こんにちは! 自然観光をこよなく愛する福岡市民、Pollyです。
今回のテーマは、「佐賀の街」。
まずはじめにお断りしておきたいのは、別に私が福岡市民だからといって、「佐賀がどんだけ田舎か見てやろう」というような意図の記事では決してないということです。都会より田舎が好きなクチですし。
ではなぜわざわざ佐賀の街をテーマにするのかというと、一番の理由は「物心ついてから一度も行ったことがなく、どんな感じなのかずっと気になっていたから」です。
何を隠そう、私の亡き父は佐賀県出身。しかし、実家が東部の三田川町(現・吉野ケ里町)だったため、里帰りをしても佐賀市内にまで足を延ばすことはほとんどなかったんです。
熊本の繁華街近くで生まれ育った母は都会至上主義で、「佐賀の市内やら何もなかばい」と小馬鹿にしている始末(すみません…)。
そんな背景もあり、もう長いこと、お墓参りに行く以外の目的で佐賀県に足を踏み入れることはありませんでした。
しかし、国内外各地を転々として多少の見聞も広まった今、先入観なしであらためて「佐賀」という場所に興味が湧いている今日この頃。今回はその手始めとして、バルーンフェスタを軸とした佐賀一人旅に行ってみたのでした。
そこで、せっかくなので当記事では、2019年10月31日(木)に初めて佐賀の街を歩いてみた際に見た風景や訪れた感想などをまとめてみたいと思います!
一個人が勝手にああだこうだと言ってるような記事ですが、私のように「佐賀の街ってどんな様子?」と思っている方、逆に「県外の人に佐賀の街はどう映るのか?」ということに興味のある佐賀の方、あるいは故郷を懐かしむ佐賀出身の方、お時間があればぜひお付き合いくださいませ。
では、いってみましょう!
目次
秋の佐賀を彩るイベント
まずは特記事項として、この時期ならではの街のイベントについて触れておきたいと思います。
バルーンフェスタ
正式名称は「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」。毎年秋に、市街地から5~6kmほどの距離にある「嘉瀬川河川敷」にて行われる熱気球競技の国際大会です。
40周年記念大会となる今年(2019年)は、10月31日(木)~11月4日(月・祝)に開催されました。
期間内はJRの特設駅「バルーンさが」が出現する他、各所に臨時駐車場が設けられ、市街地からもシャトルバスが運行。街なかでも関連イベントがあったりと、とにかく大賑わいを見せるようです。
私が訪れた日は大会初日でしたので、街中はバルーンフェスタムード一色。今から楽しむぞ~! というウキウキ感が漂っていました。

※バルーンフェスタの公式サイトはこちら:https://sibf.jp/
サガ・ライトファンタジー
こちらは、秋から冬にかけて市街地の夜を彩るイルミネーション・イベント。バルーンフェスタ開催前夜の点灯式を皮切りに、中央大通り(シンボルロード)を中心とした繁華街が夜間ライトアップされるそうです。
2019年シーズンの開催期間は、10月30日(水)~翌年1月13日(月)。

私は残念ながら点灯した様子を見ることはできませんでしたが、昼間でも電飾の数々があちらこちらで目立っていましたので、夜はさぞ賑やかになることでしょう。
※ライトファンタジーの公式サイトはこちら:http://www.sagalf.jp/main/
佐賀の街を初めて歩いた感想
私が佐賀の街を訪れたのは、そんな二つのイベントがちょうどスタートしたばかりの平日の昼間。かなり限定された条件での訪問となりましたが、まずは私個人が受けた街の印象についてまとめてみたいと思います。
当日は、バルーン通りから白山名店街のアーケードを抜け、中央大通りを佐賀駅まで北上し、北口の「北島」で丸ぼうろを買い、折り返して同じ道順を戻り、最後に「エスプラッツ」1Fのアスタラビスタ(スーパーマーケット)に寄るというコースで散策しました。
地図で見るとこんな感じ。

