みなさんこんにちは。旅と自然から元気をもらうブログサイト「しぜんfan」のPollyです。
今回は、当サイトのメインコーナーのひとつである「観光レポート」の記念すべき初回投稿! 張り切ってご紹介するのは、九州は大分県の「原尻の滝」です。
まずは簡単に見どころをまとめてみました。
- のどかな田園風景に突如現れるダイナミックな滝!
- いろいろな角度から滝を楽しめる自由度の高さ
- 吊橋や遊歩道、田んぼや神社など、滝だけではない周辺の魅力
- 道の駅隣接でとても便利
一人旅、デート、家族連れ、どなたにも自信を持っておすすめできる充実系自然観光スポットでした。
当記事では、私自身が2019年7月11日に現地を訪問した際の様子や感想を、たくさんの写真とともにご紹介したいと思います。
息抜きに、お出かけの参考に、しばしお付き合いいただければ幸いです。
では、いってみましょう!
目次
旅の概要
現地レポートに入る前に、原尻の滝の大まかな位置や当日のコンディションなどをご説明したいと思います。
「原尻の滝」のおおまかな位置
初回だからと張り切って、手書き地図を作成してみました。★が原尻の滝です。

なんとなく、位置をご想像ただけましたか?
原尻の滝は大分県南西部の豊後大野市緒方町にあり、 外国人観光客に沸く別府から南に約50kmほどのところに位置しています。
“九州のへそ” といわれる熊本県の阿蘇からは東に約40kmほどです(Google情報)。
標高1,756mの「祖母山」、標高1,602mの「傾山」などを含む「祖母傾国定公園」に程近く、この山々を挟んで反対側の宮崎県高千穂町には、「真名井の滝」で有名な高千穂峡があります。
すごく、山に囲まれたところです。
私が現在住んでいる福岡市からは150km近くあり、「やまなみハイウェイ」で有名な九州屈指の高原地帯「久住高原」を越えなければ辿り着けないため、九州北部にお住いの方はお分かりいただけると思いますが、なかなか日帰りで行ける場所ではありません。
今回は熊本で一泊する用事があったため、せっかくなら足を伸ばしてどっか滝でも見に行こう!と、手持ちの「JAF ドライブMAP」に載っていたこの滝を目的地に決定。
事前知識は、
- “東洋のナイアガラ” と呼ばれているらしいこと
- 道の駅が隣接しているらしいこと
の2点。大雨が降った翌日だったこともあり、アタリの予感とともに向かったのでした。
私の訪問データ
参考までに、当記事でご紹介している、私の訪問時の状況は以下の通りです。
- 訪問日: 2019年7月11日(木)
- 天気:くもり
- 交通手段:マイカー
- 訪問時間帯:午前中(10時頃~)
- 現地滞在時間:約3時間
写真を撮りながら周辺の散策もしたため、思いのほか長めの滞在時間となりました。
もしも滝を見るだけなら10分もあれば足りますし、じっくり周辺まで散策して食事もして、となると2~3時間はかかるでしょうし、所要時間は過ごし方によってかなり変わってくると思います。
個人的には3時間くらいで大満足でした。
現地レポート
それではここから、当日の訪問レポートに入っていきたいと思います!
「道の駅 原尻の滝」に到着
雨の阿蘇を抜け、地味に楽しい国道502号線の音楽の鳴る道路を抜け、「道の駅 原尻の滝」に到着したのは朝10時前でした。


平日だったせいもあり、駐車場はまだガラガラの模様。もう少し先にも滝用の駐車場があるようでしたが、とりあえず道の駅に車を停めてみます。

はい、ここからは当サイトのマスコット、黒猫のうにちゃんが、おすすめポイントなどをコメントしてくれます。
滝までそう遠くはなさそうですので、車はこのまま道の駅に停めて、早速滝に向かって歩いてみます。
こちらの看板が、遊歩道入口の目印になりますよ。

