【自然名所レポート#10】雰囲気ありすぎ!名水百選の清水の滝と清水観音[佐賀県小城市]




みなさんこんにちは! 自然観光ファンの福岡市民、Pollyです。

今回のレポートの舞台は、小城羊羹でも有名な佐賀県小城(おぎ)市です!

実は私の亡き父は佐賀出身。今でもお墓参りにはちょくちょく行けど、思えば佐賀県内で観光という観光をしたことがなく、小城を訪ねるのも今回が初めてでした。

その小城市、住んでいる方々にはいつもの風景なのかもしれませんが、山景色の美しいこと!

移動中に前を通った「須賀神社」も気になりましたし、「天山」もいつか歩いてみたいし、私の中ではかなり好印象な場所でした。

そんな初訪問で私が訪れたのは、名水百選にも選定されているという「清水の滝」と、佐賀平野の絶景が期待できそうな「千葉公園展望台」。

中でも当記事では、2019年10月30日(水)に清水の滝行ってみて分かったこと実際の様子などを、たくさんの写真とともにお伝えしていきたいと思います。

これから行く予定の方、行こうかどうか検討中の方の参考にでもなれば幸いです。きれいな滝でしたよ。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします!



清水の滝の大まかな位置

まずは清水の滝と、ついでに千葉公園も、その所在地をざっくりと地図で見てみましょう。

いずれも「もうちょっとで佐賀平野かな!」という、山と平野との境目近くにあります。

清水の滝、千葉公園、バルーンフェスタ会場の位置関係
© OpenStreetMap contributors

この佐賀平野、私の住んでいる福岡市からは「三瀬峠」か「東背振」を越えるか、はたまた鳥栖経由でぐるりと周って行かねばならず、出かけるのにはなかなか気合いの要るエリア。

それを今回「行ってみよう!」となったきっかけは、「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」です。佐賀が世界に誇る秋の一大風物詩ですね!

福岡市の自宅を昼過ぎに出発し、くねくね山道の三瀬峠を越え、はるばる小城に着いたのが14時半過ぎ。

どんな滝が見られるのかを楽しみに、充電満タンのカメラとともに滝へと向かったのでした。

清水の滝を知るための3つの基礎知識

まずは、実際に清水の滝を訪れてみて「これは重要だな」と思った基礎情報3点をご紹介したいと思います。

① 名水百選

一つ目は、先ほども話に出てきた「名水百選」です。

ご存じの方は読み飛ばしていただきたいのですが、名水百選というのは、環境省が全国の湧水・河川・地下水の中から選定した “名水処” のことです。

昭和60年(1985年)の “昭和の百選” と、平成20年(2008年)の ”平成の百選” と、合わせて200ヵ所の名水が選定されています。

47都道府県から最低一ヵ所ずつは選ばれていて、選定数が一番少ない県は、大阪府の「1」。選定数が一番多いのは、富山県と熊本県の「8」。

佐賀県からは「2」つが選定されていて、一つが西松浦郡有田町の「竜門の清水」、あと一つがこの清水の滝のある「清水川」となっています。

全国の200分の1と思うと、それだけでも行ってみたくなるのは私だけではないはず!

② 清水山宝地院(清水観音)

この清水の滝が有名な理由は、名水百選だけではありません。

現地に立っていた案内板によると “観世音菩薩信仰と滝うけ行の霊場” としても有名なんだそうで、この滝は「清水山見瀧寺宝地院」、通称「清水観音」というお寺とセットで存在しているようです。

そしてこのお寺は「九州四国三十三観音霊場二十一番札所」でもあるとのこと。

佐賀・清水観音への参道入口付近の様子
参道入口付近の案内板

寺関係に疎い私にとっては「?」が飛び交うのですが、Wikipediaによるとこの「九州西国三十三箇所」というのは、九州の福岡・佐賀・長崎・大分・熊本の5県にまたがる観音霊場のこと。 “四国” は「しこく」ではなく「さいごく」と読みます。

そして、その二十一番札所である「清水山見瀧寺宝地院」は、元は西暦803年(平安初期)に桓武天皇の勅命によって開基された道場で、当時はいくつもの僧房があり、大勢のお坊さんが住んでいたそうです。しかし、のちに戦乱によって焼失。