下(南)がエスプラッツやアーケード、上(北)がJR佐賀駅です。端から端までで、片道1.5kmほどの距離。
私は佐賀初心者ですので一番賑わっているのがどのあたりかがいまいち分からず、やはりメインストリートといえば駅前通りかな、と思ってこのルートを歩いてみた次第です。
今思うと、アーケードから県庁方面に向かった南側と、中央大通りの一本東側(Googleマップによると市役所通り・愛敬通り)も要チェックだったかも…?
という感じで、もちろん街の全てを見られたわけではないのですが、とりあえず今回のコースを歩いてみた感想はというと…
- 街は確かに小さく、人も車も少ない
- でも荒廃した(寂れた)感じはせず、リニューアルを続けている
- 古いものと新しいものが違和感なく混在
- 全体的に、渋くて上品な、落ち着いた雰囲気
- 郷土の歴史や文化を大切にしていることがよく伝わる
- ファッションやトレンドの中心地はどこ?
疑問点
トレンディーなことに興味のない地味なアラフォー女子の個人的な意見に過ぎませんが、私にはとても居心地の良い街に映りました。通り沿いの街路樹や花壇もきれいに手入れされていて、“こじんまりときれいな街” という印象。


ところどころに設置された地元の偉人たちの像&案内板がまた、知的好奇心をも程よく満たしてくれ、より楽しく散策することができました。
さりげなく地元の名物が街を彩っているところも素敵です。
街の感想を一言で言うならば、「玄人向け」でしょうか。玄人っていう言葉の意味も実はよく分かっていませんが(笑)、なんかそんな感じ。
でも逆に、遊びたい盛りの若者たちに言わせると「物足りない!」の一言かもしれませんね。10代後半から20代の頃って、やっぱりファッションやトレンドに多大な興味があると思うのですが、そういったことを楽しめるキラキラした場所は少ないのかな? と感じました。
佐賀ではむしろ、ゆめタウンとかドンキとかがあるあたり(県道34号線沿い)のほうが賑わっているのか。それとも、久留米や鳥栖、福岡方面に繰り出すのか。
今どきはネット通販もありますから、買い物面は意外とそれで事足りるのかもしれませんけど、気合を入れてオシャレして出かける “社交場” 的なところは欲しいですもんね。特に若いうちは。
参考までに、佐賀市の令和元年10月末時点での人口は「232,580人」とのこと。対して福岡市は「1594,721人」、熊本市は「739,393人」、長崎市は「417,050人」(参考:各市公式サイト)。佐賀市は、九州8県の中でも一番人口の低い県庁所在地となっているようです。
個人的には、福岡市の人口がそんなに増えていたことにびっくり。
佐賀の街そぞろ歩きレポート
それではここからは、私が見た街の風景を順にご紹介していきたいと思います。
アーケード街
佐賀の街についての私の最初の発見は、「佐賀にはアーケードがある」ということでした。「バルーン通り」と「白山(しらやま)名店街」の二つが連結しているようです。
「エスプラッツ」という複合施設とパチンコ店の間からバルーン通りに入り、散策開始。


ステンドグラス調の天井を引き立てる演出なのか(?)、昼間でも薄暗いバルーン通り。食事店などが1~2軒はあったようでしたが、基本的にはひっそりしていました。
エスプラッツの角に差し掛かったところで何やらかっこいい語り口が聞こえてくると思ったら、FMラジオ局を発見。

「えびすFM」というコミュニティFMのようです。恵比須像の数が日本一という噂のある佐賀らしいネーミング。ラジオ局があると、繁華街っていう感じがしますね。
バルーン通りを抜けて白山名店街に入ると、一気に天井が賑やかに。

バルーンフェスタ時期だけの特別な飾り付けでしょうか。“青空に浮かぶカラフルなバルーンたち” というイメージを表すために(※勝手な推測です)、青空模様のバルーンもいっしょにたくさん浮かべるというアイデアに、私は感服しました。
すごく好きです、この感じ。
アーケード内には、シャッターの下りたお店の合間を埋めるように、書店、靴屋、着物店など、昔ながらの個人商店がいくつか営業していました。
新しめの雰囲気の居酒屋・食事処なども点在していますが、ランチタイムにも関わらず、人通りはまばら。


ただただ、陽気な「やぎさんゆうびん」のメロディが長閑に響き渡っています。
道端に立っていた説明案内板によると、このアーケードが通っている道筋は、江戸時代に長崎と小倉を結んでいた「長崎街道」という街道の一部だったそうで、当時は多くの人や物で賑わったんだとか。
今はさほど賑わってはいないわけですが、歴史を越えて、商店街になるべくしてなった場所なんですね。
せっかく空き店舗が多いなら、若い人がどんどん出店にチャレンジできるような環境になれば、商店街がまた賑やかになって面白そうだなぁと妄想したりして歩いていると、バーが立ち並ぶ路地を発見。