吊橋を渡り、対岸へ

先ほどの看板から少し歩くとすぐ、遊歩道沿いに「吊橋」の案内表示を発見。なんと、吊橋があるとは知りませんでした。
案内に従って左折して歩くことものの1~2分。

予想外に渋くてかっこいい吊橋が架かっています。下には川が流れており、川を挟んだ対岸まで渡れるようです。
とりあえず渡ってみたいと思います。

高さはさほどないのですが、幅はご覧の通り結構細く、自分が歩いたり誰かが歩いてきたりすると多少揺れます。高いところが苦手な方には、ちょっと怖く感じるかもしれません。
私は高いところは好きなので、楽しかったですけどね。なにより、景色がいいです。
渡り始めるとすぐ、右手に見渡せる景色がこちら。

いきなりこんな絶景が見られるとは! まさに “東洋のナイアガラ” 的な様相ですね。
全体の造りとしては、滝の周りをぐるりと歩けるように、吊橋と遊歩道が繋がって大きなループになっている模様。写真右手の階段から、下の広場にも降りられそうです。
何よりも気になるのは、滝の「上」に普通に道路があるように見えること。これから、あそこまで行ってみたいと思います!

吊橋の上から見る、滝とは反対側の景色もいい感じです。

川のせせらぎも心地よく、素朴な自然に癒されます。写真の左側、川の脇に散策路があるのも見えますね。
橋を渡り切ると、遊歩道を右折。滝壺に沿うようにして進むうちに、右手にどんどん滝の全景が広がってきます。



やっぱり、滝の上に道路がありました! 普通に車が走っているのには驚きです。地元の方々にとっては、この滝は普段の生活の一部なんですね。
滝の成り立ちについて
それにしても、なせこんな地形ができたのか不思議です。
気になったのでパンフレットなどで調べてみたところ、まず、このあたり豊後大野一帯は、約9万年前に阿蘇火山が大噴火した際に火砕流に埋め尽くされたんだそうです。
そこから長い時間をかけて、今のこの緑豊かな大地が復活を遂げたとのことで、この原尻の滝を含む一帯が「おおいた豊後大野ジオパーク」に指定されています。
滝の成り立ちについては詳しくは分かっていないようですが、「阿蘇溶結凝灰岩」という、巨大火砕流が冷えて固まってできた、この地特有の岩石でできているとのこと。
大きな一枚岩というから驚きです。
(参考資料:「おおいた豊後大野ジオパーク推進協議会」公式パンフレット)

ひやひや~、さわさわ~っと、緑のミストが段々と濃く漂ってきました。滝の上側にいるからか、近さの割に音はそこまで大きく感じません。
このまま進めばすぐに滝の上に行けますが、ここで私は滝とは反対方向に向かい、近くの神社まで田んぼの中を散歩してみることにしました。
「緒方二宮八幡社」まで散策
滝のすぐ東側には、長閑な田園風景が広がっています。

ちょっと田んぼのほうによると、カエルたちががぴょんこぴょんこと水の中に逃げていくのが嬉しくて、ひとしきり撮影。(苦手な方がいたら申し訳ないので、掲載は控えます。)
このあたり一帯に田んぼが広がっているのにも歴史があるようで、古くは平安時代末期、主には江戸時代初期に「緒方井路」と呼ばれる灌漑用水路が整えられ、 “緒方五千石米どころ” として岡藩を支えてきたのだそう。
私は食には疎くて知らなかったのですが、大分の「緒方米」といえば今でも美味しいお米として有名なのだそうです。
ありきたりな言葉になりますが、ここには古き良き自然がしっかり残っていて、カエルの他にもカタツムリやセミ、チョウチョなど自然の生き物をたくさん間近で見ることができました。
農家の方々の生活の営み、滝との暮らしなども垣間見えて、滝だけではない土地の魅力を感じましたよ。
そうこうしているうちに、神社に到着。

