みなさん、こんにちは。旅と自然から元気をもらうサイト「しぜんfan」のPollyです。
今回の景観名所レポートの舞台は、晩秋の札幌・円山です。
札幌の11月といえば、街中を色とりどりに彩っていた紅葉も散り始め、いよいよ冬の空気が濃くなってくる頃。人々の話題はもっぱら「今年は初雪いつになるかなぁ」とか、「もう暖房つけたかい? うちまだ我慢してんだわ」とか、「そろそろタイヤ替えないとなー」とか。
迫りくる長い冬を前に、今のうちに楽しめることはしておきたい!という気持ちになったりしますよね。
リスの好きな私は、冬ごもり準備も佳境を迎えているであろうエゾリスたちを見に、札幌のエゾリス観察の聖地・円山へ、ついでに登山にも出かけることにしました。
半日あれば気持ちよく自然の中でリフレッシュできますし、この「円山でリス探し登山」は、天気のいい日の手軽な運動兼お出かけにおすすめですよ。
私のこれまでの経験上、リスに会うこともそう難しくはないと思います。
当記事では、大まかな登山コースの紹介、2018年11月3日の現地レポート、アクセス情報などをまとめてみたいと思いますので、お出かけ前の情報収集のお役に立てれば幸いです。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします!
目次
アクティビティの見どころ
早速ですが、今回のお出かけの見どころはこちら。
- 木漏れ日にきらめく最期の紅葉
- 山頂から見渡す札幌の大パノラマ
- 冬支度に忙しく走り回るリスたちもお出迎え!
無事にリスたちに会うこともできましたので、後ほどの写真もお楽しみに!
アクティビティの基本情報
円山について
札幌市民の方はご存じの通り、円山公園は、札幌市中心部から西に約3~4kmのところにある大きな都市公園です。
「北海道神宮」や「円山動物園」も隣接しており、市民や観光客で年中賑わう、自然豊かな都会のオアシスとなっています。
札幌を代表する桜の名所でもあり、毎年GW頃にはたくさんの市民とカラスが花見ジンギスカンを楽しむ場所としても有名ですよね(笑)
そのエリアの中でも特に豊かな自然に触れることができるのが「円山原始林(円山)」。下の地図では動物園の右側の、緑色で囲んである部分です。

円山は高さ225.4mの小さな山で、カツラの大木やミズナラなどの天然林に覆われています。この天然林は明治初期の開拓使時代から保護されてきたもので、大正10年には天然記念物に指定されました。
市街地に今なお残る天然林として、また、温帯北部の代表的な天然林としても大変貴重なものなのだそうです。
(参考:原始林内に設置の案内板および『札幌市役所建設局みどりの推進部』ウェブサイト)
初心者にも人気の登山道
そんな円山には頂上まで登ることのできる自然歩道(登山道)が開かれており、往復1時間半ほどの手軽なハイキングコースとして、リスや野鳥観察の場として、多くの札幌市民に親しまれています。
頂上からは札幌の街並みを文字通り一望できるため、観光スポットとしてもおすすめです。
登山口は、地下鉄円山公園駅に近いほうの「八十八ヶ所入口」と、動物園裏手にある「動物園裏入口」の2ヶ所。
私の経験からは、八十八ヶ所近くのボードウォーク(木道)付近がエゾリスの高確率出没スポットですので、「登山はしないけどリスは見たい」という方は、下の図の茶色の道を歩いてみるといいかもしれません。

※先ほどの公園全体図と照らし合わせると、より分かりやすくご覧いただけます。
私のお出かけデータ
参考までに、私が現地を訪れた日のコンディションも記載しておきます。
- 行った日:2018年11月3日(土)午前中
- 天気:晴れ(最高16℃、最低3.9℃)
- 交通手段:自転車
- 現地滞在時間:約2時間
当時住んでいた札幌市南区の家から円山公園までは約10kmの距離。天気も良かったので、朝の凛とした空気の中、朝8時前に気持ちよくチャリで出発。
こちらも北海道あるあるですが、初雪がいつ来るか分からないこの時期は、多くの自転車愛好家にとって「乗れるうちに乗っておこう!」という“乗り納め”の時期なんです。道内や一部東北の方はご存じの通り。
根雪が始まってしまうと4月の雪解けまでは乗れなくなってしまいますからね!
(中には冬タイヤに履き替えて真冬にも乗っている人もいますが、あれはきっと、ごく少数派の骨太の方々ですよね。)
円山を往復するにあたっての所要時間は、平均的には2時間あればちょうどいいくらいなのではないでしょうか。
それでは、自転車で公園に到着したところからレポートスタートです!
現地レポート
円山公園に到着
気持ちの良い秋晴れの中、8:20分頃に公園の東端にある野球場に到着。横のトイレ付近に既に何台か自転車が停まっていたため、私も便乗してそちらにマイバイクを停めました。