いい雰囲気です。こういう感じ、外国人は絶対好きなはず。
その他、アーケード内にはバルーンフェスタサテライトイベントの案内板が設置されていました。
バルーンフェスタ開催期間中の5日間、街なかでも様々なイベントがあるようです。あらためて、街を挙げての一大イベントなんだということが分かりますね。
写真には収めていませんが、アーケード出口近くには「ジョブカフェSAGA」(ヤングハローワーク)がありました。ハローワークの類は、例えば福岡市であればエルガーラあたりにあり、大抵は人が来やすいところにあるものだと思いますので、やはりこのあたりは佐賀市の中心部に入っているということなのかなぁ、と思ったり。
最後にひとつ、私が感心したのが「無料Wi-Fi」。

こういう時代の流れをしっかり押さえているのは素晴らしいと思います。特に外国からの訪問客には、Wi-Fiはとても大事ですからね!
中央大通り(西サイド)
白山名店街を後にし、中央通りに出ました。

ここからJR佐賀駅まで、道の左側(西側)を歩いて北上したいと思います。
歩き始めるとほどなくして、佐賀の偉人、森永太一郎さんと江崎利一さんに遭遇。

「森永製菓」の創始者・森永太一郎さん(1865-1937)は伊万里市出身で、「江崎グリコ」の創業者・江崎利一さん(1882-1980)は佐賀市出身。
日本を代表する製菓メーカーの創始者二人が佐賀県出身だったなんて、知りませんでした。佐賀って実はすごいかも。
偉人たちは、これからも街頭に続々と登場します。
また、通り沿いにはすごくノスタルジックな雰囲気を醸し出す店も多数。

単に古いものもあれば、意識してわざと古いものを取り込んでいるお店もあり、この辺りが私が「渋い街だな~」と思った由縁です。
初めての佐賀の街がとにかく新鮮で、きょろきょろしながら歩いていると、周囲は次第に現代風に。

見慣れたチェーン店の看板も出始め、大きな交差点も出現!

おおーっ! 舗装がめっちゃきれいですが、わりと最近工事が終わったばかりなんでしょうか? ここを軽トラが爆走して行ったときは笑っちゃいました(笑)
初めて見る佐賀の市営バスも新鮮。交差点付近にはバス停があるようです。

交差点を渡ると、角には謎の像。

「黙行」と書いてあります。これは、佐賀市生まれの美術家・古賀忠雄さん(1903-1979)の作品なんだそう。佐賀の人って銅像が好きなんでしょうか。
さらに少し歩くと、前方には佐賀駅南口が見えてきました。

街なかで初めてのコンビニはファミリーマート。ちょっと寄ってみたのですが、店内には「セルフレジ」がありましたよ。
ちなみに、駅構内にあるコンビニもファミマで、北口にあるのもファミマです。少し歩けばローソンやセブンもあるようですが、駅周辺はファミマが独占しているようですね。
ところでこのファミマ前のスクランブル交差点なんですが、私の中ではかなりフォトジェニックなスポットでした。

青空によく映えて、まるで外国。この「MODE BLDG.5」なるビルがいつからここにあるのか、ずっとこの写真が貼ってあるのか、いろいろ気になるところです。
佐賀駅南口の様子
さて、駅周辺はどんな様子でしょうか。

まず目に付いたのは、大手ビジネスホテルチェーンの建物です。
南口には「ルートイン」と「東横イン」、北口のほうには「コンフォートホテル」がありました。先ほどのフォトジェニック交差点の先には「アパホテル」も見えましたし、けっこう有名どころが揃っています。さすが県庁所在地。

駅前にはけっこう広めの駐車場があり、「60分毎200円、20分以内無料」と書いてありました。このあたりはやはり、小さめな街ならではの良心価格ですね。
この後北口にも出てみてなんとなく思ったのですが、佐賀駅の南口は博多駅でいうと筑紫口、北口は博多口のような雰囲気、かもしれません。南口側には居酒屋やカラオケ店が目立ち、北口側は落ち着いた雰囲気だったので、なんとなくそう思いました。
映画「悪人」のロケ地
次は、駅の真ん前にある広場に来てみました。