とても古くて雰囲気のある神社です。
この神社の名前は「 緒方二宮(にのみや)八幡社 」というのですが、階段を上り切った境内の先に、「一ノ宮八幡宮」へ続く道を発見。 “これより80m 徒歩3分” とあります。
せっかくだから行かない手はないと、うっそうとした坂を上ってみました。
すると、いきなり立ちはだかるフェンス。

鹿や猪の侵入防止用に設置された金網フェンスのようです。雨に濡れたラミネートの張り紙をまじまじ読んでみると、
- ロープを外せば通行できます
- 通行後は必ず閉めてください
と書いてあります。
しかし、ロープの結び具合はかなりお固め。外すのも至難の業に見えるのに、これをまた元に戻すなんて、素人技ではありません。
通行を敢えなく断念し、来た道を引き返したのでした。

さて、周辺散策を終えたところで、お次は滝の上側に行ってみましょう!
いよいよ滝の上へ
さてさて、神社から戻って来て、メインの遊歩道に戻って来ました。向かって右手が滝壺側です。

まさか下に “東洋のナイアガラ” があるとは思えないくらい、普通に塗装されて歩きやすい道です。
車も来ますし、自由に道を出て崖っぷちにもアクセスできてしまうので、小さいお子さん連れの際はお気を付け下さいね。
気になっていた鳥居にもようやく接近できました。緒方二宮八幡社の「一の鳥居」です。
とても浅くて足場も多い河原なので、もっと鳥居に近寄ったりもできますよ。
毎年11月下旬には、水路への感謝と繁栄を願ってお神輿が川を渡る、「緒方三社川越し祭」というお祭りがこの場所で行われるそうです。
滝側のほうはどんな感じでしょうか。ちょっと道路を下りて、滝壺側に近づいてみましょう。


こちら側からの眺めもなかなか良いですね。写真ではちょっと分かりづらいですが、ここから下に落差20mの滝が流れ落ちています。
この、岩がぼこぼこしているのは「甌穴(ポットホール)」なんだそうです。水の流で動き回る石たちが、長い年月をかけて岩を削って、たくさんの穴を作るやつですね。
甌穴というと、九州出身の私は宮崎県の「関の尾の滝」を思い浮かべますが、愛媛県の「八釜の甌穴群」とか、群馬県の「四万の甌穴群」とか、 日本各地に有名な場所がありますよね!
ここ大分にもこんな名所があったとは。
この滝を形づくっている岩が、約9万年前の阿蘇火山大噴火によってできた「阿蘇溶結凝灰岩」から成っていることは先にお話ししましたが、この岩は削られやすいのが特徴なのだそうです。(参考:「おおいた豊後大野ジオパーク発行パンフレット)
水は鳥居側から道路の下を通って滝壺に流れ落ちていますので、道路の下も覗いてみましょう。

おお!すごい迫力です。道路から一段下りたところにある岩の上から精一杯下を覗いて撮影しているのですが、流れが速いので、滑って落ちることを考えるとお腹がざわざわします。
それでもちょっと、水の流れに手を入れてみました。冷たくて気持ち良し。
滝の写真を撮るために、もっと崖に迫れそうなところを探してみましょう。
↓ ここはなかなかいいですが、一番太い滝筋の真上なので写真を撮るにはいまいち。

もう少し先の、滝の端っこ側に行ってみましょう。ちなみに原尻の滝の幅は120mだそうです。
話が逸れますが、幅120mって、日本の滝の世界ではどうなんでしょう。気になったので、日本で一番幅が広い滝をGoogle先生で調べてみたところ、 “鹿児島県/東洋のナイアガラ「曽木の滝」” という検索結果が。こちらの幅は210m。
負けとうやんか―!
まぁ、観光の世界ではよくあることですね(笑)
さて、滝の端にやってきました。ちょっと立て続けに写真いきますね。




