道の真ん中を歩くべし。クモがいたるところでクモの巣を張っている。
- 蚊の数が尋常ではないので、虫よけスプレーなどの対策が必須! できれば夏でも長そで・長ズボンを。
- 黒い色には蚊が寄ってくるので危険! 黒以外の服を選ぼう。
雨の翌日だったせいもあるとは思いますが、とにかく蚊が多かったです。
数年の北国暮らしで、すっかり九州の蚊の脅威を忘れていた私は、丸腰で森の入り口に立ちました。すると、ものの1分で9か所刺されました。本当です。このままではとても森には入れないと思い、急いでコンビニに虫よけスプレーを買いに行きましたよ。
それでもわずかな隙をつかれ、眉毛の下と指の第二間接を刺されました。服の上からも刺されました。カメラ(黒)にも常時蚊がとまっていました。
今どきはいろいろな虫よけグッズがあるようですので、夏場は最大限の虫よけ対策をしてお出かけされることを全力でおすすめします!
また、同公園(?)は、蜂の巣撤去作業や伐採作業などで「臨時閉鎖」することもありますので、行く前には念のため篠栗町の公式HPで開園状況をチェックして行くと安心です。
そんなところで、基本情報のご紹介は以上となります。
現地レポート(北Pスタート・時計回り)
ここからは、私が実際に訪れた際の様子や感想を、写真とともにお伝えしていこうと思います。まずは、参考までに私が訪れた日時やコンディションを。
- 日時:2019年9月4日(水)午前11:30~
- 天気:くもり
- おおよその気温:最高32℃/最低24℃
- 交通手段:マイカー
- 現地滞在時間:約2時間半
「現地滞在時間」には、虫よけスプレーを買いに行った時間は含みません(笑) 写真を撮りながらゆっくり歩いて一周するのにかかった時間です。
ただ、私の場合はかなりの回数立ち止まったので、一般的には1時間半~2時間あれば一周するには十分ではないかと思います。
北駐車場~水辺の森
北駐車場をスタート
北駐車場のすぐ近くにあるこちらの入り口から森へ入ります。
入口付近には、いくつかの案内看板が立っており、利用にあたっての注意事項などが記載されています。
「入林者計測中。ゆっくりお通りください。」と書き添えられたカウンターもあり、管理が行き届いている印象を受けました。
緩やかな坂を下るとすぐ、T字路に出ます。突き当りを左に行くと「水辺の森」のようですので、左に行ってみることにします。

突き当りにある立て看板の裏側には “杖ボックス” があり、山歩きのお供として杖を自由にピックアップできるようになっています。使ったらまたボックスに戻すシステムのようですね。
私ははじめ、このボックスの存在に気付かなかったため杖は使いませんでしたが、確かにぬかるんだ道を行くときはあると便利だったかもしれません。道中、使っている人も結構見かけましたよ。
ただ、「水辺の森」までは目立ったぬかるみもなく歩きやすい道のりだったので、目的が「水辺の森」だけな場合は、特に杖は必要ないと思います。

もみじ広場に寄り道
少し行くと、左側に「もみじ広場」への小路がありましたので、ちらっと立ち寄ってみました。
広場には何組かのテーブルとイスがあり、休憩やピクニックに良さそうな場所でした。
篠栗町による案内ページによると「モミジバフウ(紅葉葉楓)」と「タイワンフウ(台湾楓)」 が植えてあるそうなので、紅葉の時期に立ち寄るとカラフルかもしれませんね。
以上、「もみじ広場」終了。本線に戻ります。

遊歩道沿いには100mごとに距離の目安となる案内板が設置されているので、現在地を把握できて安心です。
看板ごとに違う手書きの絵が描いてあるのもまた、味があっていい感じ。
水辺の森
人気の写真スポット「水辺の森」は、北駐車場の入口からざっと350mくらいのところにあります。
2019年9月4日の様子がこちら。

水無しでした。
本来ならばこれらの木々の根元が水に浸かっており、特に早朝のその幻想的な様子が「ジブリっぽい」とかで話題を呼んでいたはず。
しかし、先入観なしに行った私には水無しでも十分に魅力的な光景だと思いました。

この不思議な幹の形をした木は「ラクウショウ(落羽松)」もしくは「ヌマスギ」と呼ばれ、北アメリカ原産のヒノキ科の針葉樹だそうです(参考:Wikipedia)。
湿地や水辺など、根が水に浸かる環境を好むとのことなので、池の水が減っていることは彼らにとっても残念なことなんでしょうね。
引き続き遊歩道を歩きはじめると、しばらく右側にヌマスギのある風景を楽しめます。普段はなかなか見ないような雰囲気なので、眺めるだけでもけっこうリフレッシュできました。

本日久しぶりに再訪してみると、少なくとも昨年(2019年)11月までは干上がっていた池が生き返っていました!
祝・水位回復!

写真を撮りに来ている人も少なくないようで、周辺はマスク姿のカメラマンや観光客などで賑わっていました。
水位はこのまま保たれるのか、もっと上がるのか、また下がってしまうのか……先のことは分かりませんが、現状報告まで☺
北駐車場から時計回りする場合、このあたりで一周のうちの5分の1か6分の1です。もう満足したという人は、引き返すなら今がベスト・タイミング。
もちろん私はこのまま歩き続けることに。