見どころ案内マップには、佐賀駅から城内の御堀までのエリアが南北にずらりと載っています。やはり、白山名店街から南(玉屋、県庁、佐賀城公園など)も重要だったようです。
佐賀駅周辺には「路上喫煙禁止地区」が設置されているらしく、駅前広場の片隅には喫煙スペースが設けられていました。
出張中のサラリーメンなのか、キャリーケースを引いたスーツの男性たちが入れ替わり立ち代わりやってきて、チラチラと腕時計に目をやりながら渋い顔で一服していきます。
そんな喫煙エリアの斜向かいには、なんと映画のロケ地がありました。2010年の日本映画『悪人』です。

何年も前に見たことがあるのですが、深津絵里と妻夫木聡が主演だったことと、すごく暗~い映画だったことしか覚えてません(笑)
この場所では、2人が待ち合わせをして初めて会うシーンが撮影されたそうで、2人が実際に立ったり座ったりした位置には白いマークが付けられていました。

赤が深津さん、青が妻夫木さんです(マークがかなり薄れていたため、写真にペイントで書き足しました)。映画公開当時、何人もの人がここで再現写真を撮ったんでしょうかね。
実は今、この記事を書きながらプライムビデオで『悪人』を探し出して観てみているのですが、満島ひかりと岡田将生も出てたんですね! 主演の二人は九州出身だそうですが、大物俳優陣のみなさんも全員九州弁で喋っているのがまた嬉しいです。
ちなみに、佐賀駅が出てくるのは、0:38:00からの約2分間でしたよ。イチョウが黄色でしたので、ちょうど今くらいの季節だったようです。
さて、駅前レポートに戻りまして、こちらの勇ましい銅像は何者でしょう。

詳細を見てみたところ、像のタイトルは「面浮立之像」。「佐賀葉がくれ第一ライオンズクラブ」が昭和55年、創立5周年の記念事業として佐賀市長にプレゼントしたんだそう。
めんうきたち? 佐賀の方なら当然知っているのだと思われますが、私にとっては「なんじゃそりゃ」です。
裏の説明文を読んでみると、この面浮立(めんぶりゅう)というのは、県内各地に伝わる民俗芸能のことなんですね。鬼面を付けた踊り手たちが、雨乞いや悪霊退散、収穫感謝などのために勇壮に群舞する野外芸能なんだそうです。
知りませんでした。おかげさまで、佐賀についての知識がまた一つ増えました。
駅構内の雰囲気
構内の様子も少し覗いてみましょう。


先ほど歩いてきた道のりの静けさが嘘のような賑わいです。改札近くの天井にはバルーンの飾り付けがありますね。
構内にはJR九州おなじみの「えきマチ1丁目」が入っており、中央ホールを挟んで西館と東館に分かれていました。
西館の入口には観光案内所があるほか、多目的スペースにはバルーンフェスタ関連のパンフレットがずらりと並べてありました。佐賀観光前の情報収集に立ち寄るとよさそうです。
東館のほうには土産物店街や書店、薬局、ミスドやロッテリア、うどん屋などがあり、どちらかというと西館より東館のほうが賑わっている様子。

このミスドの感じ、博多駅筑紫口を彷彿とさせます。こちらも待ち合わせによく使われるのでしょうか。
構内をじっくり探検はしませんでしたが、想像より多くの人々で賑わっていた佐賀駅でした。
佐賀駅北口の様子
北口のほうでは、道を渡ってすぐのところにあった「北島」(丸ぼうろの老舗店)に寄っただけですので、特にコメントはなし(笑)
ぱっと見たところ、ラーメン店や居酒屋の一角がある他、ファミマ、予備校、信金、オフィスビルなどが並んでいるようでした。

かなり静かな様子ですので、やはり正面といえば南口のほうなのでしょうかね。
さて、ここからは再び駅構内を突っ切って南口に戻り、中央大通りを先ほどとは反対側の歩道でアーケードに向かいたいと思います。
中央大通り(東サイド)
戻って参りました、中央大通り。ここは、駅南口を出てすぐの交差点です。