焼失したのがいつだったのかは不明ですが、その後の1627年、佐賀藩主・鍋島勝茂とその息子である小城藩主・鍋島元茂が鹿狩りをしていた際にこの滝を見つけ、新たに観世音菩薩を迎えて清水山を再興したとのこと。それが今でも残っているというわけです。

以上、案内板の内容を分かりやすく要約してみたのですが、何しろ文章が難解で…だいたいこんな感じだと思います(笑)

とにかく、滝の近くには歴史の古いお寺があるということが分かりました。

ちなみにこのお寺の宗派は天台宗だそうです。

③ 清水鯉料理

基本情報の三つ目は、「鯉料理」です。

滝の周辺には何軒もの鯉料理店が立ち並んでおり、鯉が名物なんだということが見て取れます。

こちらについても現地に立っていた難解な案内板を解読してみると、1894年(明治27年)、参詣者の宿泊所を開こうと考えた深川忠左ェ門という人が、当時の住職さんに夕食のメニューについて相談したところ、「そういえばうちん親父が若っかころ信濃に研修に行ったとき、夕飯に鯉の洗いやら鯉こくやらが出て美味かったって話ばしよったことがあったばい。そればやってみたらどがん?」と提案されたことが始まりだったとか。(セリフは適当です)

それから忠左ェ門さんをはじめとする旅籠の主人たちが試行錯誤して鯉料理を研究した結果、「清水の鯉の洗いは臭みがなく、食感も良く、自家製味噌を使った鯉こくも美味しい!」と評判になっていったんだそう。

さらにすごいのが、当時の旅籠「深松屋」「滝見屋」「清水屋」などは、清水鯉料理の老舗として今でも続いているということです。

今回私は滝見物だけで終わりましたが、お好きな方は伝統の鯉料理も合わせて楽しむことができる観光地なんですね。



訪問前のお役立ち事前情報

「清水の滝」の周辺には思いがけずに深い歴史があるということが分かったところで、次は訪問前に知っておくと便利な実用的事前情報をご案内します。

駐車場の場所

清水の滝の最寄り駐車場は、県道44号線から鯉料理店が立ち並ぶ細い坂を300mほど上がったところにあります。

© OpenStreetMap contributors

実際の駐車場の様子はこちら。

佐賀・清水の滝駐車場の様子

上下二段あり、合わせてざっと30台くらいは停められそうな広さです。私の訪問時は平日の昼間とあってかどちらもガラガラ。停め放題でした。

実は駐車場はもう一ヵ所、坂の下の44号線沿いにも広いところがあるようなのですが、よほど大型車でない限りは、最寄り駐車場といえば今ご紹介したこちらになるようです。

滝までのルート紹介

駐車場から滝までは、徒歩400mほどです。ルートが二通りあり、それぞれに特徴がかなり違っています。

ここでは便宜上、オレンジと黄色で色分けをしてご紹介します。

佐賀県小城市 清水の滝へのルート
© OpenStreetMap contributors

オレンジルート(石段ルート)の特徴

  • 階段(石段)だらけ
  • 「清水山宝地院」の本堂である「清水観音堂」の前を通る
  • 本堂の横には名水百選の源流が流れ落ちる “手洗い処” がある
  • ちょっとした展望台もある

オレンジルートは本堂への参道で、ほとんどが石段です。道中には本堂だけでなく「仁王門」や謎の「歯の供養塔」(記事内で後述)、「動物救済観世音菩薩」、何の神社か分かりませんが鳥居なども並び、それっぽい雰囲気満載。

黄色ルート(平坦ルート)の特徴

  • 前半の数十メートルの坂を除いては、ほぼずっと平坦
  • 三度ほど橋を渡るので、道中で川景色を楽しむことができる
  • 車椅子やベビーカーを押して滝の近くまで行くことが可能

対して黄色ルートの方は、平和な散策コース。基本的にはずっと、平坦な石畳の道が続いています。最後のほうに石段が8段ほどあり、本当に滝の間近に行くにはそれを上らなければなりませんが、そこまでは基本的にバリアフリーです。

楽なのは黄色のほうですが、せっかくならば参道も歩いてみたいところ。ということで、ループ状に一周するのがおすすめです。

ちなみに私は行きは黄色、帰りはオレンジで行きましたので記事もその順でご紹介しますが、どちらかというと逆に、行きに石段ルート→帰りに平坦ルート」の方がお参りの順序を踏んでいてベターなのかもしれません。

