こんにちは。観光旅行好きの福岡市民、「しぜんfan」のPollyです。
今回は、先月2020年8月に初めて訪問してみた長崎県壱岐市を舞台に、その様子をお伝えする観光レポートを作成してみたいと思います!
旅行会社(阪急交通社)の日帰りツアーを利用しての観光でしたので、“旅行記”というよりは、さらっとした“写真付き感想文”のようになりそうですが、
- 旅行会社の日帰りツアーではどんな観光地を回るのか
- 各観光地の様子
- ツアーに参加した感想
などをお伝えして参りますので、壱岐旅行について下調べ中のあなたに、少しでもお役立ていただければ幸いです。
目次
旅の概要
これは、私が今回利用した「阪急交通社」以外の旅行会社にも共通することですが、壱岐への日帰りツアーの大まかなスケジュールは以下のようになっています。
- 出航の30分ほど前に博多ふ頭フェリーターミナルに集合
- 博多港を10:00(10:20)出航
- 壱岐・郷ノ浦港に12:20(12:40)着
- 宿泊施設で昼食(うに飯や壱岐牛、刺身など)
- 観光地を5ヶ所前後バスで回る
- 郷ノ浦港を17:45(18:00)発
- 博多港に20:10(20:25)着、解散
フェリーの時間が日にちや時期によって若干異なっており、私が行った日は「博多港10:20発・20:25着」でした。
博多港から郷ノ浦港までの距離は約76km、片道の乗船時間は「2時間20分」です。
ジェットフォイルという水上ジェット機であれば片道1時間ちょっとで済むのですが、料金の兼ね合いなのか、時間的にちょうどいい便がないのか、日帰りツアーではほとんどがフェリー利用となるようです。

博多港から壱岐・郷ノ浦港までのフェリー乗船レポートあります☺
郷ノ浦港に到着してまた帰りのフェリーに乗るまで、現地滞在時間は約5時間。これは昼食も含めての時間です。
特に食後のバス移動では眠気に誘われて目を瞑る人が続出しますが、せっかく海を渡ってはるばる訪れたのです。短時間で最大限に壱岐の風景を満喫するためにも、目は開けておきましょう!
ツアーで回る観光地(阪急の場合)
次に気になるのが、現地ではどんな観光地を巡るのか、ということですよね。
阪急交通社の場合、公式スケジュール表に載っているのは以下の6ヶ所です。

- 国民宿舎 壱岐島荘(昼食)・湯ノ本湾
- 猿岩・黒崎砲台跡
- 壱岐の蔵酒造
- はらほげ地蔵
- 一支国博物館
- 原の辻遺跡(車窓)
※赤字は食事、青字は下車観光、緑字は車窓観光
上記の観光スポットは諸事情により変わることもあるようです。実際、私が参加した8月中旬は❸「壱岐の蔵」がお盆休みだったため、代わりに「壱岐の華」に行きました。
というわけで、当記事の現地レポートには「壱岐の蔵」さんは載っておりませんので、あらかじめご了承くださいませ。
車窓観光についても、リスト上では「原の辻遺跡」だけとなっていますが、バス移動中になにかしら他の名所を通りかかることがあればガイドさんが説明してくれたりもするので、私のときはプラス3ヶ所くらいは“車窓観光”した気分になれましたよ。
阪急さんを含め、壱岐への日帰りツアーを行っている主な旅行会社5社のプラン内容について、こちらの記事にまとめてみました。比較検討にご活用ください。
8月中旬の現地レポート
それではここからは、私が訪れた当日の各地の様子をお伝えしてまいります。

ご覧の通りピカピカの快晴で、いつもは九州本土よりも涼しいという壱岐でも、最高気温33℃を記録したという真夏日でした。
フェリーを降りると、添乗員さんに付いてぞろぞろとバス乗り場へ向かい、壱岐交通さんの大型観光バスに乗車。

上の写真の奥に停まっているのがその観光バスです。手前に停まっているのは同じく壱岐交通の路線バスで、表には「海水浴場行」の行先表示。後で調べてみると、石田ビーチエリア(錦浜、大浜、筒城浜)へ向かうバスだったようです。
その他、船を降りてすぐにレンタカーのチラシを配る若いお兄さんたちもいました。
個人旅行を計画するとしたら、やっぱり自家用車をフェリーに積んでいかなきゃ不便かな、などと勝手に想像していたのですが、全然そんなことせずとも何とかなりそうですね。
さて、バスはいよいよ最初の目的地、昼食会場の「壱岐島荘(いきじまそう)」へ向けて出発!

