【自然名所#14】鹿児島市内からJR日帰りで!開聞岳登山レポート[指宿市]




こんにちは!自然観光好きの福岡市民、「しぜんfan」のPollyです。

今回は、「青春18きっぷ」を利用して3泊4日の鹿児島旅行に出かけた際のアクティビティから、開聞岳登山レポートをお送りしたいと思います!

といっても私は登山経験が豊富というわけでもなく、開聞岳に行くのも登るのも今回が初めて。一人旅で、おまけに交通手段は電車

宿を出発したときは「どうなることやら」という感じでしたが、なんとか無事に登山を楽しみ、路頭に迷うこともなく、その日のうちに鹿児島市街地へ戻ることもできました。

開聞岳頂上、背景は池田湖(16:07)

当日(2020年3月18日)の天気は曇り、最高気温19℃前後、最低気温は8℃前後。あいにく晴天とはいかないながらも、頂上からの眺望の美しさや開放感は「素晴らしい!」の一言

特に、湖好きの私にとっては、九州最大の湖であり、国内4位の深さを持つ「池田湖」を眺めることができたことが最高に嬉しかったです☺

当記事では、

  • 鹿児島市内から往復JRで開聞岳登山できる?
  • 登山前に荷物を預けられるロッカーはある?
  • 平均的なアラフォー女子が初めて登ってみた感想や所要時間

とったポイントを中心に、私が現地に行ってみて分かったことをまとめてみたいと思いますので、開聞岳登山を計画中の方々の情報収集に少しでもお役に立てれば幸いです。

それでは早速、いってみましょう!



開聞岳(かいもんだけ)とは

まずは、広域地図で開聞岳の位置を確認してみましょう。

© OpenStreetMap contributors

開聞岳は、薩摩半島の最南端、指宿市の南西部にあります。指宿市街地から約15km、鹿児島市街地からは50~60kmほど。

九州に6つある「日本百名山のうちの一つで、その形状は富士山と同じ、円錐状の成層火山(トロコニーデ型火山)です。その姿から、「薩摩富士」とも呼ばれるそう。

指宿枕崎線の車窓より

富士山の標高は3,776mですが、開聞岳の標高はその約4分の1の「924m」。はるかに手の届きやすいそのサイズ感は、ぜひ登ってみたい!と思わせるものなのではないでしょうか。

また、開聞岳は広大な霧島錦江湾国立公園の一部であり、麓の登山口周辺にはキャンプ場やレクレーション施設を備えた「かいもん山麓ふれあい公園」があります。

普通列車でのアクセス

開聞岳の麓へは車で行くのが一番メジャーであると思われ、公共交通機関を使う場合でも、旅行者ならば指宿に前泊・後泊して臨むというケースが多いのかもしれません。

私のように鹿児島市内から往復したい場合は、おそらくレンタカーを借りてしまうのが一番手っ取り早くて便利です。そうすれば、周辺の観光スポットも巡ることができますし。

他にも「バス」という手もあるかもしれませんが(参考リンク:いぶすき観光ネット>指宿市内の交通情報)、ここでは「JRの普通列車」を利用する場合についてご紹介いたします。

JRで行く場合、登山口への最寄り駅は指宿枕崎線の開聞駅で、鹿児島中央駅からの乗車時間は1時間40分~2時間ほど、2020年3月時点での片道運賃は1,310円です。

JR九州の時刻表より

※鹿児島中央駅から指宿駅までは、特急列車を利用するという手もあります。詳しくはJR九州公式ページ「特急 指宿のたまて箱」をご覧ください。

行き

2020年3月14日運用開始の時刻表で調べたところ、日帰り登山をする場合に往路に使える普通列車には、以下の3パターンがあるようです。

  鹿児島中央発 山川着 山川発 開聞着
その1 4:51 6:02 6:11 6:32
その2 6:20 7:33 7:36 7:57
その3 10:02 12:03

「その3」は乗り換えなしですので、山川駅の発着時間はあえて記載しておりません。

私は、今こうしてあらためて調べてみると「その2」が良かったなぁと思うのですが、当時はその存在をうっかり見落としてしまっており、「その3」で向かいました。

行きの道中では「西大山」という、全国のJR駅の中でも一番南に位置するという駅を通ります。

山川駅の次の次です

「その3」に乗ってしまった私にはこの駅で降りるという選択肢はないと思っていたのですが、ラッキーなことに電車がここで2分ほど停車してくれ、おかげで1枚パチリとカメラに収めることができました。

西大山駅のホームにて

電車が過ぎ去れば、ホームの奥には開聞岳がバーンと見えるロケーションで、観光客に人気の撮影スポットなんだそうです。この日も、乗客の半数以上がここで降りて行きました。

がんばって早起きして「その1」と「その2」を組み合わせれば、登山前に西大山駅でゆっくり過ごすことも可能ですね。

帰り

登山後の復路はというと、同じく2020年3月14日以降の最新ダイヤでは、以下の4本が候補となります。

開聞発
14:1516:4519:3221:01(最終)