観光の所要時間

私は写真を取りながらゆっくり見て回ったため、トータルで1時間40分ほどかかったのですが、通常の成人ペースでは1時間あればちょうどいいくらいではないかと思います。

また、滝の向きからして、なるべく日の高い時間帯に訪れたほうが滝に日が当たってきれいに見えるのではないかと思います。

トイレの場所

上の地図でもご紹介してある通り、トイレは平坦ルート(黄色ルート)の始まり付近にあります。

かなり古い様子の建物ですが、ありがたいことにトイレットペーパーはちゃんと備わっていました。(川が近いからか、湿気を帯びてしっとりしてましたけど。)

滝側にはお手洗いはありませんので、心配な方は先に済ませておくと安心です。

清水の滝観光レポート

ではようやくここから、現地の様子をお伝えしていきたいと思います!



平坦ルートの様子

平坦ルートは、この橋で清水川を越えるところから始まります。

上流のほうだからか、思ったより水量は多くない印象。これから、この川のさらに上流にある滝を見に行くということですね。

早速渡ってみましょう!

小川を眺めながら橋を渡り、緩やかな登り坂を少し歩くと、二つ目、三つ目と次々と橋が出てきます。

三つ目のアーチ型の石橋を越えると、まもなく滝が見えてきます。

清水の滝周辺の様子

佐賀・清水の滝

ちょっと見えづらいかもしれませんが、上の写真左側に写っているあの階段が、先出の「ルート紹介」でお話した8段の石段です。

手前で対岸に渡れば、石段を回避してもっと滝に近づくことができたのですが、2019年8月末の大雨の被害により橋のうちのひとつが立入禁止になっており、少なくとも2019年10月30日現在では、あの石段を登らなければ先に進めない構造となっています。

詳細は、小城市公式サイト内「清水の滝」で確認することができますので、近況についてはそちらをご確認ください。

ここでは、さらに滝に近寄ってみることにします。

佐賀・清水の滝の石段
佐賀・清水の滝 全景

↑ 全体像がこちら。高さ75mのところから、ほぼ垂直に流れ落ちているそうです。学校にある25mプールが3個分ということになりますが、下から見上げているせいか、そんなに高いような気はしません。

滝つぼの前にも通路が整備されていて、周囲をうろうろできる自由度はかなり高めと感じました。

佐賀・清水の滝 滝つぼ

滝うけ行の霊場ということで、今でもここで修行する人がいるのかどうかは分かりませんが、その雰囲気は満点。

でも、滝の前の「不動明王」(一番大きな赤っぽい像)の右の観音様に頭がないのがちょっと怖い…。

佐賀県小城市 清水の滝の不動明王と観音像

昨年の同時期に訪れた方のブログ写真には首はありましたので、この一年の間になくなってしまったということでしょうか。

また、滝に向かって右側には、倉永清雄(きよたけ)さんという佐賀藩士を祀った石碑があります。

なんで祀ってあるかというと、自分の藩主の病気が治るようにと願をかけて、数週間に渡る断食をした後、真冬の夜に滝うけ行をして凍死してしまったから。26歳だったそうです。