湯ノ本湾
壱岐島荘は、「湯ノ本湾」に面した小さな温泉街・湯ノ本温泉にあります。郷ノ浦港からは距離にして約10km。20分ほどのトライブです。
初めての壱岐の景色にワクワクしながら車窓にかじりつく間、バス車内では添乗員さんからこの後の流れについて説明があり、ガイドさん・運転士さんの紹介があり…
島の人口や学校の数、人々の暮らしぶりなど、壱岐についての概要を話してくれるのもこの区間だったと思います。地元のガイドさんのお話って、リアリティ満載で本当に興味深いですよね。
そうこうしつつ、そろそろ壱岐島荘に着くかというところで左手に広がるのが、湯ノ本湾の絶景です。
平成天皇&美智子さまが皇太子・皇太子妃だった頃の昭和44年、お二人が壱岐に足を運ばれ、この景色を見て「松島のようですね」と仰ったんだそうですよ。
バス右側の座席の方も、食事の後で再びこの道を通りますのでご安心を!
日没時の景色が有名なようですので、個人旅行であれば、同じく西岸にある「猿岩」とセットでサンセットドライブも良さそうですね。
壱岐島荘で昼食
壱岐島荘に到着すると、入り口でスリッパに履き替え、2階の大広間へ案内されました。
昼食の目玉は、壱岐牛の陶板焼き、うにまぜご飯、そして新鮮なお刺身。


主役の料理はもちろんどれも美味だったのですが、なぜか印象に残っているのは「壱州豆腐」や「あおさの味噌汁」などの脇役たち。素朴な味わいが、空きっ腹に染みわたりました。
全品いただくとけっこうなボリュームになりますので、好きなものを最後にとっておく派の人は要注意です(笑)
食後は、1階の売店でお買い物する時間が設けられていました。早いうちにお土産を確保して安心したい方には、ここでの調達がおすすめ!

猿岩・黒崎砲台跡
壱岐島荘を出発し、美しい島の風景を眺めながら次に向かったのは、壱岐島の最西端にある「黒崎半島」です。

二期作の壱岐ではこの時期、刈り取り間近の黄金の畑も見られ、山の深い緑&畑のフレッシュグリーン&海のエメラルドグリーン&空の青と、素晴らしく爽やかでした。
さてこの黒崎半島ですが、景勝地なだけでなく、実は戦争遺産でもあります。
どういうことかというと、第二次世界大戦時、東洋一の砲台といわれた「黒崎砲台」があった場所であり、その砲台跡が今でも残っているんです。猿岩と同じ「黒崎園地」にあり、併せて見学可能です。

何でもこの砲台は、対馬海峡を航行する艦船を攻撃する目的で設置されたんだそうですが、実際は一度試射されただけで、実戦で使われることはなかったとか。(参考:ながさき旅ネット「黒崎砲台跡」)
福岡のことをよく“アジアとの玄関口”だとか言いますが、壱岐や対馬はそのまた最前線だったんだなぁと実感。
とにかく、いかに大きな砲台だったかを窺わせる場所でした。
壱岐を代表する人気者である「猿岩」のほうは、本当に猿みたいな形をしていてビックリ。
どうせ「言われてみればまぁ…」的なものかと思っていたので、ここまでしっかり造形されているとは。
この黒崎半島とはまた別の、郷ノ浦側の半島には「微笑むゴリラ岩」なるものもあるそうで、レンタカーを借りての個人旅行であればそちらも絶対に見に行きたいところですね!
※関連リンク:『ほほ笑むゴリラ 壱岐市の奇岩 知名度がじわじわ向上』(長崎新聞、2020.4.15)
また、黒崎園地の駐車場には「お猿のかご屋」という売店があり、お土産やアイスクリームなどが売ってある他、黒崎砲台の歴史についての説明版もありました。せっかくならば寄ってみて損はないお店だと思います。