開聞駅にて乗車後は、山川で乗り換えるか、指宿で乗り換えるか、など様々のパターンがありますので、ここでは開聞駅発車時刻だけを記載しています。

帰りの時間については、現地での滞在時間によるところも大きいですので、次は「登山の所要時間」についてみてみましょう。

登山時間の目安

開聞岳の登山口は、駅からおよそ1.7km離れたところにあります。歩いて25~30分でしょうか。

そして、現地の案内看板によると、成人の登山の平均所要時間は往復5時間半なんだそうです。(登り3時間、下り2時間半)

登山口の案内板

参考までに、体力は割とあるが貧血気味のアラフォー女子である私の場合は、登り3時間+頂上での休憩20分+下り1時間50分で「往復5時間10分」でした。

これに駅から登山口までの往復にかかる時間を足しますので、現地での滞在時間には、少なくとも登山時間+1時間はみておく必要があると思います。

私は12:03に開聞駅に着き、登山後は19:32の電車で鹿児島市内へ戻ったので、現地では7時間半の自由時間があったわけですが、適度な余裕もあり、なんだかんだでいい塩梅でしたよ。

ただし、登山道は主に東斜面にあり、暗くなるのが早いですので、9月~3月の間は12:03着での登山は避けるべきだと思います。私の行った3月18日は、本当にぎりぎりでした。

3/18、19時過ぎの開聞駅

17時には暗くなりはじめ、18時半にはすっかり夜。

開聞岳の登山道には石ころや岩が無数にあり、ハシゴやロープを使う箇所も頻発します。気を抜くと大怪我に繋がるような、ヒヤッとする場面の一度や二度、必ずあるだろうというような道のりです。

辺りが薄暗くなってくると誰もいなくなりますし、けっこう怖いんです…。

そういった意味では、昼間でも天候次第では登山道は薄暗くなることがあると思われますので、小型のトーチやヘッドライトを携行していると安心かもしれません☺

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持ち物・服装について

トーチライトの話も出たことですし、この流れで「持ち物」について私の思ったこと・気付いたことをご紹介したいと思います。

冒頭でもお伝えした通り、私は登山が趣味というほどの者ではありませんので、手元に本格的な登山用の装備が揃っているわけではありません。

そこで、誰にでも用意できるであろうもので、これだけあれば最低限は安心!と思ったものを列記いたします。(雨予報のない日を想定)

靴底が滑りにくい、しっかりした運動靴 岩や小石で足元が滑りやすいので、やはりトレッキングシューズがベスト
伸縮性が良く動きやすい服 後半はほぼ全身を使った“岩登り”になりますので、動きやすさは必須。けが防止のためにも、肌が出ない服装で
ウィンドブレーカーなどの上着 必要ないかもと思っても、一枚あると重宝するかも
替えのTシャツやロンT 汗をかいたまま頂上の風に吹かれ、風邪を引いてもいけませんので
滑り止めの付いた手袋(軍手など) 岩や木を掴むときに便利。転倒時のけが防止にもなります
帽子 日よけだけでなく、小枝などから頭を守ることもできます
水かスポーツドリンク(最低1L) できるだけ軽くてかさばらない方がいいので、「いろはす」のペットボトル(500ml)なんかいいかも
魔法瓶(サーモ)に入れた暖かい飲み物 頂上で休憩中、ちょっと肌寒いときにあると嬉しいはず
軽食 エネルギー補給のために、おにぎりやナッツ、チョコレートなど、お好みで
タオル 主に汗対策に
ポケットティッシュ 山には一切トイレがありませんので、万が一のため…
バンドエイド 特に下りは転倒しやすいので、あると安心だと思います
スマホ・携帯電話 仲間とはぐれた、事故に遭った、迷った…など、もしものときの通信用としても重要
小型トーチライト(あれば) 悪天候時や、もしもの日没時に備えて

これらがあれば、とりあえずは心配ないのではないでしょうか。伸縮タイプや折りたたみタイプのストック(トレッキングポール)があればもっといいと思います。

私は持っていませんが、あれ、ちょっと憧れてるんですよね…。“登山家”っぽくてかっこいいですし。

とにかく、「なるべく身軽に、でも手(気)は抜かずという気持ちで臨むといいのではないかと思います!

