こんにちは! 旅と自然がテーマのフォトログ「しぜんfan」のPollyです。
今回の記事のトピックは、福岡市東区にある香椎宮の「流鏑馬(やぶさめ)神事」です。
このイベント、「行ってみたら思ったより楽しくて、結局最後まで見たよ」という人も多いのではないでしょうか。私もその一人で、少なくとも見た直後の今は「来年も見たい!!」と思っています。
でも行く前は、香椎宮の中のどこでどんな風に行われるのかイメージできず、腰が重くなっていたのも事実。
そこで今回は、「気にはなってたけどまだ行かず仕舞いだなー」という人に向けて、行ってみて分かったことをご報告してみようと思います。もちろん、ちょうど観光で来福中の方、今年初めてイベントの存在を知ったという方にも参考にしていただける内容かと思います。
知り合いが「こんなんやったよ~」と言ってるくらいの信憑性レベルで参考にしていただければ幸いです。
それでは、よろしくお願いいたします!
目次
流鏑馬神事とは
まずはざっくり、「流鏑馬」について調べてみました。
流鏑馬とは、走る馬の上から的に向かって矢を放つ日本の伝統的な「騎射」の一種で、平安時代後期から鎌倉時代の武士の間で盛んに行われていた修練法なんだそうです。
それが今でも儀式・神事やスポーツとして残っており、一般人にとって一番身近に見ることができるのが、今回の香椎宮のように、神社で神事として執り行われるものです。
流鏑馬の特徴としては、
- 綾藺笠(あやいがさ)、弓懸(ゆがけ)、弓籠手(ゆごて)、行縢(むかばき)を着けた狩装束の射手が登場する
- 約220mの直線の馬場沿いに3つの的が並んでおり、射手は馬で駆けながら、それらを順に射る
- 「鏑矢(かぶらや)」(風を切って音を立てるように作られた矢)を使う
という感じのようです。(参考:コトバンク「流鏑馬」、wikipedia「流鏑馬」)
他の神社ではどうなのか分かりませんが、香椎宮では射手3人が3回ずつ走りますので、計27回の射的があるということですね。
肝心の神事の目的ですが、香椎宮の公式ホームページによると、“射手大将国家安泰、五穀豊穣の祈念”だそうです。秋の収穫祈願祭、といった感じでしょうか。(参考:香椎宮公式ホームページ「流鏑馬について」)
香椎宮の流鏑馬の所要時間は?
香椎宮の流鏑馬は、毎年10月の第2もしくは第3日曜に斎行される「秋季氏子大祭」の神事のうちの一つです。
2019年は、10月20日(日)に執り行われました。
大祭のスケジュールは以下の通りで、流鏑馬は13時からでした。私が知る限りでは、これは例年のことです。
- 午前10時~:大祭(香椎宮本殿):奉納神事(踏歌・獅子楽・柳生新影流兵法)
- 午後12時~:参拝式(社務所~斎場~本殿)
- 午後1時~:流鏑馬(香椎宮グラウンド)
流鏑馬終了のアナウンスがあったのが13:35頃でしたので、今年(2019)の例では、流鏑馬の所要時間は約35分でした。
香椎宮の流鏑馬が行われる場所
次は、流鏑馬の催行場所についてです。
香椎宮の案内によると「香椎宮グラウンド」となっていますが、具体的にはどの辺なんでしょうか。地図を出してみましょう。

赤い斜線のエリアが流鏑馬の催行場所です。第一駐車場とグラウンドの上半分を続けて細長~く使う、という感じですね。
下半分は、グラウンドまで全部が駐車場となっていました。
射的の流れ
さらに詳しく会場内を図解すると、こんな風になります。拙い手書きですみません(笑)

向かって左上が社務所、下方向がバス通りです。
馬は、スタート前はテントの左側に控えていて、自分の順番が来るとまず①までカッポカッポ歩いて行って、①の的を射ます。
その後一旦テント横に戻り、矢の準備をし、今度は一気に加速をし、走りながら②→③と射ていきます。
二段階なんです。
そして、3人ともがそれを終えると、みんなで一列になってカッポカッポとスタートに戻ってきます。
それが3セットあるということですね。
おすすめの見物場所
どのあたりで見物するのがいいかというと、個人的には②の的あたりかな、と思いました。そうすれば、①を射るところも、加速してきて②を射るところも、続けて③を射るところも見られます。
しかし、スピードに乗って疾走するかっこいい馬を見たい場合は、やはり③に近いほうがいいのではないかと思います。
そのあたりは好みや観客の混み具合にもよると思いますので、参考までにどうぞ。
ちなみにお客さんの数は、すごい多いということもないけど、少なくもないという感じでした。しかしながら、お好きなスポットで最前列で見ようと思えば、やはり開始時刻の13時よりは早めにスタンバイしておいたほうがいいと思います。
当日の様子レポート
ではここからは、当日の様子を少しだけご紹介していきたいと思います。
会場まで
私は、3号線から参道を徒歩で向かいました。