傍の柵にチェーンを通してしっかりロック。
公園内に大々的に「駐輪場」として開放されている場所があるのかどうか、調べた限りでは不明でしたので、心配な方は地下鉄円山公園駅の無料駐輪場を利用すると良いと思います。
車や公共交通機関でアクセスする方は、後ほど記事の最後にアクセス情報(ページ内リンク)をまとめておりますので、よろしければそちらもご参考にどうぞ。
登山口に行ってしまうとその後はトイレはありませんので、一応済ませておくと安心ですよ。私の把握している限りでは、「野球場」の横と「パークセンター」の横の2ヶ所が最寄りだと思います。

どちらもトイレットペーパーがなかったか、もしくは自販機制だったような記憶があります。ポケットティッシュを持っていくと重宝するかもしれません。

水筒に入れてきたホットコーヒーを一口飲み、軽く一息ついていざ出発! 並木広場の遊歩道を、まずはボードウォークを目指して進みます。

まだ紅葉が残っていますね。朝の森の匂いが、なんとも清々しいです。
広場にじっと立ってしばらくあたりの様子を窺ってみると、早速、木の間を駆け回っている一匹のリスを発見。走り回るのに合わせて、ふさふさのしっぽがひょこひょこしているのですぐに分かります。
写真を撮ろうと狙うも、山の方へ入ってしまい、見失ってしまいました。残念。
リスとの遭遇①
「八十八ヶ所入口」の側を通り過ぎ、林の中を動物園方向に歩いてボードウォークにたどり着いたころ。

いました!
動くと存在がバレると思っているのか、微動だにしません。よく見ると、口には木の実をくわえています(笑)

カメラの設定をいろいろ試しながら近寄って行くうちに、素早く走り去ってしまいました。
他にも、落ち葉の中からせっせと木の実を探し出している別のリスを発見。


まるまるとしていて、かわいいですね。冬に備えて栄養貯蓄中でしょうか。
リスたちの動きがとても素早く予測不能な上、 林の中は暗いので、ばっちりカメラに納めるのがなかなか難しいです。
私はデジタル一眼のAVモードをよく使うのですが、ISOを1600まで上げ、F値を6.3くらいに抑えて明るさも暗めに設定して、あとはタイミングでなんとか撮れるときは撮れる、という感じです。
絞りすぎると焦点がずれたときに台無しになってしまうし、とにかく数打ちゃ当たる状態。もっとたくさん動物を撮って、修業が必要ですね。
中には餌で釣ってうまいこと写真を撮ろうとする人もいますが、野生動物への餌付け行為は立派な条例違反ですのでやめておきましょう。
それでもやはり餌をあげる常連さんがいるのか、観光客が頻繁に餌をあげてしまうのか、はたまた動物園の餌を狙っているのか…とにかくこのボードウォーク(木道)はエゾリス出現スポットとしてかなり狙い目のようです。
彼らは朝早くによく動き回るので、朝9時より早いほうがより会いやすいかもしれません。

登山開始、リスとの遭遇②

時刻は8時57分。木漏れ日の美しい原始林の中へ、いざ入って行きましょう。「動物園裏」から頂上までの距離は0.7km、登り時間の目安は30分です。
2日前に雨が降ったためか、地面はけっこう湿っていました。この時期は特に落ち葉がたくさんあって大変滑りやすいため、一歩一歩、慎重に歩きます。
5分も歩かないうちに、山道にまたエゾリスが登場。期待していなかっただけに、嬉しいサプライズです。

カメラ目線で、ポーズもかっこいいですね。木の上を自在に歩き回れるとあって、爪はさすがに鋭そう。


そう、意外と大きいんです。シマリスのような可憐さはありません。エゾリスの何がかわいいって、やはり胸の白いところと、体ほどもある大きなふさふさの尻尾、そしてカンガルーのように筋骨隆々とした体つきでしょうか。
無事に何匹も見ることができて、第一の目的は達成。後は、さくっと頂上からの景色を拝んでから帰りましょう。

札幌の紅葉のピークはだいたい10月24日前後ですので(私調べ)、山の中はさすがにもう寂しくなってきたな、という印象。(※この日は11月3日です)
それでもまだ地面に雪もありませんし、紅葉見納めには文句なしの登山です。
円山頂上からの眺め
リス遭遇から20分ほどで頂上付近に到着。体力はあるほうですが、やはりちょっと息があがります。
この坂を上り切れば、そこはもう頂上。


これはまた、最高に気持ちの良い空です!気温は14℃くらいだったと思いますので、運動した後にはちょうど良い塩梅。遠くに山並みも見えます。
方角的に、夕張の山々でしょうか。

右手には、お隣りの藻岩山も覗き見できます。
ひとしきり写真を撮ったら、頂上の岩に座ってコーヒーとカロリーメイトで休憩。

私は10分ほど、札幌の街を眺めながらぼーっと過ごしました。
下山
時刻は9時40分。頂上から八十八ヶ所入口までは1km、下り時間の目安は30分です。
道中、黄色の葉がキラキラ輝いてきれいでした。