藩主の病気は治ったんでしょうか…治ってたらいいですね…。

滝から続く小川には、澄んだ清流が絶えず静かに流れていました。

佐賀・清水の滝から流れ出る清水
佐賀・清水の滝前の東屋

先ほど歩いてきた道と小川を挟んで反対側には大きな東屋があり、休憩したりお弁当を食べたりするのに良さそうですが、夏は蚊はすごそうですね…。

佐賀・清水の滝

東屋側から見る滝も画になる感じできれいでした。

清水観音観光レポート

石段を登って清水観音堂へ

階段ルート(オレンジルート)は、滝に向かって左側の丘を越えるようにして設置されています。

滝から清水観音堂までの間は、ひたすら上り階段。といっても100段あるかないかくらいですので、すぐ着きます。

佐賀・清水の滝 階段ルートの様子

私が滝周辺で見かけた2組の観光客は、今の私とは逆に階段から滝に降りて来ましたので、やはり「行きは階段、帰りは平坦」というのが定番コースなのかもしれません。

さて、丘の頂上にあるこちらが清水観音堂です。

佐賀県小城市 清水観音堂外観

周囲にはたくさんの観音像があり、苔むした感じがまた、歴史ある雰囲気を醸し出していました。

私は寺にはあまり興味がないため、寺についての感想は「……」なのですが、ここで他に気になったのが「手洗い処」と「展望広場」です。

まず手洗い処。この場所自体には明記されていませんでしたが、ふもとの案内板によると、この水が「名水百選の源流(ウマイ水)」のようです。

佐賀県小城市 清水観音堂の手洗い処

訪れた際はよく分かっていなかったため、手を洗うだけで終わってしまいました。飲んでみれば良かった、と今になって少しだけ後悔。

次に気になったのが、こちらの展望台です。

この写真を撮ったのは10月末の16:20頃で、すでに日がたいぶ傾き始めていましたが、もうすこし早い時間であればもっといい眺めだったかもしれません。

まさか展望台があるとは全く期待していなかったため、少し得した気分になりました。



参道の様子

清水観音を出て正面の階段を下りると、後はずっと緩やかな下りが続きます。

佐賀県小城市 清水観音参道の様子

その道中にもよく分からない御堂や観音像が並んでいるのですが、中でも目を引いたのがこちら、「歯の供養塔」です。

佐賀県小城市 清水観音 歯の供養塔

その碑文をまじまじ読んでみると…

顧みるに戦後の食生活の変動は急激な歯牙疾患の多発を伴い一大国民病と言はれるまでになった。われわれはこれを深く憂慮しかねてから口腔衛生思想啓発のために歯の供養塔建立の発願を起していたがこのたび清水山宝地院のご厚意により漸くここにその実現を見ることになった。われわれは不幸にして歯牙疾患のため抜歯の止むなきに至った歯の霊を慰め併せて人々の歯の健康を祈念するものである。

願はくはここに回向し自らの歯の健康に努められんことを。

昭和五十二年六月四日建立

小城多久地区歯科医師会

とあり、下には20名の歯科医師名が刻まれています。

要約で済ませようと思っていたのですが、全文を読んでみると心に刺さるものがあり、謹んで全文をそのまま掲載させていただきました。

歯医者さんたちも仕事だから日々歯を抜いたり削ったりしているけれど、実は心を痛めていたりするんだな、とこれを見てひしひしと感じました。

自分の歯、大事にしよう

としみじみしているうちに、あっという間に参道の終わり(始まり)である「仁王門」に到着。

佐賀県小城市 宝地院仁王門

小ぶりながらも迫力のある赤い門なのですが、個人的にはその手前に立っている杉の木のほうに惹かれました。

佐賀県小城市 清水観音参道 仁王門周辺

『さが名木100選』なるものに選定されている「宝地院のスギ」。推定樹齢500年、樹高40.2m、幹回り5.2mとあります。

さが名木100選 宝地院のスギ

駐車場のほうにも推定樹齢200年のイチョウの木がありましたし、樹木好きにはより楽しめる観光地かもしれませんね。

清水山宝地院仁王門
道路側から見た仁王門

仁王門をくぐり、駐車場前の道路に戻ってきました。これをもって、清水の滝の観光レポートを終了といたします。

おつかれさまでした!

おわりに

今回の記事を書いていて思ったのは、「清水の滝っていろいろ背負ってるなぁ」ということです。

私が現地で知り得ただけでもざっと、九州西国三十三観音霊場、病気平癒祈願の滝行で亡くなった若者、歯科医師たちの願い、土用の丑、鯉の供養など……首のない観音像を思い出すと余計、ちょっと霊的な(?)感じのする場所かもしれません。

って私は霊感ゼロですが。

また、参道の方はおそらく名水百選に認定された昭和60年以降ほとんどリニューアルされておらず、全体的に寂れた感じ、もしくは荒んだ感じがします。

というわけで、“雰囲気のある感じ” が苦手な方は、少なくとも天気の悪い日や夜には行かない方がいい、かもしれません。

歴史があれば物が古いのは当然ですし、ある意味では自然に任せていていいと思いますけどね! 滝の姿もとてもよかったです。

また機会があれば、もっと光り輝く滝を見られるよう、今度は日が高い正午前後に訪問してみたいと思います。

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!

ではまた☺ Polly

清水の滝・清水山宝地院の観音像群

※記事内の写真はすべて、2019年10月30日に撮影したものです。