壱岐の酒造
本来の阪急さんの行程であれば、猿岩の次は「壱岐の蔵酒造」なのですが、私の参加した日はお盆休みだったため、代わりに「壱岐の華酒造」に立ち寄りました。

いずれにしても、工場見学をしたり商品を購入したりできますので、焼酎に興味のある方にはうれしいひと時なのかもしれません。が、焼酎にとんと興味のない私には右から左。
ここでご紹介できる内容も写真も何もございません(笑)
ただ、「壱岐は麦焼酎発祥の地である」「壱岐には7ヵ所の蔵元がある」ということだけは新たな知識として身に付きました。
試飲もできますので、お好きな方はお楽しみに☺
はらほげ地蔵
お次は猿岩と並んで人気な壱岐の観光スポット、「はらほげ地蔵」です。

「はらほげ」の「はら」は「腹」、「ほげ」は方言で「(穴が)開いた、開いている」という意味。腹(胸)のところに丸い穴が開いていることからそう呼ばれるんだそうです。
なぜ穴が開いているかと言うと、「お供えものを格納するため」のようです。というのも、これらのお地蔵さんたちは、満潮になると海に浸かるような場所に立っているのです。
いろいろ曰く付きのようですが、明治時代の「神仏分離令」で首がなくなった過去もあるそうで、小さいながらも逞しく佇んでいる様子が印象的でした。(今ではコンクリートのようなもので形だけの頭が付いています。)
みなさんが行くのは満潮のときでしょうか、干潮のときでしょうか。
小島神社(車窓)
「小島神社」は、はらほげ地蔵から「一支国博物館」に向かう途中に通り過ぎただけのスポットです。
ガイドさんによると、“壱岐のモンサンミッシェル”と称され、近ごろ新たに人気を集めているそうですので、ここでもちょこっとだけ載せてみることにしました。
「壱岐観光ナビ」の同神社紹介ページによると、“干潮時の前後、数時間だけ海から参道が現れて歩いて参拝することができる”んだとか。
こちらもまた、個人旅行であれば干潮の時間を調べた上で立ち寄ってみたいスポットですね!
◆壱岐市立一支国博物館
実質最後の下車観光スポットとなるのが、「一支国(いきこく)博物館」です。
私は正直、壱岐の歴史のことなんて全く考えずにここまで来ましたが、「壱岐ってこんなに深い歴史があったんだ!」ということを教えてくれるのがこの博物館です。
旅行会社のツアーであれば必ずと言っていいほど旅程に組み込まれていますが、個人旅行の場合でも、「少々気が向かなくても寄った方がいいですよ!」と声を大にして言いたい。
かの有名な国の特別史跡、佐賀の「吉野ヶ里遺跡」や静岡の「登呂遺跡」は弥生時代の遺跡ですが、実は壱岐にも「原の辻遺跡」という、同じく弥生時代の特別史跡があったんですね!
原の辻は、「一支国」の王都だったとされる場所なんだとか。
となるともちろん、大陸や倭国、邪馬台国などとも関係があったわけで、まさに“太古のロマン”的な世界。
建物はあの黒川紀章さんのデザインといいますし、4階の展望台からの景色も、壱岐に来たからには絶対に見ておきたい眺めだと思います。
噂の「原の辻遺跡(復元公園)」もばっちり望むことができますよ。
また、館内1階のジオラマ模型展示も必見です。本当に素晴らしく作り込まれており、じっくり見入ってしまうこと間違いなし。