香椎宮といえば、やっぱり参道。この並木なくしては香椎宮ではないといっても過言ではありませんよね。



菖蒲池の大木も健在です。
「弁財天社」の前を通り過ぎ、「参拝者休憩所」の横から駐車場に入ると、テントのすぐ横に出ます。
私が着いたのは13時の数分前でしたが、既にたくさんの観客がカメラを構えており、射手の方々も既に馬上に上がっておられました。

馬場に来る前は本宮でお祓いをしたりもするようです。
この後、本番を前に馬場を流しで走ったりしていましたので、実際に神事が始まったのは13:05くらいだったと思います。
流鏑馬神事の様子
本番中、馬が走っている最中は動画ばかり撮っていたため、ここで躍動感のある写真はご紹介できませんが、撮れたものの中から雰囲気だけでもお伝えできるものをセレクトしてみます。
ちなみに私は、①と②の間をうろうろしていました。
まずは、①の的に向かうところ。

これが、平安後期~鎌倉時代の武士の狩装束なんですね。足を覆っている鹿の毛皮のようなものが「行縢(むかばき)」と呼ばれるものだと思います。頭に被っているのが「綾藺笠(あやいがさ)」でしょうか。
凛々しくてかっこいいです。
次は、①の的を射るところです。

これまたかっこいいです。
「鏑矢(かぶらや)」の風を切る音なのか、射たときの衝撃によるものなのか、命中したときは「ドーン」(バーン、かな?)という大きな音がします。また、矢を放つ反動で馬がちょっと跳ね上がったりもしていました。
涼し気に見えて、実際はすごく力が必要なんでしょうね、きっと。
射終わって、奥から戻ってくる様子はこちら。

颯爽としていて、これまたかっこいいです。
神事中はお宮の方のマイクによるアナウンスがあり、射手の方のお名前紹介などもあります。
「三番目の方と一番目の方は親子です」とか、「ただいまの三番目の方は17歳です」とか、ちょこちょこ耳より情報(?)を挟んでくれ、観客も「おお~」と驚きや感心の反応を見せているのがまたよかったです。
見事命中したときも、大きな拍手と歓声が上がります。
神事の最後には「みなさんにご挨拶を」と、拍手に包まれながら馬場を一巡りしてくれ、そのときの様子もまた威風堂々。

馬が駆ける様や馬上で弓矢を射る様子がかっこいいというのもありますが、的を射たときに観客から沸き起こる歓声や拍手も臨場感満載で、始めは「ちょっとだけ、どんなもんか見ればいっか」と思っていたのに結局最後まで見ているような、見ごたえのあるイベント(神事)でした。
駐車場の様子
最後に、神事の後の駐車場の様子も少し。
駐車場出入口は、終了直後は下の写真のように渋滞気味でしたが、それも5分ほどで解消しました。

いつもの香椎宮駐車場の様子を気に留めたことはありませんでしたのではっきりとは分かりませんが、普段よりはだいぶ多く停まっていたのではないでしょうか。
駐車場には自販機やトイレもあります。
テントの側に戻ってみると、ちょうど馬たちが引き上げていくところに遭遇。

帰り行く馬たちと、地面に落ちたニンジンを見届け、本記事も終了といたします。最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
おわりに
ここまで、「香椎宮秋季氏子大祭」の「流鏑馬」の様子や初めて行ってみた感想をお伝えして参りましたが、当日の雰囲気を少しでも感じていただけたでしょうか。
今まで、存在は知りつつも行かず仕舞いになっていた流鏑馬でしたが、今回行ってみて素直に楽しかったです。もし行くかどうか決めかねている、という方がいらっしゃれば、私は「時間があるなら行ってみる」ことをおすすめしますよ!
1500年近くも続いてきた日本の伝統武芸ですから、何かしら心に響くものがあるのではないかな、と思います。
それではまた! Polly

※当記事内の情報および写真は、2019年10月20日現在のものです。