やはり駅の南口周辺はだいぶ賑やかな雰囲気。

↑ この写真の辺りは、若者なら必ず来そうな場所ですね。ここから左(東)に入ったあたりにも居酒屋が何軒かあるようでしたので、もしかすると、一本筋違いに入ればまた全然違った様相なのかもしれません。
1ブロック先には、先ほどの大きな交差点。(行きに黙行の像を見た交差点です)

この交差点東側で特筆すべきは「駅前まちかど広場」、私の中での通称 “先人広場” です。
駅前まちかど広場

生身の人間が寛ぐ場所よりも、先人たちの寛ぐ場所のほうが多いのではないかというくらい、偉人像が密集しています。なんだここは。

よく見ると、プレートには「備前さが幕末維新博覧会」と書いてあります。開催期間は2018年3月17日~2019年1月14日。ということは、博覧会の開催は終わっているけれど、その際に使ったモニュメント(銅像)はそのまま残してあるということなんですね。(この日は2019年10月31日です)
県による同博覧会の公式サイトに軽く目を通してみると、鍋島直正が第十代藩主だった幕末・明治維新期の佐賀藩は、「大胆な教育改革による人材育成」と「最先端の科学技術の導入」により、明治維新の先駆的役割を果たしたんだそうです。
時代を切り開いた偉人たちの業績を知り、その志を未来へ繋げていこうというテーマと、地域への誇りや愛着を育もうというテーマと、二本柱で開催されたイベントだったようです。
散策の序盤で見かけた銅像たちも、全員がこのイベントのメンバーだったというわけですね。なるほど。
先人の総メンバーは25名で、開催期間中は224万人の来場者数があったそうです。素晴らしく中身のある試みで、私は「素晴らしい!」と思いました。興味のある方は、こちらの公式サイトを覗いてみてください:https://www.saga-hizen150.com/


北海道在住経験のある一個人としては、北海道開拓の父・島義勇(しまよしたけ)さんがお仲間と元気に議論されている様子を見られたことは非常に嬉しかったです。島さんの銅像は札幌市役所と北海道神宮にもありますので、札幌旅行の際にはぜひ。
中央大通り(東サイド)続き
先人広場から交差点を渡ると、大きなバス停がありました。

時刻表を見てみると本数は1時間に1~2本、路線によっては3本といった感じでした。やっぱ車社会なんでしょうかね。そういえば、中央大通り沿いにはコインパーキングがたくさん点在していました。
バス停の側にあったイルミネーションの電球がミッキーの形で可愛かったです。
さらに南に向かって歩みを進めていると、中学生らしき賑やかな自転車集団が続々と通過していきました。

繁華街が通学路になっているあたりが、あえて言わせていただければ “田舎” です(笑) ヘルメットを被った子も見かけましたし、博多・天神ではあまり(ほとんど)見ない光景ですね。
しばし南下を続けると、先ほどの「駅前まちかど広場」に続き、「唐人町まちかど広場」という広場もありました。

こちらには、小城出身の書家・中林梧竹(なかばやしごちく)さん(1827-1913)がいらっしゃいました。北京の書家・藩存への師事経験もあるという「明治三筆」の一人で、その芸術性豊かな書風で明治書壇に新風を吹き込んだ人なんだそうです。(参考:像の横の説明案内文)
晩年は富士山頂に「鎮國之山」と書いた(刻んだ)銅碑を建立したそうで、その複製が梧竹さんの故郷・小城市の天山8合目に佇んでいるそうですよ。(参考:小城市公式サイト内「鎮國之山銅碑を天山8合目に設置しました」)
今日だけでもうだいぶ、佐賀についての知識が増えた気がします。 観光してる感満載!
広場の隣りには、唐人恵比須像とオシャレカフェ「TOJIN茶屋」がありました。公衆トイレもあるようです。

この辺りから、街並みがすごくハイセンスに。
傍らの案内看板によると、「LINK TOWN」という商業エリアになっているようです。店舗リストには「Paul Smith」の文字も。

