こんにちは! 自然観光が趣味の福岡市民、「しぜんfan」のPollyです。
今回は、2020年2月18日に訪れた日田市大山町の「おおくぼ台梅園」の様子をご紹介したいと思います。
実はこの日、九州北部で観測史上最も遅い初雪を記録した日の翌日でした。福岡からの道中、山間部はすっかり雪景色。

日田の国道沿いは東峰村ほど標高が高くはないので、上の写真のように路面に雪が残るほどではありませんでしたが、それでも天候は真冬です。
正直「こんな寒い中で梅、咲いてるんだろうか。散ったりしてないんだろうか…」と思わないでもありませんでしたが、おおくぼ台梅園が会場の一つとなっている「日田おおやま梅まつり」は2日前にもう始まっているはずです。
というわけでとにかく現地に行ってみたところ、ちゃんと咲いていました🌸(場所によっては満開も目前)

そんな様子も含めてレポート作成したいと思いますので、よろしければぜひお付き合いくださいませ。
※記事でお伝えしている内容は、2020年2月18日(火)訪問時の状況です。
目次
日田おおやま梅まつり
まずは、今年で40回を迎えるらしい「日田おおやま梅まつり」について、イベント概要をまとめてみたいと思います。
【開催期間】2020年2月16日(日)~3月15日(日)
【会場】おおくぼ台梅園、ふるや台梅園、道の駅 水辺の郷おおやま他
【駐車場】おおくぼ台:400台(無料)、ふるや台:なし(梅園内の散策道脇に駐車可)
【梅の本数】おおくぼ台:約6,000本、ふるや台:約3,000本
【HP】日田市公式サイト
※3月1日(日)はおおくぼ台周辺で通行制限あり
私は今回「おおくぼ台」のほうを訪れましたが、「ふるや台」は「おおくぼ台」から車で10分ほどの距離にあるそうです。
期間中、それぞれの会場では日にちを違えてメインイベントが予定されていますので、位置も含め、詳しく確認したい方は日田市のホームページ(上記リンク)をご覧ください。

※【追記】新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、イベント内容に変更が出ているようです。
おおくぼ台梅園の概要
全体図
こちら、行ってみて得た情報とGoogle Earthとを組み合わせて作成してみた「おおくぼ台」の全体図です。

「道の駅 水辺の郷おおやま」方面から来た場合は、西側からやって来ることになります。(地図は北が上です)
グレーが車道、うす茶色の細い道が散策路。広い梅園を南北に分けるように道路が走っています。
梅園の面積は「8ヘクタール」とのことで、これを面積換算してみると「東京ドーム1.7個分」。かなり広いんですね。
駐車場について
現地で確認した限りでは、駐車場は道路に沿って二ヵ所ありました。
一つ目
西側から来た場合、まず行き当たるのは梅園の中央にある駐車場です。テントがいくつも並んでいるので、すぐに分かると思います。

これらのテントは地元の農家さんによる露店であると思われますが、私が行った日は大半が閉まっていました。
まだ梅まつりが始まったばかりだったからか、単に平日だったからかは定かではありませんが、3月のメインイベント開催日には店舗数が増えたりもするのかもしれませんね。
この中央駐車場(と勝手に呼ばせていただきます)は梅園のど真ん中に位置するだけあって眺めがとても良く、北側の梅園を180℃一望することができます。

満開時・快晴時には、さらに絶景になること間違いなしです。
二つ目
中央駐車場からさらに400mほど道路を進むと、下りカーブの先に見えてくるのが二つ目の駐車場です。

こちらは、前方左手に見える「梅酒蔵おおやま」の駐車場でもあるようです。
かなり広々としており、隣にはこれまた広い芝生広場(ゲートボール場)がありました。飲み物の自販機もあります。
ここから梅園へは、下ってきた坂を歩いて戻らねばなりませんので(といっても大した坂ではありませんが)、混雑していない日であれば、梅の花見には中央駐車場のほうが便利なのかな、と思いました。
2020年2月21日現在、この「おおくぼ台梅園」自体はGoogleマップには載っていません。行き先には「梅酒蔵おおやま」か「EV充電スポット」をセットするといいと思います。
EV充電スポットは、二つ目の駐車場の入り口に実在していましたよ。
白い自販機には「この自販機で購入すると60分間自動車への充電ができます」と書いてありました。
散策路について
私は写真を撮りながら一通り散策して回ったのですが、現地滞在時間は1時間半ほどでした。通常は、梅園観賞だけなら1時間あれば十分かもしれません。
散策路はところによってはワイルドですので、しっかり歩くという方は、歩きやすい靴を選んでのお出かけがおすすめ。
ちなみに、園内各所には「観梅は散策路からお願いします」という立て看板が立っていましたので、梅の木の間に勝手に入って座ったりするのはNGなようです。
梅まつりに合わせて無料開放してくださっている大事な農園でもありますからね。