その中ではたくさんの人形たちが表情豊かに日常生活を送っているのですが、スタッフの方の話によると、実際の島民の方をモデルにしたものもあるそうです。
どの人形もそれぞれ面白い動きをしていますので、ぜひ細かく覗いてみてください!
原の辻遺跡(車窓)
博物館から郷ノ浦港へ向かう途中、「原の辻遺跡(原の辻一支国王都復元公園)」の横を通ります。

横を通るだけでは、漠然とした雰囲気くらいしか分からないのですが、長崎県文化振興課のサイト「ながさき歴史・文化ネット」によると、
国特別史跡原の辻遺跡内には、王都の中心域で発見された17棟の復元建物エリア、国を守る多重環濠エリア、遺跡から発見された原種系の植物を育てている植物栽培園エリアの3エリアを体感することができます。
原の辻一支国王都復元公園(原の辻ガイダンス)
という場所であるようです。
“実際の発掘調査で発見された土器を見ることができる遺構露出展示コーナー”なんかもあるそうで、そちらもまた面白そう。
その他、勾玉づくり、土器づくり、ガラス玉づくりなどの古代技術体験もできるようです。そんなに立派な遺跡公園が壱岐にあるなんて、全く知りませんでした。
公園への入場料は無料。これまた個人旅行であれば、立ち寄って王都の風に吹かれてみるのもよいのではないでしょうか。
さて、以上で壱岐での観光は終了!
この後はフェリー乗り場での少々の待ち時間の後、美しい夕日に見送られながら博多港への帰路につきました。

日帰りツアーに参加した感想
初めての土地、特に壱岐のような離島への旅行を計画する場合、まず迷うことの一つが「日帰りか泊まりか」だと思います。
私たちも今回、当初は「1泊の個人旅行」を考えていました。
しかし、観光のポイントや見どころがよく分からず(自分でイチから調べるのが面倒くさく)、結局は手軽な「旅行会社の日帰りツアー」に参加してみることに。
その結果、一番の感想は、
ということです。エントリークラス(入門編)、といった感じ。
自分たちだけでは知り得なかったような情報も、添乗員さんやガイドさんからすんなり教えてもらえますしね。
しかし、やはり半日という時間では壱岐の全てを味わうことは到底無理ですので、「もしこれで気に入ったならば、次はもっと自分の好みに合わせたプランで再訪する」、というのがベストなのではないかと思います。
日帰りツアーで見ただけで満足したわ、という方は、もちろんそれはそれでいいですしね!
私は、「月読神社」や「鬼の足跡」、「左京鼻」、「男岳神社の石猿群」など、見てみたい場所が他にもありますので、今度はぜひ1泊以上の個人旅行で再訪し、マイペースにゆっくり各地を見て回りたいなと思いました。
おわりに
以上、2020年8月に阪急交通社の日帰りツアーで壱岐を訪ねた際の「島内半日観光レポート」をお送りいたしました。
もしも「壱岐に行ってみたいけど、どう計画したものか…」と、なんとなく行かず仕舞いになっているのなら、まずは思い切って旅行会社の日帰りツアーに参加してみてはいかがでしょうか☺
たかが1日、されど1日、とっても貴重な経験になることと思います!
それから、帰りのフェリーで夕飯を食べたいという方は、郷ノ浦港の売店のミニ弁当が狙い目! かもしれません。(※売り切れ注意)
フェリーの中で買える食事らしいものといえばカップ麺くらいですので…20時過ぎに博多港に着くまでにお腹がもちそうにないという方は、乗船前に何か調達しておくことをおすすめします。
※船の中で購入できるものについては、当サイト内の別記事「博多から壱岐へ、船の旅! フェリーちくし乗船レポート」内の、フェリーのりば(博多ふ頭第2ターミナル)の章をご覧ください。
◆阪急交通社「フェリーで行く!はじめての壱岐 日帰り GoToトラベル事業支援対象」詳細ページ(Yahoo!トラベル)はこちら
みなさんが楽しい旅を過ごされますように!
最後までお付き合いいただき、どうもありがとうございました☺
Polly(2020.9.4)
※当記事内の情報および写真は、2020年8月中旬時点のものです。