これはいい!素晴らしいです。突風でも吹いたら飛ばされるかもしれないという、安全圏ギリギリのところに立つスリルも相まって、たまらない爽快感です。

下からの滝の全景
せっかくなので、吊橋の上から滝を見たときに見えたあの階段を下りて、下にも行ってみましょう。
上より下の方が人気なようで、たくさんの人が滝をバックに写真を撮っていました。
立派な折りたたみ自転車を担いだ人たちも下りて来て、河原に自転車を置き、滝を見ながらのんびりお昼ご飯を食べていたのが印象的でした。

青空も少し出てくれて、壮観な眺め。もっと前に行って写真を撮れば良かったと、今になって少し後悔…。
▼ 2019.10.19追記
滝の様子を動画でもお伝えすべく、YouTubeにアップしてみました。
吊橋の下をくぐって遊歩道へ
上に戻ろうと背後を見たところ、滝とは逆方向にも遊歩道が延びていることに気付いたので、ちょっと寄ってみます。
吊橋の下を通り抜けて、奥まで進めるようです。

ここは、最初に吊橋を渡ったとき、左下に見えた遊歩道ですね。ひっそりと涼やかで、とてもいい雰囲気。
振り返ると、橋と滝が一緒に見えます。人がちょうど渡っているときだと、「おーい!」と手を振りたくなりますね。(しませんでしたけど。)

このまま遊歩道を先まで歩いてみたい気持ちはあったのですが、すでに時刻は13時近く。お腹がもちそうにありません。夕方には福岡に戻りたかったのもあり、今日のところはこれで観光終了とし、車に戻ることにします。
ゆっくり時間があればお弁当を持ってきて、一日中ここで過ごすのもいいなと思いました。

私の原尻の滝散策は以上です。お付き合い、ありがとうございました!
「原尻の滝」まとめ
いかがでしたか? 現地の雰囲気を少しでも感じていただけたでしょうか。
この滝の魅力はなんといっても、いろいろなアングルから楽しめることだと思います。遠くから見るもよし、上に立ったり水際に下りたり、座りやすい石でも見つけて、滝を眺めながらボーっと座ったり。
吊橋、神社、散歩道もあり、たくさん歩きたい人にもいいですね。
マイカーの場合、道の駅側(吊橋側)と滝壺側と両方に駐車場があるのですが、どちらも滝までの道が平坦なので、家族連れやお年寄り、車いすの方にも優しい観光地だと思います。
おまけに道の駅まで併設されているとは、もう完璧です。
「道の駅 原尻の滝」にはレストランや土産物店があるほか、地元の農産物も販売しています。 詳しく知りたい方は、直接ネットで調べてみて下さいね。

【住所】大分県豊後大野市緒方町原尻936-1(道の駅 原尻の滝)
【入場料】不要
【駐車場】道の駅に3~4か所あり
【トイレ】駐車場および道の駅にあり
【自販機】駐車場および道の駅にあり
【お店】道の駅内にあり
※道の駅営業時間:9:00~17:30(冬季は~16:30)
【駐車場から滝までの距離】道の駅側からは徒歩3分、滝側からは徒歩1分
【靴】簡単な散策であれば、普段履いているものでOK
【おすすめの訪問時期】年中(特に4月~11月)
【英語案内】△
英語の案内に関しては、道の駅の入り口に滝の説明看板が立っていましたが、その他案内表示やパンフレットなどは日本語のみでした。とはいえ、感覚的に回ることができるので、どの国の人でも心配なく楽しめると思います。
最後におすすめ訪問時期について。イベント情報を調べてみたところ、4月には道の駅で「チューリップフェスタ」、11月には周辺で「もみじ祭り」、冬には記事内でも紹介した「緒方三社川越しまつり」があります。
夏は川遊びやハイキングが楽しめますし、春夏秋冬見どころのある名所なんですね。
個人的には、チューリップや新緑が楽しめる春にまた行ってみたいな、と思いました。
以上で景観名所レポート「大分県・原尻の滝」を終わります。最後までお読みいただき、どうもありがとうございました!
では、よい一日を☺ Polly

※記事内に掲載した写真は全て、2019年7月11日に撮影したものです。