トイレ
梅園内には仮設トイレが一ヵ所ありました。一つ目の駐車場の近く、道路を挟んで南側です。

私がお借りしたときはトイレットペーパーは備わっていましたが、念のためポケットティッシュを持っていると安心かもしれません。
梅園の様子
それではここからは、当日の梅園の風景をちらちらとご紹介してみたいと思います。
時間帯は、午前11時~12時半くらいです。
梅を見に行きはしましたが、結局は“自然散策”をたっぷり楽しんだ感じになり、撮った写真を後で見てみると半数は「ちょっと梅の写り込んだ山景色」でした(笑)
梅林の写真も、結局はどれも似通った印象になってしまいますので、各エリアから絞りに絞ったものだけを載せてみますね!
南側梅園
高低差では南側梅園のほうが北側よりやや高めですので、「広い景色」というのが南側の特徴かもしれません。


到着してすぐは地面にも山々にも雪が残っていましたが、日が高くなるにつれて徐々に消えていき、降雪と寒さに耐えた梅花たちも日差しの中で元気な姿を見せていました。


寒い時期から咲くだけあって、桜ほどヤワではないようです。
柑橘類の木々(南側)
南側の梅園を歩いていると、頻繁に柑橘系の木々が立っていることに気付きます。

大山町の主幹産業は農業で、中でも一番の特産品は梅のようなのですが、調べてみるとこの町は60年ほど前(1961年)、耕地農業から果樹農業へ“農業革命”を起こしたすごい町だったんです。
山に囲まれた大山町(2005年以前は日田郡大山町)は、稲作・畑作には不向きな土地柄。そこで、当時農協組合長だった矢幡治美さんという方が立役者となり、昭和30年代、山間地に適した「梅と栗」の栽培を始めたんだそう。
その際のキャッチフレーズ「梅栗植えてハワイに行こう!」は、地元では大変有名なんだとか。
さらには「土地収益性」「高付加価値」「一村一品運動」「高次元農業」といったキーワードも登場し、地に足の着きつつも先進的な農村運営に取り組んでいるという印象の町なのでした。
(参考元:大分大山農業協同組合公式サイト「大山のNPC運動」「おおやまの設計」他)
梅園内に見かける柑橘もその名残なのかもしれないなぁと思うと、感慨深いものです。
北側梅園
次は、道路を渡って反対側の北側梅園を散策。
中央駐車場寄りの散策路入口から入ってみたのですが、入ってすぐ右手には何やら石碑がある様子。近寄ってみると…

近よりて笑ひせしむることなかれ白梅の園にをとめひとり立つ 茂吉
とあります。
「茂吉」というのは、明治・昭和初期の歌人である斎藤茂吉さんのこと、かな?と思いつつ調べてみたところ、やはりそうでした。
実際に茂吉さんが訪れ、この地で上記の歌を詠んだのでしょうか。
「斎藤茂吉記念館」のサイトには、“斎藤茂吉を敬愛する人たちによって全国各地に建てられた歌碑を通して、茂吉がそこに残した足跡と歌心の旅をしのぶことができます”とありますので、もしかするとそうなのかもしれません。
(その頃に既にこの梅林があったのかどうかは謎ですが…)
同サイトによると、全国各地に143もの歌碑があるそうですよ。(2020年2月22日時点)
この歌碑周辺はキレイに梅が並んでおり、散策にはうってつけ。素敵な初春の記念写真が撮れそうですね。


散策路を奥に進むと、「甘味茶屋おおくぼ台」という甘味処・お食事処があります。私は民家だと思って通り過ぎてしまったので、“あったようです”と言ったほうが正しいですけれど…。
通り過ぎた後は、南側とはまた違った趣の、段差のある梅園風景を楽しむことができました。もとは段々畑だったりしたのかもしれませんね。

ミニ展望所
梅園の風景紹介は以上ですが、最後に、周囲を探検中に見つけた“ミニ展望所”をご紹介したいと思います。
その場所は、先ほどの手書き地図でいくと、「高台」と黄色の丸で囲ってあるところ。

けっこう急な坂を登ってみると、忘れ去られたような朽ち果てかけた展望公園があるのです。そこからは、大山川や大山の町を一望することができました。

もしお時間・余力があれば、登ってみると清々しい気分になるかもしれませんよ☺
おわりに
以上、「春を待つ日田大山・おおくぼ台梅園訪問レポート」をお送りいたしました。
福岡市在住の私にとっては遠征でしたが、今までは通り過ぎるだけだった大山町のことを少しでも知ることができ、ちょっと充実した気分。
神社や史跡公園などにある梅園もいいですが、大自然の中の梅園もまた、素朴な美しさが魅力だと思いました。
「奥日田温泉うめひびき」には日帰り入浴(11:00~14:30最終受付、平日600円・土日祝800円)もあり、「梅酒蔵おおやま」には工場・樽貯蔵庫見学や梅酒の無料試飲などもあるようですので、合わせて立ち寄ってみてはいかがでしょうか☺
※各公式サイトはこちら→「奥日田温泉うめひびき」「梅酒蔵おおやま」「第40回日田おおやま梅まつり」
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
それではまた。 Polly

※記事内の写真はすべて2020年2月18日(火)のものです。