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荷物用ロッカーは「開聞支庁」にあり

次は、「もし山には持っていきたくない荷物がある場合はどうするか」という話に移りたいと思います。

例えば私は、3泊4日分の荷物一式とともに開聞駅に降り立ちました。かなりコンパクトにまとめたバックパックではありましたが、それを背負って登山など、できれば遠慮したいもの。

来る前は、駅か駅周辺にコインロッカーがあるだろうから、そこに入れて行こうと軽く考えていたのですが……見事に駅舎のない駅だったんですよね。

ホームから少し離れたところに、屋根付きの小さな待合ベンチと男女共用の小さなトイレ、そして観光案内マップがあるのみでした。

そんな中で目に付いたのがこちらの案内看板。

どうやら、近隣にある指宿市役所開聞支所というところにロッカーがある様子です。他に頼るものもありませんので、早速行ってみることに。

駅の敷地を出てすぐ右に曲がって300mほど先、信号のある交差点の手前右手にあるこちらの建物が「開聞支所」です。

指宿市役所開聞支所外観
指宿市役所開聞支所外観

入口の自動ドアには、

レンタサイクル来客用ロッカーご利用のお客様へ

  • 開庁の時は、地域振興課(正面入り口の右奥)へおこし下さい。
  • 閉庁の時は、庁舎西側の警備員室へおこし下さい。

と書かれた案内があり、また、玄関に設置されたロッカーそのものにも、

来客用ロッカー

  • カギの保管は利用者の責任でお願いします。(紛失の場合は弁償して頂きます。)
  • 17時以降に利用される時は、警備員室へおこし下さい。

という貼り紙がありました。

利用時間や曜日に制限なく無料でお借りできるということのようで、本当に助かりますね。どうもありがとうございます!

ロッカーの使用時間が閉庁後にかかる場合は、地域振興課さんから警備室の方へ引き継ぎ連絡をされることと思われますので、利用時は必ず声掛けをするようにしましょう



登山レポート

ロッカーのカギを大事にしまい、身軽になったところで、いよいよ登山口へ向けて出発!

ということでここからは、実際の登山の様子をレポートいたします。

登山口まで

登山口へは、開聞支庁横の交差点からゲートをくぐり、山の方向へ道なりに進んで行きます。

開聞支庁横の交差点

開聞中学校を過ぎ、赤い鳥居のある「天の岩屋供養塔群」を過ぎ、先ほどの交差点から1kmほど歩いたところで、行先をちょっと迷うかもしれない分岐点に行き当たります。

それがこちら。

真っ直ぐ進み、前方の細い道に入るとそのまま登山口に直行することになるのですが(途中に最後のトイレチャンスあり)、太い車道に沿って道なりに右へ曲がると、「かいもん山麓ふれあい公園の中央管理棟へ立ち寄ることができます。

この中央管理棟は、開聞岳登山の玄関口としての役割も担っており、登山道の情報を確認することができる他、トイレ、シャワー、コインランドリー、有料コインロッカー(4つ)、公衆電話、そして売店も兼ね備えているという場所です。

中央管理棟の外観(3/18、18:30)

私は、自分が訪問した当日時点ではそのあたりまで理解しておらず、あれよあれよと登山口に直行してしまったのですが、登山者記帳所もこちらの管理棟にあったんだそうです。

登山口に置いてくれればいいのに…(心の声)

というわけで、みなさんは必ず中央管理棟で登山届に記帳してから登山口に向かってください

また、こちらでは登山証明書(100円)や登山バッジ、同公園のキャラクター・かもんちゃんのグッズも販売しているようですよ。

営業時間などの詳細は、「いぶすき観光ネット」内の公式ページ「中央管理棟(および売店)」をご覧ください。

登山口(2合目)~5合目

準備が整ったら、いよいよ開聞岳登山のはじまりです。

登山口には、「ここは2合目 あと3.5km」とあります。既にもう2合目なんて、ちょっと得した気分ですが、いつ1合目を過ぎたのでしょうか(笑)

駅にあった案内マップを見返してみると、どうやら先ほど私が“行先を迷うかもしれない”とご紹介したあの分岐点が1合目だった、かもしれません。

ともかく、この登山口付近の標高は、Googleマップによると「152m」ですので、これから頂上まで3.5kmの距離をかけて772mの高さを登るというわけですね!

この先、5合目までは比較的歩きやすい道のりですので、徐々にギアを入れていくイメージで、まずは5合目を一段落ポイントとして目指すと良いのではないかと思います。

4合目手前の登山道の様子

2.5合目、4合目、そして5合目には座って休憩できるベンチも設置されていましたよ。

ところでこの「」というのは、どの山でも、単純に頂上までの距離を等間隔に10で割ったものではなく、体力的なキツさや難易度によって感覚的に区切られたものなんだそうですね。

大抵は、上に行くほど次の合への距離は短くなっていくんだとか。

この開聞岳は、1合の距離はだいたい400~500mくらいになっているようで、個人的には“一合進むのに20分”というペースを目安に登っていけたように思います。

というわけで、およそ1時間で5合目まで到着

5合目には素晴らしい眺めの広がる展望台があり、小休止には最高の場所です。

5合目の絶景展望台

こちらがその眺望。ピカピカの快晴でないのが残念ですが、「ここまで登って来て良かった~!」という爽快感を味わうには申し分ない絶景です。

方角的には、正面に位置するのはおそらく「山川」あたりでしょうか。さらにその奥には大隅半島まで見渡せ、左端には池田湖も半分くらいは見えます。

私はここで景色を楽しみながら水を飲み、おやつのチョコレートもかじりました。

もし何かしらの理由で頂上までは行かれないという場合も、5合目まで登るだけでも、素晴らしいアクティビティになると思います