先ほどまで、若者たちの集まる場所はどこなのかと疑問に思っていましたが、この唐人町付近は、確実にオシャレキッズが集まって来そうな雰囲気。
佐賀の人って、色合いとかデザインとか、街づくりのセンスいいなぁと思います。
さらに少し進んだところには、また別の広場が。こちらは「サガ・ライトファンタジー」の見どころの一つとなる場所のようで、イルミネーションの電飾が多数設置されていました。
カボチャの馬車に光のトンネル。カップルにもファミリーにも大人気そうですね。週末の夜には、写真を撮るために何組もの人々が順番待ちをしている光景が目に浮かびます。
ここまで中央大通りの左右両サイドを歩いてみて、見どころの多いのは圧倒的に東サイドだということが分かりました。なんか、写真を撮るのにも忙しかったです。
次々と現れる先人像にも慣れてきたところで、初の女性偉人が登場。

左に立っておられる黒田チカさん(1884-1968)は、日本初の女性理学博士だそうです。佐賀市出身。お隣の志田林三郎さん(1855-1892)は、多久市出身の “日本の電気工学の祖” だそう。
公式サイトによると、25体の偉人モニュメントの中で女性なのは、この黒田チカさんと、長崎県大村市出身の近代教育者・石井筆子さん(1861-1944)の二人です。筆子さんは佐賀市出身の社会事業家・石井亮一さんの奥様で、夫婦ともに日本初の知的障がい児教育・福祉に努められたということで、揃ってメンバーに加わっているようです。
さて、ここまで南下して来れば、白山名店街アーケードはもう目と鼻の先。

脇から斜めにアーケード内に入り、スタート地点のエスプラッツ周辺に戻りたいと思います。

相変わらず、「やぎさんゆうびん」の流れるアーケード内はひっそりとしていました。
エスプラッツ周辺
最後に、エスプラッツの周囲もぐるりと散策。
私ははじめ、エスプラッツのことをファッションビルだと想像していたのですが、そうではなく「複合文化施設」でした。

買い物をするというと、スーパーマーケットや薬局といった生活直結型のものしかなく、メインは「佐賀市観光交流プラザ」や「佐賀新聞文化センター」、「子育て支援センター」や保育園、各種クリニック、行政関係など。
豊かな市民生活のための施設というイメージでしょうか。(エスプラッツ公式サイトはこちら)
周辺にはカフェやレストランがたくさんあり、私が受けた印象としては、駅前の “分かりやすい賑やかさ” と違って、もっと落ち着いた雰囲気です。

通りの雰囲気もどことなくシックで、歩き回ればたくさん素敵なお店があるんだろうなぁ、という感じ。この周辺は、住所的には中央本町や呉服元町のようです。
近くには「656広場(むつごろう広場)」という多目的交流広場もあり、 “新しい佐賀の街づくり” をけん引するような注目エリアなのかもしれません。
以上で私の “そぞろ歩きレポート” は終了です。
何の下調べもなくぶらっと歩いてみただけの今回の訪問でしたが、なんとなくでも佐賀の街の雰囲気を味わえ、思ったより楽しい時間となりました。
今度はまた玉屋や佐賀城跡あたりを散策しに、ぜひまた訪れたいと思います!
おわりに―もっと知りたい、佐賀!
ここまで、とりとめもなく私が見た街の様子をご紹介して参りましたが、何かしらをお伝えすることができたでしょうか。
佐賀市近郊にお住いの方々が地元のことをどう感じているかは分からないのですが、県外にはうちの母のように、「佐賀はただの田舎」「畑しかない」「何の印象もない」「はなわとがばいばあちゃんしか聞いたことない」などなど、よく知らないのに佐賀のことを軽んじる人がいるのは事実。
(そうは言っても母は丸ぼうろや黒棒が大好きですし、祐徳稲荷や嬉野温泉のことなども褒め称えていますので、愛情のある “いじり” なんだと私は受け止めています。)
私も、なんとなく知った気になって、佐賀の魅力を知ろうとしないまま長いこと過ごしてきました。
しかし今回初めて佐賀平野エリアを観光してみて、「めっちゃいいとこやん!」ということに気付くことができ、大変感動しております。
豊かな自然というだけでなく、それが深い歴史や文化と繋がっていて、なんとなく高尚で芸術的な雰囲気もあり、味のある土地柄だと感じました。
人口が少なく農業が盛んで “田舎” なことを逆手にとって、これからは「佐賀の時代」が来るかもしれませんよ! 本気でそう思っているほど、今ではすっかり佐賀ファンです。
みなさんも、次のお出かけは肥前・佐賀なんていかがでしょうか☺
それでは、これにて本記事を締めくくりといたします。最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
Polly