この八十八ヶ所側のルートには途中でわりと平坦な道が続くパートがあり、木々の間からちらっと札幌の街が見えたりもします。
写真を撮りつつのんびり歩いていると、数組の観光客グループとすれ違いました。登りの動物園裏では誰にも会いませんでしたが、こちら側のルートの方が人気なのか、ただ単に10時を回って人々が活動し始めたせいなのか。

野鳥にも出会いましたよ。確か、前に来た時にもいました。後で調べてみると「ゴジュウカラ」という鳥だそうで、円山ではよく見かけられるようです。人懐っこく、近くをちょろちょろ飛び回っていきました。
八十八ヶ所入口へ到着

10時15分、八十八ヶ所入口付近へ到着。ここまで来ればゴールは目前です。
この「八十八ヶ所」付近には、たくさんのお地蔵さんが並んでいます。その名前から察するに、八十八体並んでいるのでしょうか。この入口付近だけでなく、頂上までの道のりにもちょくちょく見かけたりもします。これはなぜ?
疑問に思ったので、調べてみました。
ネットで見つけた2008年の札幌市の資料から要約すると、 “大正時代にこの登山道を開いた上田兄弟の弟・上田善七さんが、成田山新栄寺の住職らと相談し、四国八十八ヶ所にちなんだ八十八体の観音像を置くことにした” んだそうです。
そして “四国から道内に移住してきた信仰者有志に観音像の寄進を呼びかけ、八十八の像が建立された” とのこと。今では200体以上あるそうです。

気軽に登れる小さな山とはいえ相手は自然ですから、無事に登山を終えることができたのはありがたいことですね。心の中でお礼を言いましょう。

以上で現地レポートは終了です。
今回とは逆ルートで登っています。
円山へのアクセス情報
さて、私の今回の交通手段は自転車でしたが、それ以外の方法ではどうなのでしょうか。最後に交通手段別のアクセス方法をまとめてみました。
※以下は2019年7月30日時点で私が個人で調べた情報です。出発前にご自身でもご確認されることをおすすめします。→ 2020年8月10日情報更新済
まず、円山へ行くのに一番メジャーなのは「地下鉄」でしょう。
(大通駅からの場合:乗車時間約5分、運賃大人片道210円)
八十八ヶ所入口までは徒歩10分ほどです。
地下鉄で来た場合は、円山公園駅から動物園まで「JR北海道バス」を使う手もあります。
- 動物園線(円15):動物園西門下車
- 大倉山線(くらまる号):動物園正門下車
円山登山に便利が良いのは「動物園正門」のほうですが、「くらまる号」で年間を通して乗ることができるのは「9:30」の1本のみで、他の便は4月下旬~10月上旬の土日祝のみ(夏休み期間中は毎日)だったりします。
※2020年4月1日ダイヤ改正分のバス時刻表(公式)→円15、くらまる号
「くらまる号」は朝早くは運行していませんし、個人的にはバスを使うよりも地下鉄から直接歩いたほうが手っ取り早いように思います。
次は「車」。道民の方の中には、車一択という人も多いかもしれませんね。
- 円山動物園駐車場:普通車1回700円(夏季9:00~17:30、冬季9:00~16:30)
- 北海道神宮駐車場:参拝者は1時間無料、以降1時間毎に500円
- その他、円山公園駅周辺コインパーキング:相場は1時間200円
円山動物園の駐車場は時間制ではなく “1回の駐車につき” であるところがミソです。車を2時間以上停めるなら、動物園の駐車場のほうがお得ですね。
ちなみに北海道神宮の方は、公式サイト内に詳しい駐車場案内が載っていないので分かりづらいのですが、ネット上の様々な記事情報によると「祈祷受付所の認証機に駐車券を通すことで1時間割引になる」という仕組みのようです。
おわりに
晩秋の円山登山の様子をお伝えしましたが、いかがでしたか?
以下に、私が思う「円山登山のポイント」をまとめてみした。雪のない時期であればこんな感じで大丈夫だと思います。
- トイレ用にティッシュを携帯する
- リスの観察には朝早くがおすすめ
- 足元は必ず運動靴で
- 余裕を持って最低でも往復2時間みよう
- スマホやカメラを忘れずに!
- 飲み物、おかしがあるとなおよし
私は今回が3度目の円山登山でしたが、年配の方からお子さんまで、幅広い方々におすすめのハイキングルートです。
程よくきつい場面もあっていい運動になりますし、運よく野生動物に会えたり澄んだ空気にリフレッシュできたりと、手軽な自然系アクティビティとして最高だと思います。
何より、頂上からの眺めは格別! 爽快な達成感を味わうことができますよ。
まだ行ったことない方はぜひ! おすすめです。
それでは以上で「景観名所レポート#2 エゾリスに会いに晩秋の円山登山へ!」を締めくくります。最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
よい一日を! Polly☺

※記事内の写真は2018年11月3日時点のものです。